第 70 回正倉院展
正倉院宝物は、奈良時代、東大寺大仏の造立を発願した聖武天皇ご遺愛の品々を、756年、后の光明皇后が、大仏に献納したことに始まります。東大寺の儀式で使った法具や貴族たちの奉納品なども加わり、現在、正倉院に伝わるおよそ9,000件の宝物のなかの一部が、毎年秋に開かれる正倉院展(奈良国立博物館)で公開されます。
連続する生命の形
1845年(江戸後期)に50万平米にも及ぶ敷地に創られた御船山楽園。敷地の境界線上には、日本の巨木7位、樹齢3000年以上の武雄神社の神木である大楠があり、庭園の中心には樹齢300年の大楠がある。そのことからわかるように、御船山を中心とした特別な森の一部を、森の木々を生かしながら造った庭園であることが想像できる。庭園と自然の森との境界線は曖昧で、回遊していく中でいつのまにか森に入り込んだり、けもの道に出くわしたりする。森の中には、超自然的に積み重なった巨石の磐座(いわくら)であろう祠が今では稲荷大明神としてまつられている。また、後に奈良の大仏をつくる名僧行基が約1300年前に御船山に入山し五百羅漢を彫ったとされており、森の中の洞窟の岩壁には、行基が直接彫ったと伝えられる磨崖仏が今も残る。