南桂子展 コト、コト。コトリ。

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 15:41 に投稿
コト、コト。コトリ、コトリ。 耳を傾けると、小さく物音の聞こえてきそうな風景。 生い茂る草花の中から、森の小道から、木々の隙間から。 微かな音のつながりが、作品世界の物語を絶やすことなく紡ぎだすようです。 南桂子(1911-2004)の作品は、無数の繊細な線を銅版に彫ることで作り上げられています。 富山県に生まれた南は、高等女学校時代から絵画や童話の制作に励み、戦後、浜口陽三との出会いを機に銅版画の道へと歩を進めました。 鳥や少女を主人公にしたその作品はユニセフの発行物に採用されるなど、世界的に高く評価されています。 本展では、南桂子の銅版画約50点と、浜口陽三の銅版画約10点を展示します。 作品世界の中へ、身を乗り出して覗いてみれば、その住人たちの息遣いが感じられるかもしれません。

椿つれづれ

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 19:55 に投稿

資生堂アートハウスにて、収蔵品の中から椿の花をモチーフにした絵画や工芸品、古美術による展覧会が開催されます。

椿は永い年月に亘って日本人に愛されてきた花樹で、古くは万葉集に詠まれ、花のみならず枝や葉、その実までが衣食住に結び付き、人々の生活と深くかかわってきました。わが国の風土に適応した椿は、野生種から栽培種までが広く国内に分布し、永く続く花期は花の少ない季節に人の心を和ませる、貴重な存在でもありました。また、四季を通じて艶やかな緑を保つ葉は不老につながり、さらには迎春や結縁を象徴する縁起の良い花として、さまざまな分野の美術品に採り上げられてきました。

今回の展覧会では、横山大観や山口蓬春、小村雪岱らによる日本画をはじめ、鳥海青児、林 武などの油彩、北村昭斎、十三代 今泉今右衛門、田村耕一らによる漆芸や陶芸に加え、資生堂企業資料館のコレクションから、椿百余種をさまざまな調度類と共に描いた『百椿図』(古写本・江戸時代)や、江戸時代に制作された、松椿蒔絵の化粧道具や調度類などを展示いたします。

江戸時代のどうぶつたち

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:39 に投稿
人々の好奇心が自然や様々な生き物に向けられた江戸時代。動物は現代と同じように世間の関心を集め、親しまれてきました。テレビもスマホも動物園もなかった当時、海を渡ってやってきた珍しい動物の見世物が人気を呼び、たくさんの動物たちの絵が描かれました。江戸時代の人々が惹きつけられた動物たちは、とてもかわいらしく、美しく、ユニークに描かれており、動物たちへの想いは今も昔も変わらなかったことが分かります。 今回の企画展「江戸時代のどうぶつたち」では旧平戸藩主・松浦家のコレクションから、絵画や書物に描かれた動物たちや、動物モチーフの美術工芸品を一堂に展示します。愛らしく、魅力的な動物たちとの出会いをお楽しみください。

企画展「鳥ノアト―手紙 紡ぐ言葉・伝える心―」

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:39 に投稿
本展タイトル「鳥ノアト」とは、能筆で知られる後陽成天皇(1571~1617)筆の重要美術品「後陽成天皇宸館翰消息」の書中に出てくる、「鳥の足跡をみて文字が作られた」という中国の故事から転じた「文字や手紙」を意味する言葉です。 鳥ノアト(=手紙)は、書き手の思いや人柄を文字として記録した、まさに歴史の足跡ともいえるでしょう。本展では館蔵の手紙と、手紙にまつわる品々を通して人・歴史・文化を展観いたします。 室町時代、将軍家に仕えた石谷家に伝わった手紙を全3巻の巻子に仕立てた「石谷家文書」からは、織田信長の死に触れた「石谷光政・頼辰宛 近衛前久書状」(第1巻)。長宗我部元親と信長との息詰まる交渉を記録した「斎藤利三宛 長宗我部元親書状」(第2巻)、信長に先立つ権力者であった三好長慶の政権の話題がわかる「京淀当座宛 三好長慶書状」など、話題の「石谷家文書」全3巻を展示。(※第2巻は2月23日(土)より展示) また豊臣秀吉に仕えた利休の様子がうかがえる「千利休自筆書状」、橋慶喜(後の15代将軍徳川慶喜)が弟の第9代岡山藩主・池田茂政に宛てて、生麦事件などに言及した「池田茂政・松平余四麿宛 一橋慶喜書状」など歴史を記録した手紙や、天皇や女性の雅な手紙、さらに大名たちが交わした手紙もご覧いただきます。

まちかどの近代建築写真展

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:38 に投稿
「まちかどの近代建築写真展」は、1998年に立ち上がった近代建築探訪メーリングリストの有志の方々が、「こうした近代建築を通じて、それぞれの町を見直すきっかけとなれば」との思いでスタートし、全国で開催してきた、身近で素敵な近代建築の「アマチュア写真展」です。 これらの建築には、時々わき役として魅力的なタイルが登場していました。今回はモザイクタイルミュージアムの収蔵資料とのコラボレーションにより、きらりと光る「名わき役」たちを中心に、皆様の周りにもある近代建築をご紹介します。

特集展示「隅田川七福神と向島の名所」

ARTLOGUE 編集部2018/12/11(火) - 13:38 に投稿
江戸時代の向島は広大な田畑が広がる田園地帯でした。隅田川の清流沿いには由緒のある古刹が建ち並び、人々はこぞって参拝しました。文人たちも多くこの地を訪れ、俳句や詩歌などの作品を残しています。 百花園園主佐原菊塢は、大田南畝、加藤千蔭、酒井抱一など親交のある文人達と、向島地域で七福神の神々にゆかりのある神社仏閣を選び、それらに百花園を加えて隅田川七福神を創始したと伝えられています。七福神を巡りながら風情ある向島を散策できる隅田川七福神巡りは次第に江戸庶民に広まり、今日では新春を祝う初詣の風習として多くの参詣客で賑わっています。 本展示では、正月の風物詩となった隅田川七福神巡りの歴史を紐解きつつ、江戸の人々に愛された向島の風景を浮世絵などから紹介します。