藤本由紀夫 「STARS」

ARTLOGUE 編集部2017/11/18(土) - 18:20 に投稿
Yukio Fujimoto, STARS, 1990, mixed media, 18 点組

 

藤本は幼少期より⾃宅で⽗親が使わなくなったカメラ、映写機、オープンリールのレコーダーなど50-60 年代に最先端であった機器をおもちゃ代わりにして過ごしました。遊びの延⻑でテープの⾳を切り繋いだり、ラジオのノイズを録⾳していた経験は、後年当時としては珍しく全室スピーカーの設備が備えられた⼤阪芸術⼤学の電⼦⾳楽のコースへ進むきっかけでもありました。電⼦⾳楽もアナログからデジタルへの移⾏期を迎える頃「スピーカーから発する⾳が全て等質に聞こえる」経験をした藤本はやがてスタジオを出ます。そして再び⾃宅で藤本が⾒つけたものはおもちゃのオルゴールでした。⼤きな⾳を作ることから⼩さな⽣の⾳を聞くことへの転換における新鮮な驚きと共に、⾳とは共鳴する空間そのものである、という気づきはその後の制作に⼤きく影響を与えます。また幼少の頃よりそうとは知らずに印象付けられていたマルセル・デュシャンの世界に⾜を踏み⼊れ、さらにジョン・ケージを⾒直し検証するに⾄ったのもこの時期のことです。

西野 達 in 別府

ARTLOGUE 編集部2017/11/18(土) - 11:30 に投稿
油屋ホテル_内観 提供:混浴温泉世界実行委員会 写真:脇屋 伸光

 

『in BEPPU』は、別府現代芸術フェスティバル『混浴温泉世界』(2009年から計3回開催、2015年に完結)の後継企画として、2016年より始動した、大分県別府市を舞台に開催する個展形式の芸術祭です。昨今、日本全国様々な芸術祭が開催される中で、他に類を見ない、国際的に活躍するアーティスト1組による地域性を活かしたアートプロジェクトを毎年秋に実現します。
第2回目の開催となる2017年の招聘アーティストは、公共空間を大胆に変容させるアートプロジェクトを展開し、国内外で話題を巻き起こしてきた西野 達。世界屈指の温泉観光地·別府で彼が創るのは、別府名勝『地獄めぐり』ならぬ『芸術めぐり』。何が起こるかわからない、前代未聞の光景が町じゅうに点在します。
アートはこれまでに見たことがない世界を紡ぎ、異なる視点の存在に気づかせてくれます。私たちは『in BEPPU』の開催を通じ、アートの力によって、驚きや発見に満ちた豊かな地域や人生を実現したいと考えています。

 

素材と対話するアートとデザイン Art and Design, dialogue with materials

ARTLOGUE 編集部2017/11/18(土) - 01:01 に投稿
「素材と対話するアートとデザイン
Art and Design, dialogue with materials」
ポスター (デザイン : 佐藤卓)

 

開館記念展 Part 2 として、「素材と対話するアートとデザイン Art and Design, dialogue with materials」を開催します。
20 世紀の産業は人類の生活環境を一変させ飛躍的に進化をもたらしました。その大きな原動力となったのが素材です。素材は、アートから産業まで、新たな表現からカタチを生み出す創造領域と寄り添ってきました。今日、最先端の技術や新しい解釈が与えられ、あるいは移り変わる社会や暮らしに応えていく中で、素材は技と結びつき、アートとデザイン領域を飛躍させる可能性の幅を広げています。
本展では、木や金属から新素材まで、素材とその変容を 4 つのセクションを通して、様々な素材が放つ魅力、素材に触発されて生まれる造形(デザイン)の世界を紹介します。また、併設開催の国際北陸工芸サミット「ワールド工芸 100 選」展 (主催:富山県)も本展と併せてご覧いただけます。

 

20世紀の総合芸術家 イサム・ノグチ -彫刻から身体・庭へ-

ARTLOGUE 編集部2017/11/18(土) - 00:46 に投稿
イサム・ノグチのポートレイト ©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artist Rights Society [ARS] - JASPAR. Photo by Jack Mitchell.

 

20世紀を代表する芸術家イサム・ノグチの芸術の全体像を、晩年の石による抽象彫刻を含めた約80点の国内外の優品によって紹介

 

彫刻をはじめ、舞台美術、家具、照明器具のデザイン、さらには、公園などのランドスケープ・デザインにまで、幅広い活動を展開した20世紀を代表する芸術家イサム・ノグチ(1904-1988年)。 
ノグチが目指した異文化の融合や、生活と環境の一体化は、芸術と社会のつながりを求める21世紀の先駆けともいえるでしょう。 
本展では、ノグチの芸術の全体像を、晩年の石による抽象彫刻を含めた約80点の国内外の優品によって紹介します。

 

20世紀の写真芸術 学生がつくる大阪新美術館・enoco のコレクション展

ARTLOGUE 編集部2017/11/17(金) - 23:06 に投稿
エドワード・ウェストン 《裸体》 1936年 ゼラチンシルバープリント 大阪府蔵

 

芸術に関わる仕事に関心のある学生とつくりあげる写真展

 

この度、大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco] では、大阪新美術館建設準備室と共同しコレクション展「20 世紀の写真芸術 学生がつくる大阪新美術館・enoco のコレクション展」を開催します。

今日、SNS をはじめデジタルコミュニケーションの驚異的な発達によって、写真画像は日常にあふれ、それなしでの生活は想像さえできません。そのような中で新しい美術館を整備中の大阪市と、美術作品を収集してきた大阪府もそれぞれ特徴的な写真作品のコレクションを形成してきました。

ワードプレイ|ワセニ・ウォルケ・コスロフ ー言の葉の戯れーエチオピアのアーティスト ワセニの世界

ARTLOGUE 編集部2017/11/17(金) - 07:59 に投稿

このたび、中村キース・ヘリング美術館(山梨県北杜市小淵沢町)では「ワードプレイ|ワセニ・ウォルケ・コスロフ  ー言の葉の戯れーエチオピアのアーティスト ワセニの世界」展を開催する運びとなりました。本展では、当館の開館10周年を記念しエチオピア出身のアーティスト、ワセニ・ウォルケ・コスロフをご紹介いたします。
言語や音楽を素材とし、文化や宗教を超えて人間の心に深く訴えかける同氏の作品を通してヴィジュアルアートの可能性を探ります。
オープニング・レセプションでは、ワセニ氏による子どもたちとのワークショップ及びアーティスト自らが作品や制作への想いを語るギャラリーツアーを行います。また当日は、第9回中村キース・ヘリング美術館国際児童絵画コンクールの授賞式を併せて開催いたします。

THE EUGENE Studio 1/2 Century later.

ARTLOGUE 編集部2017/11/14(火) - 13:17 に投稿
Agricultural Revolution 3.0,Installation view, mixed media, 2016

 

資生堂ギャラリーでは、2017年11月21日(火)から12月24日(日)まで、THE EUGENE Studioの個展『1/2 Century later.』を開催します。THE EUGENE Studio(ザ・ユージーン・スタジオ)は、現代美術を中心に、従来の境界線を押し広げて次の社会を創造していく全く新しいアーティストです。現在、チームラボなどとともに世界が注目する日本のアーティストチームとして脚光を浴びており※1、その活動は、21世紀のアーティスト像を確立するものといって良いでしょう。

TOILET PAPER: COLLABORATION MAURIZIO CATTELAN / PIERPAOLO FERRARI

ARTLOGUE 編集部2017/11/14(火) - 12:30 に投稿
©️PERROTIN

 

現代アーティストのマウリツィオ・カテランと写真家のピエールパオロ・フェラーリは、ファッション写真のモチーフと固定観念を崩す大胆なハイパーリアル写真で知られている『トイレットペーパー』の仕掛け人だ。

遡ること約十年、フェラーリがカテランを撮影した際に二人は出逢った。すると魔法のように事が運び、2010年には実験的アート・マガジンである『トイレットペーパー』を共同発刊した。他に類を見ないこのマガジンは写真作品のみから成り、注意深く構成された写真は独特の時間と精神的空間を醸し出す。『トイレットペ ーパー』の写真の構図は一見風変わりで、どことなくレトロさを彷彿とさせる ― しかしこれは見る者を油断させ、被写体を認識させる前に作品に引き込む巧妙な手法だ。魅惑的、コミカル、驚異的 ―『 トイレットペーパー』の写真は間違いなく見る者の脳裏に焼き付くだろう。

《我々のインスピレーションは画像の再利用です。『トイレットペーパー』はメディアとクリエイティブなエコ・サステナビリティの最先端にあります。カオスな手法で生み出される、無秩序なビジュアルが、新しいアイデンティティを生み出すのです。》