ラウル・デュフィ《電気の精》より 1953年
リトグラフは版面を彫ることなく描画を転写します。18世紀末リトグラフの発明によりそれまでの凹版や凸版に新しい版種、平版が加わりました。石版石を素材とするこの新しい印刷方法は、19世紀から20世紀にかけて瞬く間に普及し、その間に重量があり持ち運びが難しい石版の弱点を解消するジンク板やアルミニウム板が開発されました。描画の際の技術的な制約が少ないことから、様々なジャンルの作家がリトグラフに関心を持ち、優れた作品を残しています。
表現者の探究心と技術の進歩はより繊細で微妙な表現を可能にし、現代においてもリトグラフの人気は衰えることはありません。リトグラフの始まりである石版石の「石」の魅力も常に表現者の心をとらえ、現代の版芸術においても「石」による創造の世界は様々な広がりを見せています。
本展では印刷技術史における近代印刷術としてのリトグラフと多様な表現を生み出す美術表現としてのリトグラフを紹介します。石版印刷術の好事例や現代作家の優れた石版刷作品をお楽しみください。発明から200年以上を経たリトグラフの創り出す美しさとその魅力をあらためてお伝えしたいと思います。
開催概要
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【会期】2018年5月21日(月)-8月19日(日)
【休館】日曜日、祝日、8月11日(土)~8月17日(金)
※6月10日(日)、7月16日(月・祝)、8月19日(日)は特別開館
【時間】 10:00~18:00(土曜日、特別開館日は17:00閉館)
【会場】 武蔵野美術大学美術館 展示室2、アトリウム1・2
【料金】 無料
講演&シンポジウム
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【日時】 2018年5月26日(土)14:00-17:00
【会場】 武蔵野美術大学 美術館ホール
【料金】 無料/先着順(予約不要)/直接会場へお越しください
■1.講演(14:00-15:30)
テーマ/複製―印刷技術史からみるリトグラフ
出演/今井良朗(本学名誉教授)
■2.シンポジウム(15:30-17:00 )
テーマ/石のまわりで
出演/高浜利也(モデレーター/本学 油絵学科版画専攻教授)、元田久治(本学 油絵学科版画専攻准教授)/板津悟(版画工房イタヅ・リトグラフィック主宰)/ 坂井淳二(版画家)/大坂秩加(本学 油絵学科版画専攻非常勤講師)
<同時開催展覧会>
ドローイング ―内なる水脈の解放―