現代美術

国際芸術祭「あいち 2022」のテーマが「STILL ALIVE」に決定! 芸術監督の片岡真実が提案する3つのビジョン

遠藤 友香2020/12/23(水) - 20:11 に投稿

「あいちトリエンナーレ」から名称と体制を大きく変えて、2022年に新たに始動する「国際芸術祭『あいち 2022』」。2020年12月22日(火)に開催された記者会見に、芸術監督の片岡真実が登壇し、テーマが「STILL ALIVE」に決定したことと、そのコンセプトが発表されました。

片岡は、「新型コロナウイルス感染症の流行以降、日常生活や社会経済活動を回復して、持続可能でより平等な世界を築いていくことが喫緊の課題。2022年は、このパンデミックからの回復期にあたり、環境、政治、経済、文化といったあらゆる領域から新しい提言が求められる時期となる。不確かな中から未来を生み出すことが、我々に課せられた責務」とし、テーマ決定に際して留意した点を述べました。

片岡真実芸術監督

次代への扉をひらく、「2020年代」の日本のアクチュアルな表現とは?<br>「DOMANI・明日展 2021 文化庁新進芸術家海外研修制度の作家たちースペースが生まれる」開催!

ARTLOGUE 編集部2020/12/20(日) - 15:46 に投稿

例年、年の初めに国立新美術館で開催してきた「DOMANI・明日展」は、今年度で第23回目を迎えます。

今回は、過去10年間に、文化庁新進芸術家海外研修制度で各国で研修を経験した7人の新進作家に、それ以前に研修を経て、現在、アートシーンの最前線で活躍する竹村京・鬼頭健吾、袴田京太朗を加え、「2020年代」を迎えた日本のアクチュアルで国際的にひらかれた表現を浮かび上がらせます。

まもなく東日本大震災から10年が経とうとしています。被災によって生じた空間や景観の余白に加え、今年はコロナ禍のstay homeで体験した時間的余白も加わりました。展覧会のサブタイトル「スペースが生まれる」には、それらを経て、改めて何が本当に大事なのかを考え直し、次代への扉をひらく時期を迎えているのという願いが込められています。

国際的な移動や発表を前提に活動してきた作家たちが、長期にわたる閉塞状態のアートシーンに遭遇したなかで思考を重ねた展覧会に足を運び、作品と対峙してみてはいかがでしょうか。
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「生きている事を確認する行為」として 絵の具を纏う<br>新宅加奈子個展「Then – Shintaku kanako solo exhibition」開催中!

ARTLOGUE 編集部2020/12/20(日) - 15:38 に投稿

主に身体表現で活動しているアーティスト新宅加奈子の個展がFabCafe Kyotoにて開催中です。

「生きている事を確認する行為」として 2010 年より全身に絵の具を纏い始めた新宅。身体と精神を拡張し自己からの脱却を図り、その行為をセルフポートレートとして展開してきました。今回の個展では、実際のパフォーマンス作品のほか、その痕跡の立体作品や、伊勢市クリエイターズ・ワーケーションでの作品スタディも展示を予定しています。

また、こちらの個展は地域イベント「SHIMOGYO+GOODまちなかアートギャラリー」の一環として開催されます。下京区内の飲食店等の店舗や宿泊施設等、日常生活の場でアートが体感出来る機会を是非お見逃しなく!
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社会と実験的な舞台芸術を多様な視点で結びつけることを目指すフェスティバル<br>「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭2021 SPRING」

遠藤 友香2020/12/16(水) - 17:02 に投稿

2010年より毎年京都市内で開催され、今回で11回目を迎える国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」。毎年秋に行われていましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けて、2020年秋に「KYOTO EXPERIMENT 2020」として開催を予定していたフェステイバルの会期を変更し、「KYOTO EXPERIMENT 2021 SPRING」として、2021年2月6日(土)から3月28日(日)の期間、ロームシアター京都、京都芸術センター、京都芸術劇場 春秋座、京都伝統産業ミュージアム他で開催予定となっています。

川崎陽子、塚原悠也、ジュリエット・礼子・ナップの3名の共同ディレクターによる新体制のもと、国内外の「EXPERIMENT(エクスペリメント)=実験」的な舞台芸術を創造・発信し、芸術表現と社会を新しい形の対話でつなぐことを目指しています。演劇、ダンス、音楽、美術、デザイン、建築など、ジャンルを横断した実験的表現が集まり、そこから生まれる創造、体験、思考を通じて、舞台芸術の新たな可能性をひらいていきます。

新たな出発に際して、フェスティバルの骨組みも刷新。多様な視点で社会と実験的な舞台芸術を結びつけることを目指し、実施する3つのプログラムを柱に構成されます。

翻訳が拡張する相互理解の可能性<br>トランスレーションズ展 −「わかりあえなさ」をわかりあおう

日比生梨香子2020/12/16(水) - 14:34 に投稿

 現在、六本木エリアに位置する「21_21 DESIGN SIGHT」にて企画展「トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう」が開催されています。

本展ではアートやデザインの領域をまたぎ、国籍を超えて様々な表現媒体に携わる情報学研究者のドミニク・チェン氏を展覧会ディレクターに迎え、「翻訳=トランスレーション」と呼ばれる行為をある種の「コミュニケーションのデザイン」と捉え、同テーマを軸に、「わかりあえないものをわかりあうため」の21プロジェクトを7つのセクションに分けて展示しています。

今回の記事では、いくつかの展示作品をピックアップしてご紹介します。
 

「創造」の灯火を絶やすことなく明日へ<br>多様な表現が広がるオンライン・アートプロジェクト「AICHI⇆ONLINE」

ARTLOGUE 編集部2020/12/12(土) - 18:32 に投稿

明日はみんなをまっている。
泉のようにわいている。
らんぷのように点ってる。


こちらは『ごんぎつね』で知られる、愛知県半田市生まれの児童文学作家である新美南吉が、1932年の19歳に発表した詩「明日」に記された一節です。新美は人間の哀しみの中にある愛や美しさといった普遍性を描き続けましたが、中でもこの詩は、作品を通して「創造」への希望を託しています。

新型コロナウィルスの感染拡大により文化芸術の灯火がついえそうな危機的状況を迎えて現在(いま)、映画、現代美術、文学、漫画、音楽、といった幅広いジャンルで展開されるオンライン・アートプロジェクト「AICHI⇆ONLINE」が始動します。

本プロジェクトでは、文化芸術の表現者やその制作を支えるさまざまな職能を持つ人々と共に、表現活動を続けていくための後押しとなる9プロジェクトを新たに制作し、ウェブサイトを通じオンライン上で発表します。

絶えず流動的なこの禍中で「創造」の灯火を絶やすことなく明日へつないでいくために。
多様な表現が広がるプラットフォーム「AICHI⇆ONLINE」にぜひご期待ください。

 

今尾拓真の「work with」最新作!<br>work with #9 (CLUB METRO 空調設備 ) が遂に公開!

安福里沙2020/12/12(土) - 13:43 に投稿

2020年12月15日より京都CLUB METROにて、今尾拓真の京都初となる個展「work with #9 (CLUB METRO 空調設備 ) 」が開催されます。

今尾拓真は京都生まれ京都育ちの、音を使ったインスタレーションを中心に全国各地で活動を広げている新進気鋭の若手作家です。
彼の大学の卒業制作である「work with #1」では、大学ホールの空調設備にリコーダーなどの楽器を取り付け、その場にある空気を音へと変換する作品を発表しました。それ以降も「work with」として各地でサウンドインスタレーション作品を展開しており、音を1つのきっかけとして、普段は見過ごされていた建築空間の構造やその場所の持つ物語が可視化されるのが特徴です。
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1300平米の広大な空間に拡がる大山エンリコイサムの世界<br>個展「夜光雲(やこううん)」開催!

ARTLOGUE 編集部2020/12/12(土) - 10:25 に投稿

2020年12月14日より神奈川県民ホールギャラリーで、ニューヨークを拠点に新作や著作の発表でますます注目を集める気鋭の作家、大山エンリコイサムの個展「夜光雲(やこううん)」が開催されます。

エアロゾル・ライティングのヴィジュアルを再解釈したモティーフ「クイックターン・ストラクチャー」を起点にメディアを横断する表現で知られる大山氏の、平面、立体、サウンド、インスタレーションなど多様な作品が、県内最大規模5室1300平米の広大な空間の拡がり、特徴を活かして展開します。
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また会期中には神奈川芸術文化財団芸術総監督である一柳慧芸術総監督の就任20周年記念事業として、一柳氏、大山氏がコラボレートするイベント「チェンバロと笙による音幻」も上演されます。

大山氏の過去最大級の作品が堪能できる同展に是非足をお運びください。

京都発の国際的なアートフェア「artKYOTO 2020 ~History in Action Festival~」が開幕! 美術市(アートフェア)に加えて、舞踊劇や美術史体験ツアーも

遠藤 友香2020/12/03(木) - 16:27 に投稿

日本のアート産業の復興を通じて、アートのあるライフスタイルの発信を目的に、2019年に世界遺産・二条城を舞台に初開催された、京都発の国際的なアートフェア「artKYOTO」。2回目となる今年は、先人たちが守り育んできた文化芸術の歴史を現代の知恵として刻むべく、美術市(アートフェア)に加えて、舞踊劇や美術史体験ツアーなどの複数の文化芸術プログラムを、前回同様に二条城のほか、重要文化財の京都国立博物館の2会場で、2020年12月4日(金)から12月6(日)まで開催します。

現代アート体験を革新するアプリau 5G「AR x ART」が誕生! 第1弾として、世界的彫刻家 名和晃平氏とコラボレーション

遠藤 友香2020/12/02(水) - 16:18 に投稿

au 5Gと最新のAR技術によって、現代アートに新体験をもたらすことを目指す「AR x ART(エーアールアート)」が、2020年11月24日(火)にリリース。第1弾として、世界的彫刻家・名和晃平氏とコラボレーションしています。
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彫刻家/Sandwich Inc.主宰/京都芸術大学教授と、様々な肩書を持つ名和氏は、1975年生まれで、京都を拠点に活動。2003年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了し、博士第一号を取得。2009年に、京都・伏見の宇治川沿いのサンドイッチ工場跡をリノベーションした創作のためのプラットフォーム「Sandwich」を創設しました。