国立映画アーカイブ開館記念 生誕100年 映画美術監督 木村威夫
今年生誕100年を迎えた映画美術の巨匠木村威夫(1918-2010)は、1944年のデビュー以来60年以上にわたって第一線で活躍してきました。劇場公開された長篇だけでも240本を超える作品に参加し、豊田四郎、田坂具隆、鈴木清順、熊井啓、黒木和雄など、個性の異なる名監督たちとの仕事の中で、綿密な考証と大胆な発想力、そして
館長 山梨 俊夫
前館長建畠晢氏の後を襲って、今春四月に着任いたしました。
国立国際美術館が中之島に移り8年目を迎え、これまでを振り返ると、千里の万博記念公園に開館して以来30数年の歴史の蓄積のなかに貫かれている美術館活動の方向性が見えてくる。もっとも顕著なのは、現代に積極的な関心をもち、美術の現代から発せられる様々な問題を探り出し、人々とともに考えていこうということである。もちろん、当美術館の活動はそれだけに限られない。しかし、国立国際美術館は、この一貫した方向性をもっとも重要な軸線と考え、それを持続させることで自らの個性を形成してきた。新たに舵取りを務めるにあたって、この軸線を大きく変更せずに維持していくことがまず肝要だと考えている。