河口龍夫 -ちのこうや-
日本を代表する芸術家である河口龍夫は、独自の哲学を背景に、物質への関心を根底に持ちながら、関係、生命、時間等、目に見えないものや不確かなものを可視化した数々の作品を制作してきました。その作品は、深い精神を備え、見るものに大きな創造力を与えます。本展では本や新聞等を用い、情報、知性、叡智等について思考してきた一連の作品群の新作として、情報過多な社会の中で人々がどのようにあるべきかという問題意識を、様々な情報を内包する広大な黒部近郊の自然や大地に重ね、作品と地域の環境が互いに呼応し合うような作品を発表いたします。
作家について|
河口龍夫(Kawaguchi Tatsuo 1940 年、神戸生まれ)
1965 年にグループ「位」の活動で注目を集めて以降、1970 年「第10回日本国際美術展 人間と物質」、1989 年「大地の魔術師たち展」 他、数々の展覧会に出品。兵庫県立美術館、名古屋市美術館、東京国立近代美術館等国内でも大規模な個展が開催されており、国際芸術祭、美術館でのグループ展、様々な場所で継続的に発表を行い、意欲的な制作活動を続けている。一方で、1983 年より筑波大学をはじめ倉敷芸術科学大学、京都造形芸術大学、金沢美術工芸大学等で後進の育成にあたってきた。
西山美なコ 90’s ★キラキラおめめ★
この度、Yoshimi Arts は展覧会「西山美なコ 90’s ★キラキラおめめ★」を開催致します。
西山美なコは、1980 年代後半から巨大な「リカちゃんハウス」を思わせる作品や宝塚の書き割り風の作品など、少女文化を前面に出した立体作品で注目を集めました。その後、砂糖や卵白といったお菓子の材料を用いて作った王冠やバラなど、儚く壊れやすい作品を制作し始めます。
おおよそ 90 年代前半に見られる前者の作品と、90 年代後半から現れる後者の作品の表象の変化は一見連続性が無いように見えますが、それらは対照的に存在しているというよりも、もともと西山の作品の中に存在していたものだと思います。
本展では、90 年代の平面作品を中心に展示致します。展示作品は断片的ではありますが、西山の作品の移り変わりや時代性を体現出来る展覧会となるでしょう。
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MOT サテライト 2018 秋 うごきだす物語
「MOTサテライト」は、改修休館中に東京都現代美術館の活動を館外に拡張し、まちなかでアーティストの作品展示やプロジェクトを実施することで、「まち=地域」の魅力を再発見しようとする試みです。
江戸時代からの下町情緒や水辺の風景などの魅力あふれるまちの特色に加えて、近年ではカフェやギャラリーも賑わいを見せるなど、新旧の文化が交わる清澄白河。1995年に開館以来、東京都現代美術館はこの地で活動を続け、国内外の現代美術を発信してきました。
第3回となるMOTサテライト2018秋は、「うごきだす物語」というテーマのもと、2019年3月下旬に迫った美術館のリニューアル・オープンへの気運を高め、地域や関係各所との連携をさらに深めていくことを目指します。さまざまな領域で活躍してきた作家や研究者たちが清澄白河周辺のまちや人々と関わり、対話が生まれ、多くの作品や関連プログラムが生まれました。作品やプロジェクトを通してまちの記憶が「物語」として動き始め、今まさに動き始めたまちの姿が生き生きと描き出されていきます。ぜひまちをめぐり、作品と触れ合いながら、本展をお楽しみください。
魔都の鼓動 上海現代アートシーンのダイナミズム
中国随一の経済都市である上海は近年、地元政府の都市計画による後押しもあり、万博跡地を中心にアート関係施設やイベントが続々と増加し、首都北京を上回る勢いで活発な文化芸術活動が行われています。大規模なビエンナーレや国際アートフェアの開催の他、商業施設を含めた様々な日常空間の中でも次々に実験的な展示や活動が行われるなど、街の至るところでアートシーンの活況が感じられます。
本展では、そのような現在の上海のアートシーンが成立するまでに歴史的に大きな役割を果たしてきた巨匠から新世代の若手まで、国内初紹介となる作家も含めた計13組をご紹介します。そのうち5組は日本で初紹介となる作家であり、本展で初公開となる新作も複数含まれます。
図抜けたスケール感の立体作品から先端技術を駆使した新メディア作品まで、刺激に満ちた作品の数々を通して、目まぐるしく変化する隣国のシーンの熱気を体感いただければ幸いです。