イメージの魔術師 エロール・ル・カイン展

ARTLOGUE 編集部2019/01/31(木) - 02:35 に投稿
"イメージの魔術師"と呼ばれた絵本作家エロール・ル・カイン(1941-89)。 シンガポールに生まれ、幼少期をインドで過ごしたル・カインは、1956年、15歳で単身渡英、以後、イギリスを終生の活動の場としました。 アニメーションを学んだのち、1968年に映画用のラフスケッチを元にした『アーサー王の剣』を出版し、夢だった絵本作家への道に踏み出すことになります。 その後、『キャベツ姫』『キューピッドとプシケー』『おどる12人のおひめさま』『魔術師キャッツ』など数多くの絵本を生み出しました。 東洋と西洋の美術様式が融合した幻想的な絵には、豊かな色彩があふれています。 そして、細密な描写による装飾性と多様なタッチ、繊細でありながら大胆な構図の面白さなど、ル・カインが描き出す世界は魅力に満ちています。 本展では、絵本のストーリーを辿りながら、絵本原画やスケッチ、資料などにより、その魔術の秘密をひも解きます。

世界に誇る吉野石膏コレクション<br>印象派からその先へー

ARTLOGUE 編集部2019/01/31(木) - 02:34 に投稿

日本における西洋美術のコレクションは今から百年ほど前、第一次世界大戦が終了した1910 年代の末に始まります。松方幸次郎、大原孫三郎、福島繁太郎といった人々が、日本の西洋美術コレクションの中核となる作品を収集したのがこの時期です。その後も日本人の西洋美術に対する情熱は衰えず、数々の優れたコレクションが形成され、現在に至っています。

石膏建材メーカーとして知られる吉野石膏株式会社は、1970年代から本格的に絵画の収集を開始し、2008年には吉野石膏美術振興財団を設立。コレクションのさらなる拡充と調査研究を推進してきました。そうして形成された西洋近代美術のコレクションは、質量ともに日本における歴代のコレクションに勝るとも劣らぬ内容を誇っています。現在、その多くは創業の地、山形県の山形美術館に寄託され、市民に親しまれています。

市民ギャラリー企画展 素材と造形美の融合

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:37 に投稿
今回の展覧会では、素材を生かしながら表現された造形作品をテーマとして展示します。彫刻の素材、工芸の素材、そして絵画においても多様な画材を駆使して表現した作品があります。  美術作品を制作するには、まずどのような素材、材料、画材を使って表現するか、から始まります。また、現代ではインスタレーションとして、空間全体を表現の媒体として捉えることも考えられ、素材の概念もテクノロジーの世界を含むと無限に広がりがあるものかもしれません。  市民ギャラリーで収蔵する市内を拠点に活動する作家や、全国規模の公募展に出品する地元作家の作品、市民ギャラリーの美術講座の講師による新作などを、素材に焦点を当てながら紹介します。

清須市はるひ絵画トリエンナーレ アーティストシリーズ

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:37 に投稿
清須市はるひ美術館では1999年の開館以来、新たな才能の発掘・育成を目指し、絵画(平面作品)の公募展を継続して開催してきました。「アーティストシリーズ」は、この公募展で高く評価された作家から厳選し、個展形式で取り上げる展覧会です。 今回は、春におこなわれた公募展「清須市第9回はるひ絵画トリエンナーレ」で大賞を受賞した田岡菜甫、準大賞を受賞した田中秀介、堀至以をご紹介します。過去最多の応募数となった本公募展での受賞作を含め、進化を続ける作家たちの個性をお楽しみください。 ■Vol. 87 田中秀介展 2018年12月4日(火)~12月27日(木) ■Vol. 88 田岡菜甫展 2019年1月16日(水)~2月8日(金) ■Vol. 89 堀至以 2019年2月13日(水)~3月8日(金) 会期中、スペシャルトークやワークショップも開催。 詳しくは公式ホームページでご確認ください。

没後90年記念 岸田劉生展(仮)

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:37 に投稿
日本の近代美術の歴史において最も独創的な絵画の道を歩んだ孤高の存在である画家・岸田劉生(1891-1929)の没後90年を記念する展覧会です。 岸田吟香(1832-1905)を父として東京・銀座に生まれた劉生は、父の死後、キリスト教会の牧師を志しますが、独学で水彩画を制作するなかで、画家になることを勧められて、黒川清輝の主宰する白馬会葵橋洋画研究所で本格的に油彩画を学びます。 そして、雑誌に紹介された後期印象派の画家たち(ゴッホ、ゴーギャン、マチスなど)を知り、「第二の誕生」と自ら呼ぶほどの衝撃を受けます。 1912年には、斎藤与里、高村光太郎、萬鐵五郎らとともに、ヒユウザン会を結成、強烈な色彩と筆致による油彩画を発表します。しかし、画家としての自己の道を探究するために、「近代的傾向…離れ」に踏み出し、徹底した細密描写による写実表現を突きつめた先に、ミケランジェロやデューラーなど西洋古典絵画を発見して、「クラシックの感化」を受けた独創的な画風を確立します。 1915年には、木村荘八、椿貞雄らとともに草土社を結成、若い画家たちに圧倒的な影響を与えました。最愛の娘・麗子の誕生とともに、自己のなかの「内なる美」で満たされた究極の写実による油彩画に取り組みます。その後、素描や水彩画の直截な表現のなかに「写実の欠除」の意義を見出すとともに、関東大震災より京都に移住した頃から、東洋美術(宋元院体画、浮世絵など)に特有の写実表現のなかに「卑近の美」を発見して、日本画にも真剣に取り組みました。 しかし、鎌倉に転居して、再び油彩画に新たな道を探究しはじめた1929年、満洲旅行から帰国直後に体調を壊して、山口県の徳山において客死しました。享年38歳でした。 本展では、岸田劉生の絵画の道において、道標となる作品を選び、基本的に制作年代順に展示することで、その変転を繰り返した人生の歩みとともに、画家・岸田劉生の芸術を顕彰しようとするものです。

絵画の詩学

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:37 に投稿
当館所蔵の絵画と、絵画のイメージに合わせた詩や言葉を併せて展示します。 小説や詩集にはイメージを補助するために挿絵が添えられることがあります。本展はその逆、つまり絵画の解釈の手がかりとして言葉を添えて紹介します。 他者の詩や言葉を通して作品を再度鑑賞することで、各々では感じることのなかった新しい解釈が生まれるかもしれません。 美術作品は作家の表現ですが、言葉も使い手の表現です。表現と表現を掛け合わせ、深く作品世界を想像させる鑑賞体験をお楽しみください。 ●ワークショップコーナー 『千の言葉よりもあなたの一言が大切だといっても過言ではない!』 展示作品を鑑賞し、それぞれが感じた言葉や詩を紙に書いて展示室内に貼付けます。あなたの言葉によって、観覧者に新しい解釈が生まれるかもしれません。 日時:会期中常時開催 場所:展示室内 参加費:無料(ただし観覧券が必要) ●ギャラリートーク 学芸員が展覧会をご案内します。 日時:12月15日(土)、1月13日(日) いずれも午後2時~ 参加費:無料(ただし観覧券が必要)

リニューアル3周年記念名品展 第1部 国宝「紅白梅図屏風」

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:36 に投稿

MОA美術館では、国宝「紅白梅図屏風」をはじめとする当館コレクションから精選した所蔵名品展を開催いたします。 国宝「紅白梅図屏風」は、江戸時代中期の絵師、尾形光琳の最晩年期の一大傑作であり、日本美術を代表する作品です。 対立して勇姿を競う紅白の梅、判を押したかのように線描きしない梅花の描き方や蕾の配列、樹幹に見られるたらし込みなど、優れた要素が結集し、画面に重厚なリズム感と洒落た装飾性を与えています。 中央の川は静かに流れ、光琳独特の絶妙な筆致により渦まく水文が観るひとの目を引き付け、さらに末広がりの川の面が絵に存在感を与えています。 この流水文の絵画表現は、近年の科学調査により、銀箔地に水文をマスキングし、露出した銀箔を黒色に硫化変色させるという極めて類のない工芸的な手法である事が判明しました。 呉服商「雁金屋」の御曹司だった光琳は染色技法に詳しく、本作品の金銀地に対して防染技術の試みを垣間見せる大変興味深い作例です。 本展覧会では、この他に京焼の大成者・野々村仁清作 国宝「色絵藤花文茶壺」、奈良から室町期までの古筆名蹟の集大成といえる国宝 手鑑「翰墨城」と、所有する国宝3点全てをご覧いただきます。

竹内栖鳳展  コレクションを中心に

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:36 に投稿
明治以降の近代美術界は、西洋の美術思想や絵画技法の導入と伝統の継承との狭間で揺れ動きました。 そのような時代にあって、竹内栖鳳(1864-1942)は、元治元年(1864)に京都で生まれ、18歳で四条派の幸野棋嶺に入門しました。 四条派の他、狩野派や土佐派など様々な古画の研究に取り組み、明治33年(1900)37歳でヨーロッパに渡り西洋美術への理解を深め、その後、西洋画法を取り入れた写実表現によって、日本画の新しい道を切り開きました。 晩年は後進の指導にも力を注ぎ、橋本関雪や上村松園など多くの有能な画家を育成しました。 この度の展観は、伝統に立脚しつつ独自の表現を創造した竹内栖鳳にスポットをあて、その魅力に迫るものです。

黒田泰蔵 白磁

ARTLOGUE 編集部2019/01/30(水) - 02:36 に投稿
空間に溶け込むように静謐でありながら、緊張感あふれる力強さをもつ陶芸家・黒田泰蔵の白磁。ヴァンジ彫刻庭園美術館では、国内外の主要な美術館にコレクションされ、世界的に活躍する黒田の美術館では初となる個展を開催いたします。 1966年、20歳の若さでパリに渡り、のちの人間国宝となる陶芸家の島岡達三と運命的な出会いを果たした黒田は、カナダで陶芸を始めました。 日本に帰国した後も、黒田はさまざまな技法で精力的に作陶に携わっていきますが、45歳の時、「轆轤成形、うつわ、単色」という3つの条件を自身に定め、白磁のみの制作に傾注していきます。 本展覧会では、轆轤に初めて触れてから約半世紀の後に辿り着いた白磁の現在を、円筒や梅瓶、花入、台皿といった数々の優品により展観します。 磁土との対話の中、個を極限まで消していくことで純化された白磁がみせる抽象の世界。轆轤の回転が生み出す柔らかで張りのあるフォルム、釉薬を用いず、焼締めの後に磨かれた表面の艶やかな陰影、宙空へと薄く挽き上げられた口縁など、その美しさの特質には枚挙にいとまがありません。 1981年の帰国後より伊豆に窯を構え、以来40年近く静岡の地でうつわの可能性を追求し続けてきた黒田の究極の白磁を、ぜひご堪能ください。