#MeTooとアラーキー告発に見る、作品至上主義のおわりのはじまり

nanchatic2018/05/14(月) - 19:30 に投稿

#MeToo 運動や元写真モデルによるアラーキー告発を見て感じるのは、作品と人権という2つのバリューの天秤の高さの今日的な変化です。MeToo運動は、TwitterやInstagramを通して拡大していったように、映画会社、プロデューサー、ディレクターが大きな影響をおよぼしていたマスメディアに代わって、SNSという個人発信の手段が可能にした運動でした。

「わたしたちは道具ではない」という映画作品や写真アートのキャストやモデルたちの主張は、それまでの創作側の作品至上主義、そしてアンタッチャブルな神聖と見なされてきた芸術作品に対する、「犯される側」からの「犯すべからざる領域」への反乱であるようにも見えます。

純文学とモデルの人権


アラーキー告発に関する記事の中に、島崎藤村(1872〜1943)の小説『新生』に登場するモデルに触れたものがありました。日本の純文学の歴史を振り返ると、藤村に限らず、登場人物のモデルとなった実在の人物(多くは女性)への人格権を侵害した事案が数多く発見できます。

GIRLS 毎日を絵にした少女たち

ARTLOGUE 編集部2018/05/14(月) - 17:18 に投稿
塔本シスコ《アロエの花は冬に咲く》1995 年撮影:塩田洋

 

大正生まれのシスコ、澄子、ゑい。時を超えて描いた少女のときめき――
本展に出展する3人は、大正初期に生まれ、激動の時代を生きています。彼女たちは、不思議なことに皆、歳を重ねてから過去を追憶し、堰を切ったように大量の絵を描いています。川で遊んだ日、親戚がたくさん集まった日、妖精を見つけた日、戦時中のある日。それから妻となり、母となり、やがておばあさんとなって過ごした日々。在りし日の瞬間瞬間に宿るときめきを絵にしたためていきました。今そこにある暮らしや、過去からの出来事の一つ一つを肯定していく姿は、彼女たちによって描かれた絵のごとく美しく、歳を重ねてなお少女のようにきらきらと輝いているように見えます。3人の少女の眼を通して見つめられた大事な瞬間を伝える絵は、私たちに毎日がかけがえのないものであることを伝えてくれるでしょう。

 

展覧会概要

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今日は母の日ー子どもと一緒に美術鑑賞「フリートークデー」って何?:アートをおしきせ 20180513

ARTLOGUE 編集部2018/05/13(日) - 23:52 に投稿
今日は母の日。
私の周囲でもお母さんになった友人が随分増えました。結婚でライフスタイルはおのずと変わりますが、時間が許せば、それまで同様、展覧会や芸術祭、公演、ライブ、とそれまでよく参加していたイベントにも引き続き出かける友人が殆ど。
とはいえ赤ちゃんが生まれると、子ども連れでも気兼ねなく行ける場所という選択肢がどうしても外せません。

蘇る身体の器官から思うこと-テクノロジーとアート、身体の「拡張」:アートをおしきせ 20180512

ARTLOGUE 編集部2018/05/12(土) - 21:48 に投稿
 レオナルド・ダ・ビンチ(Leonardo da Vinci, 1452~1519)による理想の人体像。
《ウィトルウィウス的人体図》1487頃、 紙にペンとインク、 34.4 cm × 25.5 cm、 ヴェネツィア、アカデミア美術館)[Public domain], via Wikimedia Commons

 

アメリカ陸軍で失った耳を腕で培養して再建、移植する手術が成功したと報じられていました。アメリカ陸軍の事例としては初とのことです。

参照:CNN.co.jp「腕で耳を培養、事故で左耳失った米兵に移植手術」https://www.cnn.co.jp/usa/35119000.html、2018年5月12日アクセス


移植した耳は、患者本人の肋骨から取り出した軟骨を耳の形に彫刻し、自らの腕の皮下で育成したものだそうです。

無料で美術鑑賞!?案外あった美術館の無料開放日:アートをおしきせ 20180511

ARTLOGUE 編集部2018/05/11(金) - 23:34 に投稿
毎週金曜午後4時~午後8時の入館料が無料になるニューヨーク近代美術館(MoMA)の「ユニクロ・フリー・フライデー・ナイト」。美術館の無料開放は、日本も例外ではありません!

 

5月11日付の読売新聞で「中山道広重美術館、「金曜無料」で手応え」の記事を読みました。

岐阜県恵那市の中山道広重美術館が、金曜日の入館料が無料となる「フリーフライデー」を導入し、入館者数が増加したことが取り上げられていました。

「フリーフライデー」というと、ユニクロがスポンサーになって実施しているニューヨーク近代美術館(MoMA)の「ユニクロ・フリー・フライデー・ナイト」を思い出しましたが、中山道広重美術館の取り組みはここから着想を得たものだそう。ちなみにユニクロはMoMAとパートナーシップを結んで所蔵の現代アート作品をモチーフにした商品を販売しています。無料開放といい、アート作品を取り入れたファストファッションといい、肩の力を抜いてアートと親しめる試みですね。

美術館4コマ漫画『ミュージアムの女』<br>「甘いわな」「ミュージアムの恋人」第31話~第40話<br>by 岐阜県美術館©︎宇佐江みつこ

岐阜県美術館2018/05/11(金) - 19:01 に投稿

美術館には必ずいる監視員さん。そんな監視員さん達の日常を描いた美術館4コマ漫画『ミュージアムの女』の連載です。

『ミュージアムの女』  目次


第31話「立つ理由」
第32話「油断」
第33話「おもてなし」
第34話「甘いわな」
第35話「チームプレー」
第36話「見えない物語」
第37話「ミュージアムの恋人①」
第38話「ミュージアムの恋人②
第39話「朝のはぢまり」
第40話「救世主

 

『ミュージアムの女』第1話から第10話 はこちら

『ミュージアムの女』第11話から第20話 はこちら

少子高齢化と拝観料…そして美術館:アートをおしきせ 20180510

ARTLOGUE 編集部2018/05/10(木) - 23:51 に投稿
さすが「いらすとや」さん。少子高齢化でもイラストが…ある!

 

5月8日の毎日新聞の記事で神社仏閣の拝観料の値上げが続いていることが取り上げられていました。

大幅な値上げとはいえないものの、京都や奈良といった神社仏閣が多く集まっている都市では、1度に複数の場所を巡る人も多く、拝観料だけでばかになりません。

値上げの理由としては整備、修理だけでなく、防犯対策も含めての費用負担が述べられていましたが、それとともに挙げられていた「少子化」というキーワードがひっかかりました。修学旅行生の人数が減り、収入が減ってきているとのこと。

千代田区×東京ステーションギャラリー「夢二繚乱」

ARTLOGUE 編集部2018/05/10(木) - 20:56 に投稿
『婦人グラフ』第3巻第5号表紙 大正15(1926)年 千代田区教育委員会蔵

 

東京ステーションギャラリーのある千代田区は、出版・印刷業が集積した全国有数の街として発展してきました。千代田区九段南にある出版社・龍星閣は、高村光太郎の『智恵子抄』の版元として知られています
が、戦後、竹久夢二の画集を次々と出版し、第二次夢二ブームを牽引した存在でもあります。本展は、夢二の著作や画集の出版のために龍星閣の創業者・澤田伊四郎が収集した1200点を超える膨大な夢二コレクションが千代田区に寄贈されたことを記念し、その精華を紹介するものです。

 

【開催概要】 

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