くまのもの 隈研吾とささやく物質、かたる物質

ARTLOGUE 編集部2018/03/12(月) - 16:02 に投稿
ヴィクトリア&アルバート・ミュージアム ダンディ 2018 Photo: Ross Fraser McLean

 

もう一度、様々な物質と、

いきいきとした会話をはじめよう ―。

 

国内外で膨大なプロジェクトを抱えつつ疾走する世界的建築家、隈研吾(1954 ~)。
古今東西の思想に精通し、「負ける建築」「自然な建築」などの理念を実践してきた約30 年に及ぶプロジェクトを集大成して展観します。本展では特に、隈が仕事を通じて対話を重ねてきた素材に着目し、建築設計やプロダクトデザインなどの蓄積を、時系列ではなく主要なマテリアル(竹、木、紙、石、土など)ごとに分類・整理することで、“もの” という観点から概観を試みます。“もの” の開放によって、人の感覚や意識、そして環境を媒介する建築の可能性に迫ります。
東京ステーションギャラリーにおける建築関連の展覧会は「東京駅 100 年の記憶」展以来およそ3 年ぶり、建築家の個展としては「前川國男建築展」以来じつに12年ぶりとなるこの機会にご期待ください。

長谷川利行 展 藝術に生き、雑踏に死す─

ARTLOGUE 編集部2018/03/12(月) - 15:54 に投稿
長谷川利行《青布の裸婦》 1937(昭和12)年  油彩、カンヴァス 個人蔵

 

京都に生まれた長谷川利行(1891~1940)は、多感な青春時代を文学に傾倒し、自ら歌集も出版します。30歳頃に上京、本格的に絵画を志して作画活動に没頭し、36歳で第14回二科展・樗牛賞、翌年には1930年協会展で奨励賞を受賞するなど、一挙に画家としての天賦の才能を開花させました。しかし、いつしか酒に溺れドヤを転々とする日銭暮らしを送るようになり、病で路上に倒れ、東京市養育院で行路病者として49歳の生涯を閉じました。

独自に体得した利行の油彩画は、自由奔放な筆致と天性の明るい色彩に溢れ、当時の画壇に衝撃を与えました。関東大震災から復興を遂げつつあった昭和初期、汽車や駅、モダンなビルディング、カフェや酒場の喧騒といった街の息遣いを、速筆で鮮やかに描き出します。知人、友人、カフェの女給や子供達を描いた人物画では、どれも描かれる人に心底寄り添い、その人の本質や生命感をカンヴァスの上に描き出します。これらの作品は、その波乱に満ちた人生からは想像出来ないほど、どれも凄まじいまでの美しさと宝石のような輝きに満ちています。

白鶴美術館「2018年 春季展」

ARTLOGUE 編集部2018/03/12(月) - 15:40 に投稿
白石蓮台(はくせきれんだい) 中国 北斉時代・武平元(570)年 高さ25.3㎝

 

<本 館>

荘厳  ~香・華・燈~

 

仏を敬(うやま)って飾ることを意味する荘厳(しょうごん)。その主な要素である香(こう)、華(げ)、燈(とう)(ともしび、光)は古来、日常生活で人々を喜ばせ続けてきました。美を探求する際、しばしばこの三要素が深く関わり、造形活動が行われます。それらは各種の宗教にも取り込まれて、敬虔(けいけん)な存在を崇(あが)める作品として実に豊かな発展を遂げました。中でも仏教では、広範な技法と素材が駆使され、仏の清浄な空間(浄土)を演出する作品たる荘厳具に昇華しました。

開館20周年記念展II 細見コレクションの江戸絵画 琳派展20 抱一の花・其一の鳥

ARTLOGUE 編集部2018/03/12(月) - 15:11 に投稿

19世紀前期に江戸で花開いた江戸琳派。酒井抱一(1761~1828)、鈴木其一(1796~1858)らが、京都で育まれた琳派様式を江戸風にアレンジし、大名から庶民まで、多くの人々を魅了しました。優美にして瀟洒なその画風は維新後も受け継がれ、琳派400年の流れにおいて大きな役割を果たしました。

細見コレクションでは江戸初期の俵屋宗達、江戸中期の尾形光琳ほか、細見コレクションの江戸絵画以降、琳派の主だった画家の作品を取り揃えていますが、中でも早くから江戸琳派に注目し、抱一・其一の代表作をはじめ、ほぼ全ての画家を網羅しています。

開館20周年第2弾は、開館以来毎年恒例の琳派展の20回目を兼ね、細見琳派の中から江戸琳派の花鳥画を展覧。抱一・其一の代表作をはじめ、細見美術館ならではの贅沢なラインナップで江戸琳派の魅力をお届けします。

 

明治150年展 明治の日本画と工芸

ARTLOGUE 編集部2018/03/12(月) - 10:40 に投稿

1868年に明治時代に入ると、政府主導のもと殖産興業や輸出振興政策が推し進められ、海外での日本美術への関心が高まりました。政府は『温知図録』を制作するなど、国家戦略として工芸図案指導に力を注ぎました。
京都では、地場産業の振興を目的の一つとして京都府画学校が設立され、多くの日本画家が工芸図案制作に携わることで、時代に即した図案の研究が進められました。
本展では、明治の工芸図案とともに、美術工芸作品や工芸図案を描いた日本画家たちの作品を一堂に展示することで、近代化していく社会の中で生み出された明治の美術品を紹介します。

 

創刊記念『國華』130周年・朝日新聞140周年  特別展「名作誕生-つながる日本美術」

ARTLOGUE 編集部2018/03/12(月) - 07:35 に投稿

日本美術史上には「名作」と呼ばれる作品が数多く存在します。時代を代表する人物ゆかりの名作、伝説的な巨匠の手から生み出された名作、海を越えて日本へもたらされた名作、古典に学び新時代の美意識で生まれ変わった名作など、名作はさまざまなドラマをもって誕生し、受け継がれ、新しい名作の誕生へとつながってきました。

本展覧会では、こうした作品同士の影響関係や共通する社会背景に着目して、鑑真(がんじん)ゆかりの木彫や美麗な普賢菩薩像(ふげんぼさつぞう)など仏教美術の白眉から、雪舟(せっしゅう)、宗達(そうたつ)、若冲(じゃくちゅう)らの代表作、伊勢物語や源氏物語といった古典文学から生まれた工芸の名品、さらには古画に学んで新たな境地を拓いた近代洋画まで、地域、時代を超えた名作の数々を、12のテーマで紹介いたします。材質や技法、特徴的な形やモチーフ、形の意味や作ること自体の意味など、出品作品のつながりはさまざまです。皆さんがご存じの国宝・重要文化財を含む約130 件が集まることによってみえてくる、名作たちの「つながり」をぜひお楽しみください。

 

再n邂逅する科学と美術の試み, 2018 東京-第1回 Kavli IPMU アーティスト・イン・レジデンスプログラム参加作家展

ARTLOGUE 編集部2018/03/12(月) - 06:15 に投稿

展覧会について (企画者より)

 

科学と美術が出会う時、それはいつも思いがけない巡り会いで、時に私達にとって大きな意味をもつものを生みます。例えば20 世紀初頭、パリで科学と美術が邂逅 (かいこう) したときには、ピカソ、デュシャンを筆頭に多様で活発な文化が生まれています。21 世紀初頭の今、日本にある基礎科学の研究所であるカブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) にて、再び科学と美術の邂逅が試みられます。

役に立たない基礎科学と揶揄されることも多い数学と物理学ですが、諸科学の中の王と女王とも称されます。東京大学のカブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)はその数学と物理学を含む、数学、物理、天文学の3 分野で宇宙の謎を解き明かすことを目指す研究所です。この研究所に1 か月間アーティストが滞在し、研究者が研究する同じ場所で研究者と交流をしながら制作をして過ごしました。絵画、メディア、彫刻、これらは美術の最も基本的な分類の仕方の1つですが、本展は、Kavli IPMU で滞在制作を行った画家、メディアアーティスト、彫刻家3名の作家による新作展覧会です。