詩人 大手拓次

ARTLOGUE 編集部2019/03/12(火) - 02:30 に投稿
大手拓次は、1887(明治20)年、群馬県碓氷郡西上磯部村(現安中市磯部)の温泉旅館「鳳来館」の大手宇作吉の次男として生まれました。詩人を志した大学時代、フランスの象徴詩と出会い、それらを愛読するとともに、自らも詩の実作を重ねていきます。1912(大正元)年、北原白秋主宰の雑誌『朱欒(ザンボア)』に「藍色の蟇」「慰安」2篇が掲載され、詩壇へ登場。その高い完成度を誇った口語象徴詩は、萩原朔太郎からも熱烈に支持されました。大手拓次は、一途に、そして孤独に、最上の詩を求め続けます。しかし、内向的な性格も災いし、生前、一冊の詩集も持つことなく、46歳でその生涯を終えました。 “孤独の箱のなかから”光のもとへ。本展では、詩稿や原稿、詩作品により、改めてその詩業を見つめ直します。

画業50年記念 倉島重友展

ARTLOGUE 編集部2019/03/12(火) - 02:30 に投稿
龍ケ崎市在住の日本画家・倉島重友(1944-)の、東京藝術大学卒業50年を機に開催する展覧会。倉島は、昭和46年に再興第56回院展で初入選したのち平山郁夫に師事します。平成16年には日本美術院同人となり、現在も院展の中心画家として第一線で活躍しています。 本展では、院展出品の代表作を中心に、初期から近作までの73点により、半世紀に渡る画業の歩みと芸術の魅力を紹介します。

特別展「いつだって猫展」

ARTLOGUE 編集部2019/03/12(火) - 02:30 に投稿
猫は昔から日本人が深く親しんできた動物です。江戸時代には現代と同じように「猫ブーム」が到来し、かわいい仕草の猫や怪談話に出てくる化け猫が浮世絵などに描かれました。 本展では、そうした江戸時代から明治時代にかけての「猫ブーム」の様子を歌川国芳の浮世絵や、絵入り本、土人形等を通して紹介します。この展覧会はこれまで東海・近畿地方等を巡回しましたが、東日本では仙台が初開催となります。

増山士郎 個展「Self Sufficient Life」@京都場 ギャラリートーク:ARTLOGUE TV

鈴木 大輔2019/03/11(月) - 18:17 に投稿

京都場で開催した 増山士郎 個展「Self Sufficient Life」 のアーティストの増山士郎本人による作品解説です。

増山士郎は、東日本大震災がきっかけで自分たちの生活に疑問を持ちはじめ《毛を刈った羊のために、その羊の羊毛でセーターを編む》(2012)プロジェクトを開始しました。

その後、《毛を刈ったアルパカのために、そのアルパカの毛でマフラーを織る》(2014)、《毛を刈ったフタコブラクダのために、そのラクダの毛で鞍をつくる》(2015)とプロジェクトを展開しています。

 

 

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2019

ARTLOGUE 編集部2019/03/11(月) - 16:09 に投稿

第7回目の開催となる2019年、テーマは「VIBE」

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2019」では、国内外にて第一線で活躍するアーティストが、京都市内の趣きあふれる建造物で新作や撮りおろしを発表します。

また、国内外から写真・アート関係者が多く来京するこの時期にあわせ、サテライトイベントとして、市内各所のギャラリー、カフェ、教育施設など約 60 カ所が同時多発的に開催する写真展、「KG+(ケージープラス)」も開催。最優秀出展者に与えられる KG + AWARD は、若手写真家の登竜門となるべく海外からも注目される賞となりつつあり、次年度の KYOTOGRAPHIE への参加など、次代を担うアーティストへの継続的な支援が実施されています。

〈出品作家〉
イズマイル・バリー,ヴェロニカ・ゲンシツカ ,金氏徹平,顧 剣亨(「KG+ Award 2018」グランプリ)他
 

「うつろひ、たゆたひといとなみ」湊 茉莉展

ARTLOGUE 編集部2019/03/10(日) - 22:20 に投稿

エルメス財団では、パリを拠点に制作するアーティスト、湊 茉莉の日本における初の個展を開催いたします。鮮やかな色彩を用いた抽象的なモチーフを建築物に直接描くスタイルの作品を手がけてきた湊は、2006 年の渡仏以降、主にフランスを中心に個展やグループ展にて作品を発表してきました。また近年は、ネッケル小児病院(2014 年、パリ)やパリ国際大学都市のカフェテリア(2018 年)などに常設の壁画も手がけています。

展覧会「うつろひ、たゆたひといとなみ」は、「うつろいゆく世界と人々の営み」を意味するタイトルで、通常のギャラリー展示に加え、メゾンエルメスのガラスブロックのファサードにも絵画を描き、建物の内外で変化する時間や光の流れを描き出す初めての試みとなります。

やなぎみわ展 神話機械

ARTLOGUE 編集部2019/03/10(日) - 22:12 に投稿

1990年代から現在に至るまで、現代美術のみならず演劇界でも忘れられないシーンを投じてきた美術家やなぎみわ(1967 ~ )。

《Elevator Girl 》で最初に注目を浴び、《 My Grandmothers 》や《 Fairy Tale 》といった一連の写真作品で世界的に評価を受け、2009年には第53回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表となる一方、翌2010年には本格的に演劇プロジェクトを始めます。大正期の日本を舞台に、新興芸術運動の揺籃を描いた「1924」三部作で話題を集め、特に台湾製のトレーラー車を母体に2016年から日本各地を巡礼する野外劇は大きな感動を与えました。その舞台作品と並行し、日本神話をモチーフに桃を撮影した新作シリーズを制作しており、今回、日本で初めて発表します。また本展に向け、京都、高松、前橋、福島の大学等と連携した「モバイル・シアター・プロジェクト」が立ち上がり、マシンによる神話世界も展覧会場に生み出されます。


美術と舞台の両極を往還することで生まれるやなぎ作品は、スペクタクル性とドキュメンタリー性が交錯し、虚実を幾重にも越境していくものです。待望された約10年ぶりの本個展では、これまで以上にやなぎの汲み尽くせぬ創造の泉に迫ります。

タータン 伝統と革新のデザイン

ARTLOGUE 編集部2019/03/10(日) - 20:09 に投稿

日本でも人気が高く、世代を超えて愛されている普遍的なデザイン、タータン。 ファッションに限らず、日用雑貨や室内装飾等、あらゆるところで目にする一方、その定義や歴史などが紹介される機会は多くありませんでした。 

タータンの起源は、中央ヨーロッパに住んでいたとされるケルト人にまでさかのぼります。スコットランドの北西部、ハイランド地方に定住したケルト人は、タータンと呼ばれる織物を日常着として用いていました。 

そこからタータンは、英国の歴史の中で特異な運命をたどり、18世紀にはハイランドの男性に対して着用が禁止されます。しかし、ハイランド文化復興の動きによって数十年後にその禁令が解かれると、スコットランドを象徴する文化としてタータンが再び脚光を浴びるようになりました。