伊藤若冲

時代を超えて融合! 京都・細見美術館で開催中の「響きあうジャパニーズアート―琳派・若冲 × 鉄腕アトム・初音ミク・リラックマ―」

遠藤 友香2022/12/02(金) - 20:31 に投稿

「琳派美術館」の異名を持つ京都にある「細見美術館」にて、2022年12月4日(日)まで開催中なのが、江戸や明治時代の絵画に、日本が誇るキャラクター文化を代表する鉄腕アトムや初音ミク、リラックマが登場する展示会「響きあうジャパニーズアート―琳派・若冲 × 鉄腕アトム・初音ミク・リラックマ―」。

細見美術館

本展は、日独交流160周年記念にあわせて、2021年11月から2022年1月にかけて、国際交流基金の主催によって、ミュンヘン五大陸博物館にて開催された「RIMPA FEAT. MANGA」の帰国記念展です。

日本美の象徴といわれる琳派、そして傑出した個性を持つ絵師である伊藤若冲。国内のみならず海外にも広く知られていて人気の高いこれらの美術作品は、後世のクリエイターをも魅了し、創造の源泉となってきました。

虫博士・養老孟司が問いかける特別展「虫めづる日本の美-養老孟司×細見コレクション-」が、細見美術館にて開催中!

遠藤 友香2021/11/22(月) - 14:34 に投稿

※好評につき会期が以下のように延長されました。
《変更前》2021年10月29日(金)~2022年1月23日(日)

《変更後》2021年10月29日(金)~2022年1月30日(日)



昔から、日本人の暮らしと深い関係にあった「虫」。日本に現存する最古の和歌集『万葉集』には、すでに「影草の生いたる野外(やど)の夕影になく蟋蟀(こおろぎ)は聞けど飽かぬも」といった虫に関する歌が残されています。また、平安時代には、貴族の優雅な遊びとして、かごに入った虫の鳴き声を楽しむことが流行ったとされています。このように、古代から我が国の人々は、豊かな風土に育まれた様々な虫たちに親しみ、その姿を愛でてきました。

解剖学者・養老孟司氏は、無類の昆虫愛好家、昆虫学者としても知られ、世界各地を訪れて、不思議と驚異にみちた虫たちの生態を探求しています。

春の江戸絵画まつり<br>へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで

ARTLOGUE 編集部2018/12/27(木) - 13:11 に投稿

人は、見事な美しさや完璧な美しさに、大きな感動を覚えます。しかしその一方で、きれいとは言いがたいもの、不格好で不完全なものに心惹かれることもあるでしょう。「へそまがりの心の働き」とでも言ったらよいでしょうか。

例えば、禅画に描かれた寒山拾得の二人は、不可解さで見る者を引きつけます。また、江戸時代の文人画ぶんじんがには、思わず「ヘタウマ?」と言いたくなるような作品があります。文人画ぶんじんがの世界では、あえて朴訥に描くことで、汚れのない無垢な心を表現できると考えられていたのです。

あるいは、徳川家光が描いた《兎図》はどうでしょうか。将軍や殿様が描いた絵には、ときおり見た人が「???」となるような、何と言い表せばよいか困ってしまうような「立派な」作品があります。描き手が超越した存在であることと、関係があるのかもしれません。更に近代にも、子供が描いた絵を手本にして「素朴」にのめり込む画家たちがいました。

この展覧会では、 中世の禅画から現代のヘタウマまで、 日本の美術史に点在する「へそまがりの心の働き」の成果をご覧いただきます。へそまがりの感性が生んだ、輝かしくも悩ましい作品の数々を眺めれば、日本美術のもう一つの何かが見えてくるかもしれません。
 

東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:09 に投稿
伊藤若冲(1716-1800)は、江戸中期、京都に生まれた画家です。緻密な線描と極彩色の作品を手がける一方、伸びやかで自由な筆遣いとユーモラスな表現が特徴的な水墨画を数多く残しました。 若冲作品の魅力は、なんといっても、動物でも植物でも生きものたちに等しく向けられた画家の眼差しが捉えた、生命の耀きに他なりません。 作品を目の前にした人は、そこに命あるものの力強い生きる力を感じ取ることができるでしょう。 本展では、そうした若冲芸術の魅力を堪能していただくとともに、晩年、天明の大火(1788年)で焼け野原になった故郷・京都を目のあたりにした若冲の、復興に寄せた気持ち、芸術に託した想いもご紹介したいと考えています。 また、アメリカのデンバー美術館、ミネアポリス美術館などのご協力をいただき、海外の人たちが愛した故に日本を離れることになった作品もご覧いただきます。 2013年、福島県立美術館では、プライスご夫妻の多大なご協力のもとに「若冲がきてくれました」展を開催し、深い感動を与えました。 本展は、前回とは異なった視点から再び若冲芸術を見直すことで、あらためてその魅力を伝え、感動と喜びを通して心の安らぎとともに生命のエネルギーを感じていただき、東日本大震災からの復興祈念とするものです。

奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド

ARTLOGUE 編集部2018/10/17(水) - 02:30 に投稿
本展は、1970年に刊行された美術史家・辻惟雄による『奇想の系譜』に基づく、江戸時代の「奇想の絵画」の決定版です。岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳に、白隠慧鶴、鈴木其一を加えた8人の代表作を一堂に会し、重要文化財を多数含む展示を予定しています。

日仏友好160周年記念「ジャポニスム2018:響き合う魂」オープニングセレモニーをリポート!

黒木杏紀2018/08/09(木) - 19:26 に投稿
今世紀最大の日本文化博ともいえる「ジャポニスム2018:響き合う魂」(以下「ジャポニスム2018」)が7月12日パリで開幕しました。日仏友好記念160周年を記念し、約8か月間にわたりパリ市内各地で日本の美術や演劇、映画、伝統芸能など様々な分野でイベントが展開される日仏合同のプロジェクトです。そのオープニングセレモニーの様子をフォトレポート形式でお伝えします。

新たな時代のジャポニスム旋風が巻き起こる、フランス・パリで日本の美を再発見~大規模な祭典「ジャポニスム2018」展覧会リポート!

黒木杏紀2018/08/10(金) - 11:56 に投稿
19世紀後半にフランスの芸術家たちによって見出された日本美術が、ヨーロッパに多大な影響を与えることになったジャポニスム旋風。それから約1世紀半、現代の日本が誇る文化芸術を発信する祭典「ジャポニスム2018」が開催されています。パリ内外の 100 近くの会場を舞台に、2018年7月から約8か月間にわたり、美術展、舞台公演、映画、その他食や工芸など日本人の日常生活に深く根ざした文化まで多岐にわたる日本の芸術と文化が古典から現代まで幅広く紹介するこの催しの、オープニング当初の模様をフォトレポート形式でお伝えします! 

「手のひらの自然-蕪村と若冲」京菓子展 2016 大賞決定!有斐斎弘道館

ARTLOGUE 編集部2016/10/29(土) - 12:13 に投稿

2016年10月29日、公益財団法人 有斐斎弘道館の主催する 「手のひらの自然-蕪村と若冲」京菓子展 2016 の受賞作品が発表されました。

今年のテーマは江戸時代に活躍した絵師、与謝蕪村と伊藤若冲です。蕪村は中国の文人画の技法による山水図を得意とし、若冲は彩色鮮やかな花鳥図や動物を描いた作品が有名です。この相反する絵師をテーマに、現代の職人達が京菓子つくりに挑みました。
審査は蕪村と若冲の特徴をどう捉えるのかといった視覚面だけではなく、「銘」(お菓子の名前)や「食べる」ことも評価対象に行われました。

デザイン部門12作品、実作部門25作品の入選作品が展示されている展覧会は、弘道館と二条城にて11月6日(日)まで開催しています。

 

赤と青のひ・み・つ 聖なる色のミステリー

ARTLOGUE 編集部2018/05/24(木) - 04:44 に投稿
伊藤若冲筆「達磨図」江戸時代 18世紀 絹本著色 一幅 MIHO MUSEUM蔵

 

太古の人々にとって、「色」は自然そのものでした。そして、「色」を何かに施すことは、自然のエネルギーをもってする呪術であり、象徴的な意味を加えることでした。やがて美を意識して彩色するようになりますが、「色」が今日のように、純粋に「彩る」ことのみを目的として使われるようになるのは、中世あるいは近世以降のことです。一方、現代の私たちは自然から離れた場所にいても、自然界で目にする以上に多彩な色に触れることができるようになりました。

赤と青は、古代世界においてはいずれも信仰と深く結びつき、“聖なる色”と捉えられてい
たようです。また、赤と青は、一般的にあらゆる色のなかで最も強いイメージがあるとされる2 色であると同時に、一方は動的で他方は静的であるなど、両極の側面を持つ色だとも言えます。