このたび高島屋では、「東京藝術大学退任記念 深井 隆展 ―在ることについて―」を、高島屋美術部創設110年記念の一環として開催いたします。
1951年生まれの深井 隆氏は、70年代後半のいわゆる“ポストもの派”の作家として独自の静謐な作品世界を創りあげました。
今日では現代彫刻界をリードする重要な作家のひとりとなっています。
木や大理石、ブロンズに箔といった素材を駆使しながら、椅子、馬、本などをモチーフに東洋と西洋、両義性をうかがわせる哲学的な作品を生みだしています。
それらは空間に溶け込み、あるいはそこから浮かび上がるかのように、虚構と現実の間を往還する詩的な幻視、または心象風景のようです。
今展は、大学院修了直後から作家が長年勤務し、2005年からは彫刻科の教授を務めてきた母校東京藝術大学の退任記念展となります。
現在まで表現してきた存在への問いかけを一歩進めるかのような、「家」をテーマにした作品を中心に、木彫、砂岩や大理石の作品、モノタイプ版画などを展観いたします。
室内に在った椅子や馬たちは、「家」という外殻(シェルター)を得て、内面への深耕からよりメタな世界へと志向していきます。
今日にあって感じる、失われつつあるものへの憧憬のようなある種の感覚、人が生きていく場所、その本当の在り処を作家は求めているのかもしれません。
深井作品がつくりだす深遠な時空の迷宮をご堪能ください。
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