絵になる姿 ― 装い上手な少女、婦人、舞妓たち ―

ARTLOGUE 編集部2019/03/27(水) - 02:47 に投稿
色とりどりの華やかな衣装とともに描き出される女性像は、日本画における主な画題のひとつとして多くの人々に親しまれてきました。特に、京都では、古くから優美な染織産業が発達してきたこと、花街の文化が息づいていることなど他にはない独自の美意識が育まれてきたといえます。京都で活躍した日本画家たちは、少なからずそのような空気にふれ、豊かな感性を発揮して多くの魅力的な女性像を描きました。 本展では、大正、昭和、平成期の京都で活躍した日本画家によって描かれた女性の姿を紹介します。菊池契月、中村大三郎、三谷十糸子、秋野不矩、三輪良平らによって描かれた愛らしい少女、麗しい婦人、優美な京の舞妓たち。その端正な姿態や表情による女性美はもちろん、花鳥や流水、縞や絣など伝統的な文様をモダンな色彩で彩られた衣装デザインも見どころです。また、今回は、現代でも京都の春の風物詩となっている「都をどり」のポスター原画もあわせて紹介します。それぞれの画家たちが追求した多彩な女性像の世界をお楽しみください。

宇野亞喜良展

ARTLOGUE 編集部2019/03/27(水) - 02:45 に投稿
<ジェイアール名古屋タカシマヤで、巨匠イラストレーター・宇野亞喜良氏の初の個展開催> 1934年名古屋市も生まれ、日本を代表するイラストレーターとして第一線で活躍する宇野亞喜良氏。耽美で神秘の世界観は多くの人々を魅了してきました。名古屋では初個展となる今展では1960年代のビンテージ作品から絵本原画、最新作まで一堂に展観いたします。御年85歳、見どころ溢れる宇野亞喜良氏の迷宮に迷いこんでみては。※展示販売 作家来場日4/13(土)午後2~4時

特別展 堂本印象

ARTLOGUE 編集部2019/03/27(水) - 02:44 に投稿
堂本印象(どうもといんしょう、1891-1975)は、京都において官展を舞台に活躍し、大正・昭和期の美術界を牽引した日本画家です。図案の仕事に携わりながら京都市立絵画専門学校で学び、28歳で帝展初出品初入選を果たしてデビューすると、瞬く間に画家として頭角を現していきました。京都画壇の重鎮・西山翠嶂(にしやま すいしょう)に師事して画塾・青甲社(しょうこうしゃ)に入塾し、風景・宗教・花烏・風俗など多様な主題に才を見せつつ、官展では審査員を歴任、自身も画塾・東丘社(とうきゅうしゃ)を主宰して絵画研究に努め、寺院の障壁画や皇室献上画といった大事業も手掛けるなど、画壇の中心的な役割を担っていきます。 戦後になると、日本画を取リ巻く厳しい情勢の中で、西洋美術の研究も踏まえた先鋭的な日本画表現を展開し、社会や時代に即した造形的な作品や抽象表現による日本画作品を発表して、止まることなく常に芸術の新たな可能性を追求しました。1961(昭和36)年には文化勲章を受章、1966(昭和41)年には全て自らのデザインによる美術館を開館するなどし、今日につながる芸術分野の振興において実に大きな功績を残しています。 本展では、画業の初期から晩年に至るまでの作品42点により、旺盛な創作活動で20世紀の美術界を常にリードし続けた画家・堂本印象の飽くなき創造への挑戦の過程を振り返ります。また、特別出品として、西山翠嶂画塾・青甲社で共に研鑽を重ね、新しい日本画の創造にも果敢に挑んだ画家・秋野不矩の作品8点を展示します。

版画を楽しむ

ARTLOGUE 編集部2019/03/27(水) - 02:44 に投稿
当館では、日本人になじみの深い「版画」にテーマを絞り、作家においても技法においてもヴァリエーションに富んだ展覧会「版画を楽しむ木版・銅坂・リトグラフ・シルクスクリーン」を開催いたします。 版画は「板」を利用して制作する絵画で、同じ版を用いて複数の作品を刷ることができるのが大きな特徴です。技法的には木版画に代表される凸版、銅版画に代表される凹版、平版(リトグラフ)、孔版(シルクスクリーン)の四つに分類され、古くから世界各地で制作されてきました。 今回の展覧会では、多彩な技法を駆使して表現領域を広げてきた近現代の版画に焦点をあて、銅版画家として世界的に活躍した駒井哲郎や浜口陽三をはじめ、小村雪岱、高山辰雄ら日本画家、脇田和、中川一政ら洋画家、青木望肢などの現代美術家による作品をまじえた約70点を-堂に展示します。当会場で、現代版画の芳醇な世界をお楽しみください。

所蔵名品展 あおいとき

ARTLOGUE 編集部2019/03/27(水) - 02:44 に投稿
当館では‟あお”を基調とした作品を数多く所蔵しています。今回その中から‟あお”で描かれた選りすぐリの作品を展示致します。 画家たちは、‟あお”をどのように表現しているのでしょうか?晴れ晴れと澄みきった空のような「青」、思わず顔があおざめてしまうような「蒼」、心の深淵を映したような「碧」など、‟あお“色にはさまざまな表情があります。 本展ではダリや、ミロ、コクトー、シーゴーなどの海外作家から難波田龍起や佐野ぬい、森秀雄、司修などの日本作家による珠玉の作品約50点を展示致します。 画家たちが描いたあおの世界、あおいときを心ゆくまでお楽しみください。

藪野健 時空散歩 江戸東京、そして東北

ARTLOGUE 編集部2019/03/27(水) - 02:39 に投稿
時に変貌を遂げつつ一切を包み込み、場=トポスの記憶を刻む「町・都市」。本展は、半世紀に渡り、画家・藪野健が歩き見つめてきた東京、そして東日本大震災の前後に巡った東北を舞台に、「町・都市」との対話に注目するものです。展示される300点超の水彩画・デッサンと絵地図には、建築文化へ向かう藪野の洞察と敬慕が溢れ、景色と人々との出会いに触発された感性が響き合います。これら作品群は画家を語り部とした「町・都市」の物語であり、フィールドワークによる考現学的成果であり、画家が自在に「時空」を往来した軌跡です。 平成から新しい時代へ進む今、本展が多くの方にとって「時空」を越えた出会い、そして様々な記憶へ思いを馳せる機会になれば幸いです。

鈴木龍一郎 作品展 寓話 / RyUlysses(リュリシーズ)

ARTLOGUE 編集部2019/03/27(水) - 02:39 に投稿
鈴木龍一郎氏は、大学卒業後にフリーランスの写真家となり、アジア各国や欧米の旅で撮影を続けて、1975年に「聖印度行」で太陽賞、2008年に写真集『オデッセイ』で日本写真協会賞、2010年に写真集『リュリシーズ』で土門拳賞を受賞し、現在も精力的に作品制作に取り組んでいます。 本展では、1970年代に日本国内で撮影した「寓話」(『オデッセイ』より)と、2000年代にアイルランドの首都ダブリンで撮影した「リュリシーズ」より選定した作品(すべてモノクロ)をご覧いただきます。 「寓話」は、6×6cmフォーマットのカメラを使って撮影されており、鈴木氏は「正方形の小さなファインダーを覗きながら夢を見ている感覚があり、フィルムを現像すると確たる一瞬の現実空間が記録されていて、常にその落差に驚かされた」といいます。大きな仮面を被って遊ぶ子ども、たそがれ時の看板に止まるカラスなど、日常に潜む幻惑が一編の詩のように浮かび上がります。 「リュリシーズ」は、24×65mmパノラマサイズで撮影されています。ジェイムズ・ジョイスの小説『ユリシーズ』の影を追い、ダブリン市街で過去と現在、生と死の境界を記録して歩きました。海岸、路地、ダブリンの人びと、彫像などをとらえた作品は、静謐さの中に惑乱と陶酔が香るようです。ジョイスが多彩な文体と綿密な構成で魂の彷徨を描いたように、錯綜する視線をパノラマで表現し、自らの新たな可能性を開いた作品です。タイトルが作者の名前「リュウイチロウ」と『ユリシーズ』をかけた言葉遊びからつけられたのも、ジョイスへのリスペクトからでしょう。 初期の撮影である「寓話」と最近のシリーズである「リュリシーズ」を合わせてご覧いただくことで、現実と夢幻が交錯する迷宮をさまよい続ける鈴木氏の作品世界をより深く感じていただけることでしょう。