赤と青のひ・み・つ 聖なる色のミステリー

ARTLOGUE 編集部2018/05/24(木) - 04:44 に投稿
伊藤若冲筆「達磨図」江戸時代 18世紀 絹本著色 一幅 MIHO MUSEUM蔵

 

太古の人々にとって、「色」は自然そのものでした。そして、「色」を何かに施すことは、自然のエネルギーをもってする呪術であり、象徴的な意味を加えることでした。やがて美を意識して彩色するようになりますが、「色」が今日のように、純粋に「彩る」ことのみを目的として使われるようになるのは、中世あるいは近世以降のことです。一方、現代の私たちは自然から離れた場所にいても、自然界で目にする以上に多彩な色に触れることができるようになりました。

赤と青は、古代世界においてはいずれも信仰と深く結びつき、“聖なる色”と捉えられてい
たようです。また、赤と青は、一般的にあらゆる色のなかで最も強いイメージがあるとされる2 色であると同時に、一方は動的で他方は静的であるなど、両極の側面を持つ色だとも言えます。

ゴードン・マッタ=クラーク展

ARTLOGUE 編集部2018/05/24(木) - 04:23 に投稿
ゴードン・マッタ=クラーク Photo: Cosmos Andrew Sarchiapone © The Estate of Gordon Matta-Clark; Courtesy The Estate of Gordon Matta-Clark  and David Zwirner, New York/London/Hong Kong.

 

待望のアジア初回顧展

 

1970 年代にニューヨークを中心に活躍し、35 歳で夭折したアーティスト、ゴードン・マッタ= クラーク(1943-78)。アート、建築、ストリートカルチャー、食など多くの分野でフォロワーを生み続ける先駆者のアジア初回顧展です。取り壊し前の建物を切断し、見慣れた日常をまったく新たな空間・時間へと変容させる「ビルディング・カット」をはじめ、軽やかでクール、そしてポエティックな彼の活動は、没後40 年となる今日もなお、世界中の注目を集めています。本展では彼の多面的な活動を、彫刻・映像・写真・ドローイング・関連資料など約200 点で紹介します。

 

ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展

ARTLOGUE 編集部2018/05/24(木) - 02:33 に投稿
《ショール》シャンティリ・レース、19世紀、フランス ©Keita(FLAME)

 

かつてレースは、ヨーロッパの王侯貴族たちの間で富と権力の象徴として流行し、歴史上、常に重要な価値を持ってきました。熟練した職人たちが長い時間をかけて手作業で生み出したレースは、単なる豪奢な装飾品の域を超え、時には城や宝石をしのぐほどの価値を持った、きわめて優美で繊細な美の世界だったのです。

本展では、世界的なアンティーク・レースのコレクターで鑑定家でもあるダイアン・クライス氏の数万点にもおよぶ膨大なコレクションから、カトリーヌ・ド・メディシス、マリー゠ アントワネット、ナポレオン・ボナパルトといった、王侯貴族に由来するロイヤル・レースや、ファッションやインテリアに取り入れられたレースなど、16世紀から19世紀のレース全盛期の作品を中心に、約170点をご紹介します。

「アンティーク・レース」は、超絶技巧とも言える、現在ではほとんど失われてしまった技術で制作された芸術品です。わたしたちがいま目にするレースとは一線を画す、中近世ヨーロッパの美と技の粋を集めた品々には驚嘆させられることでしょう。

 

アート&デザインの大茶会

ARTLOGUE 編集部2018/05/24(木) - 02:18 に投稿

『おおいた大茶会』をテーマに開催される第33回国民文化祭・おおいた2018、第18回全国障害者芸術・文化祭おおいた大会を記念し、大分県立美術館では、開館当初より親しまれているアトリウム展示をてがけた3人の作家、マルセル・ワンダース、須藤玲子、ミヤケマイによるインスタレーションに特化した展覧会を行います。本展のために特別に計画された展示を通してアートとデザイン、それぞれの分野における第一線の活動をご紹介します。

オランダのデザイン界の貴公子、マルセル・ワンダースは、自身がデザインしたオブジェクトと映像によって「幻想の間」を創り出します。世界的に活躍する日本人テキスタイルデザイナー、須藤玲子は布のオブジェを浮かび上がらせた「触感の間」を創り出します。日本の若手現代アーティスト、ミヤケマイは、インタラクティブな展示により、鑑賞者が作品との対話と反応を楽しみながら思いをめぐらせる「瞑想の間」を創り出します。

開館当初から大分県立美術館が目指す、「出会いのミュージアム」。そして国民文化祭のテーマである「大茶会」。この2つのコンセプトのもと、五感にうったえ、人と作品の出会う、センセーショナルな現代版茶会をお届けします。

 

目と心へのご褒美。手もとに置いておきたい美しい絵本たち

nanchatic2018/05/22(火) - 12:26 に投稿

心が疲れたとき、仕事に煮つまったとき、そっと逃げ込みたい絵本の世界。紅茶を飲みながら、ゆっくりとページをめくりビジュアルを追っていく。目と心に栄養をあたえてくれる、大人も楽しめる美しい絵本たちをご紹介しましょう。

美術工芸品のようなタラブックスの絵本

画像を削除しました。


かつて、マドラスの名で知られた南インドの古都チェンナイ。美しいハンドメイドの絵本で、世界的に有名となった出版社タラブックス(Tara Books)は、この歴史ある港湾都市にあります。ベストセラーの代表作『夜の木(The Night Life of Trees)』は、わたしも持っていますが、それはそれはため息が出るほどの美しさ。

生誕150年 横山大観展

ARTLOGUE 編集部2018/05/22(火) - 06:50 に投稿
「白衣観音」   1908年、横山大観、個人蔵

 

オール大観

代表作を網羅した10年ぶりの生誕記念大回顧展です。

 

横山大観(1868-1958)の生誕150年、没後60年を記念し、展覧会を開催します。
東京美術学校に学んだ大観は、師の岡倉天心とともに同校を去り、日本美術院を設立。新たな時代における新たな絵画の創出を目指しました。西洋からさまざまなものや情報が押し寄せる時代の中、日本の絵画の伝統的な技法を継承しつつ、時に改変を試み、また主題についても従来の定型をかるがると脱してみせました。やがてこうした手法はさらに広がりを見せ、自在な画風と深い精神性をそなえた数々の大作を生み出しました。
本展では、40メートル超で日本一長い画巻《生々流転》(重要文化財)や《夜桜》《紅葉》をはじめとする代表作に、数々の新出作品や習作などの資料をあわせて展示し、制作の過程から彼の芸術の本質を改めて探ります。
総出品数約90点を展観する大回顧展です。

八木夕菜「NOWHERE」

ARTLOGUE 編集部2018/05/22(火) - 06:29 に投稿
「祈りの手前」 Just before praying (2017)

 

八木夕菜はニューヨーク・パーソンズ美術大学建築学部を卒業し、建築デザインの仕事に携わった後、2010年から本格的にアーティスト活動を開始。2016年にはKYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭にてポートフォリオ・レビューでのハッセルブラッド賞を受賞するほどの実力のある若手アーティストです。

自身の心的風景を建築的コンセプチュアルな思考から、写真自体を多次元的視点で構成される環境芸術作品に展開し、感覚と概念に裏打ちされた詩的な写真芸術を作り出しています。
その作品は、写真をただパネルや額に入れて壁に展示するにとどまらず、展示空間を建築的に構成するかのように、床に置いたり、透明のアクリルの立体を通して視ることで再構成される写真など、写真の持つ様々な表情や見え方を提案し、作品を通じて「視る」という行為の自由さに気づかせてくれます。本展覧会では新作を含む約30点を展示予定。

「NOWHERE / NOW HERE」どこにもないようで、いま目の前に在る感覚に浸ることのできる展覧会です。

 

リトグラフ 石のまわりで

ARTLOGUE 編集部2018/05/22(火) - 06:07 に投稿
ラウル・デュフィ《電気の精》より 1953年

 

リトグラフは版面を彫ることなく描画を転写します。18世紀末リトグラフの発明によりそれまでの凹版や凸版に新しい版種、平版が加わりました。石版石を素材とするこの新しい印刷方法は、19世紀から20世紀にかけて瞬く間に普及し、その間に重量があり持ち運びが難しい石版の弱点を解消するジンク板やアルミニウム板が開発されました。描画の際の技術的な制約が少ないことから、様々なジャンルの作家がリトグラフに関心を持ち、優れた作品を残しています。

表現者の探究心と技術の進歩はより繊細で微妙な表現を可能にし、現代においてもリトグラフの人気は衰えることはありません。リトグラフの始まりである石版石の「石」の魅力も常に表現者の心をとらえ、現代の版芸術においても「石」による創造の世界は様々な広がりを見せています。

本展では印刷技術史における近代印刷術としてのリトグラフと多様な表現を生み出す美術表現としてのリトグラフを紹介します。石版印刷術の好事例や現代作家の優れた石版刷作品をお楽しみください。発明から200年以上を経たリトグラフの創り出す美しさとその魅力をあらためてお伝えしたいと思います。

 

うるしの彩り―漆黒と金銀が織りなす美の世界

ARTLOGUE 編集部2018/05/22(火) - 05:52 に投稿

蒔絵、螺鈿、彫刻…

変化に富んだ華麗な漆の世界

 

漆工芸は日本を代表する工芸美術であり、古くから日本人の生活を豊かに彩ってきました。
金銀の蒔絵や青貝の象嵌、七色に光る螺鈿など独特の美の世界を創造し、愛玩されました。
その中には意匠に古典文学を主題としたものもあり、鑑賞に一層の奥行きをもたらしています。匠の精緻な技と洗練された意匠が融合した日本の漆工芸は、まさに世界でも類を見ない独自の美術といえます。
本展では、住友家に伝わった日本、琉球、朝鮮、中国の漆工芸品の中から、茶道具や香道具、そして近代に製作された華やかなおもてなしのうつわをご紹介します。茶道や香道、能楽などの伝統文化の世界で重用された作品や、京都で作られた雅な会席具や書斎を飾る硯箱など、おもに賓客をもてなす場で使われた華やかな調度をご紹介するとともに、文人たちが愛玩した中国や琉球の作品もあわせて展示します。変化に富んだ華麗な漆の世界をお楽しみください。