梅若六郎家所蔵の能面と能装束

ARTLOGUE 編集部2019/02/23(土) - 02:54 に投稿
能は、謡(うたい)と噺子(はやし)を伴奏に、演者が能面をつけて演じ、極めて簡素な所作で物語が展開されます。その歴史は平安時代に日本各地で発生した猿楽(さるがく)にさかのぼり、鎌倉時代に、より完成度の高い歌と舞の劇へと進化して、室町時代初期に足利義満の庇護のもと、観阿弥(かんあみ)、世阿弥(ぜあみ)父子によって大成されたといわれています。 生者と亡霊や精霊が語り合う深遠な世界観と様式美は、その後の日本美術の発展にさまざまな影響を与え、現代に伝わる伝統芸能として、2008年ユネスコ無形文化遺産に登録されました。 本展覧会は、シテ方能楽師の梅若六郎玄祥師(1948~)が、2018年に曾祖父からの名跡を継ぐ四世梅若実襲名を機に企画されました。同師の全面的協力を得て、猿楽発祥の地のひとつ、丹波に祖を持ち、600年を超える芸能の系譜を伝える名門梅若六郎家の貴重な面や装束約80点を紹介します。

横山大観記念館 史跡・名勝指定記念展

ARTLOGUE 編集部2019/02/23(土) - 02:51 に投稿
横山大観が自宅兼画室として終生創作活動を行い、多くの文化人との芸術交流を深めた場である旧宅と庭園は、昭和51年(1976年)より、横山大観記念館として、大観が遺した作品やコレクションの一部を展示、公開しています。 そして平成29年(2017年)2月、この旧宅と庭園が、国の史跡及び名勝に指定されました。 本展では、横山大観記念館が史跡・名勝に指定されたことを記念して、横山大観記念館が所有する大観作品約30点と、下絵や写生帖など作品背景を語る貴重な資料や、画具、愛蔵品、夫人の着物などのコレクション約110点を合わせた約140点を一挙に公開する初の機会として、大観の画業や暮らし、多くの文化人が訪れた大観邸を生き生きと蘇らせます。 【会場】 京都髙島屋7階グランドホール 【入場時間】 10:00~19:30(20:00閉場) ※3月18日(月)は16:30まで(17:00閉場) 【巡回】 ・2019年3月20日(水)~4月1日(月) 大阪髙島屋7階グランドホール ・2019年4月24日(水)~5月6日(月・祝) 日本橋髙島屋S.C.本館 ・2019年5月22日(水)~6月4日(火) 横浜髙島屋(横浜市西区)

チェコ・デザイン100年の旅

ARTLOGUE 編集部2019/02/23(土) - 02:49 に投稿
ヨーロッパの中心に位置し、歴史的に様々な文化に触れてきたチェコ。日本でも「ロボット」という言葉の生みの親となったチャペック兄弟や、モグラのクルテクの絵本などが知られています。緑豊かな自然に恵まれ、高い技術を誇るボヘミアン・グラスをはじめとする産業が発達しました。19世紀に世界の富が集中した黄金の都プラハを拠点に、20世紀には次々と芸術運動が花開き、チェコ・キュビスムとして結晶体や幾何学的形態を建築やインテリアの立体物にまで展開した独特の芸術様式も生まれました。そして社会主義の時代にも、優美なスタイルの生活用品や自由な表現の絵本が創作されています。 本展では、チェコ国立プラハ工芸美術館の収蔵品を中心に、アール・ヌーヴォーの旗手アルフォンス・ミュシャから世界中で愛される現代のアニメーションまで、100年のデザイン史を代表する家具、食器、書籍、ポスター、おもちゃなど約250点により、幅広い魅力を持つチェコの文化をデザインの視点からたどります。時を超えて日常を彩り、人生を豊かにするチェコのデザインを、日本で初めて総合的にご紹介します。

みんなのレオ・レオーニ展

ARTLOGUE 編集部2019/02/22(金) - 02:56 に投稿
赤い色をしたきょうだいたちの中で、唯一黒い魚の物語『スイミー』。小学校の教科書に掲載され、日本全国で親しまれています。作者のレオ・レオーニ(1910-1999)は、イタリアやアメリカでグラフィック・デザイナーとして活躍した後、『あおくんときいろちゃん』で、初めて絵本の世界に足を踏み入れました。ねずみの『フレデリック』や、しゃくとりむしの『ひとあし ひとあし』など、小さな主人公たちが「自分とは何か」を模索し、学んでいく物語を、水彩、油彩、コラージュなどさまざまな技法を用いて描きました。 本展では、ヨーロッパとアメリカを移動し続けたレオーニの波乱の生涯を、作品と重ね合わせながら紹介します。絵本作家、アート・ディレクターとしての仕事、絵画、彫刻など幅広い活動を紹介し、レオーニが子供の絵本に初めて抽象表現を取り入れるに至った道筋にも光を当てます。

端午の節句飾り

ARTLOGUE 編集部2019/02/22(金) - 02:53 に投稿
本展では、近世の町家における節句飾りの歴史を受け継ぎ、明治・大正・昭和時代に町家で飾られた武者人形や甲冑飾りを展示し、各時代に人気を博した節句飾りの様式をご紹介します。

京都の染織 1960年代から今日まで

ARTLOGUE 編集部2019/02/22(金) - 02:52 に投稿
平安遷都がなされてから、1200年以上の歳月が流れた京都において、京の染織家たちはその時々に合わせ様々な工夫や新しい技術、意匠などを生み出してきました。それらは連綿と受け継がれ、技法や形態は変わろうと各時代に常に新しいものを追い求め、素晴らしい作品を創りだしてきました。 今回の展覧会は、当館が開館した1960年代から今日までの多様な「染」と「織」の状況を紹介する展覧会で、28人の作家を紹介しその様相を見るものです。展示スペースも限られ多くの作家の方々と作品を紹介できないことは残念ですが、少しでも1960年代から今日までの京都の染織が概観できることを望みます。

屏風爛漫

ARTLOGUE 編集部2019/02/22(金) - 02:48 に投稿
現代の暮らしの中では、ほぼなじみのない屏風。その歴史をひもとけば、絵画である前にまず調度品であり、間仕切りや風よけとして人々のかたわらにあった実用の道具でした。ジグザグになる、自立する、移動できる、といった屏風の性質は、調度品としての使い勝手のよさに通じています。同時に、こうした「もの」としての特徴は、そこに描かれる絵にも影響を与えて、屏風絵ならではの魅力ある造形を生み出してきました。また、多くは大画面である屏風絵は、置かれた場所に意味を加え、独特の空間につくりあげる力を持っています。場をつくる、という点においても機能的な道具といえるでしょう。 この春の展覧会では、屏風の形や機能に注目しながら、その楽しみ方を再発見していきたいと思います。桃山時代から現代まで、300年にわたる屏風の優品が一堂に並ぶ迫力の展示。静岡県立美術館コレクションを中心とする精選された作品を通して、花開く屏風絵の世界をご堪能ください。

浮世絵師 歌川国芳展

ARTLOGUE 編集部2019/02/22(金) - 02:47 に投稿
歌川国芳(うたがわ・くによし1797-1861)は、幕末に活躍した江戸の浮世絵師です。12歳で初代歌川豊国に入門したと言われ、はじめは不遇な時代を過ごします。しかし、30歳を過ぎたころ、豪傑や英雄たちをダイナミックに描いた「水滸伝シリーズ」が大評判となり、"武者絵の国芳"として一躍、錦絵界のスターダムにのし上がりました。その豊かな発想力はとどまるところを知らず、巨大な骸骨が登場する劇画やユーモア溢れる寄せ絵といった奇想天外な作品を次々と生み出します。 本展では、この他、身近な動物を擬人化した風刺パロディや、洋風表現を取り入れた風景画、当世の最新ファッションをまとった妖艶な美人画など、型破りで異彩を放つ国芳作品、約150点をご紹介します。"奇想の絵師"と称される国芳ならではの多彩で変化に富んだ画域の広さをどうぞご堪能ください。