白鶴美術館「2018年 春季展」

ARTLOGUE 編集部2018/03/12(月) - 15:40 に投稿
白石蓮台(はくせきれんだい) 中国 北斉時代・武平元(570)年 高さ25.3㎝

 

<本 館>

荘厳  ~香・華・燈~

 

仏を敬(うやま)って飾ることを意味する荘厳(しょうごん)。その主な要素である香(こう)、華(げ)、燈(とう)(ともしび、光)は古来、日常生活で人々を喜ばせ続けてきました。美を探求する際、しばしばこの三要素が深く関わり、造形活動が行われます。それらは各種の宗教にも取り込まれて、敬虔(けいけん)な存在を崇(あが)める作品として実に豊かな発展を遂げました。中でも仏教では、広範な技法と素材が駆使され、仏の清浄な空間(浄土)を演出する作品たる荘厳具に昇華しました。

当白鶴美術館は、古くは日本・飛鳥、中国・北斉時代にまで遡(さかのぼ)る荘厳具の優品を数多く所蔵し、仏教荘厳の様相を一望できる美術館としても知られています。 本展覧会では、香、華、燈の三つのキーワードを基に、荘厳具をはじめとした当館所蔵品を展示し、人々を魅了し続ける美の根源を探ります。

 

<新 館>

ミフラーブのなかの 樹と華・水壺・ランブ

 

イスラームでは、一日に五回、神への祈りが奉げられています。厳粛な空気の中、聖地マッカ(メッカ)に向けて祈る人びとの膝下には絨毯などが敷かれますが、それは日常空間と祈りの空間とを隔てるという重要な役割を担っています。

イスラームの大きな宗教施設内で、人ひとりが座れる程の大きさのアーチ形が整然と並んだ床面を目にすることがありますが、祈祷用の敷物の典型的なデザインとして、アーチ形を描いたものがあり、それを「ミフラーブ絨毯」と呼んでいます。「ミフラーブ(メフラブ)」とは、マッカの方角を示すアーチ形の壁龕(へきがん:壁につくられた窪み)のことです。

古典的なミフラーブ絨毯には、花壺やランプがよく描かれています。花壺から溢れる花々には永遠の命が示され、また光を表すランプは、神の存在を象徴するといわれます。

敷物のなかでも贅沢な絨毯は、近代の中東において欧米への輸出産業として発展しますが、ミフラーブ絨毯も、また古典的なデザインのひとつとして、宗教的なモティーフを含めながら、華やかに彩られています。今回は当館所蔵のミフラーブ絨毯に描かれた文様をとりあげます。

 

展覧会概要

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会期:2018年3月6日(火)~6月10日(日)
休館:月曜日 但し、4月30日(振替・月)は開館、5月1日(火)を休館
時間:午前10時~午後4時30分(但し入館は午後4時まで)
料金:大人:800円 65歳以上・大学・高校生:500円 中・小学生:250円
   (大人・大学・高・中・小学生団体20名以上は2割引)

 

開催期間
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白鶴美術館「2018年 春季展」
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