シャガール 三次元の世界
画家、版画家として著名なマルク・シャガールは、晩年に多くの彫刻を制作していました。シャガールの彫刻作品を、日本で初めて本格的に紹介する本展では、平面作品と深い関わりをもつシャガール彫刻の特徴を踏まえ、関連のある素描や絵画、同主題の絵画などとともに展示し、シャガールの三次元世界を巡ります。日本初公開作品を多数含む、彫刻・陶器60点、油彩・水彩70点、素描・版画等40点で構成される本展は、新しいシャガール像に触れる貴重な機会となることでしょう。
ジョセフ&アニ・アルバース、二つの抽象:タイラーグラフィックス・アーカイブコレクション展Vol.30
ジョセフ・アルバース(1888–1976)とアニ・アルバース(1899–1994)の夫妻は、いずれもドイツの造形学校バウハウスに学び、のちにアメリカに渡ってからはアーティストとして、そして教育者として活動し、戦後の美術やデザインに大きな影響を与えました。
ジョセフ・アルバースはバウハウス卒業後に同校教授となりましたが、1933年にナチスによるバウハウス閉鎖を機にアメリカに亡命。ブラック・マウンテン・カレッジやイェール大学で教鞭をとるほか、色彩理論書『色彩構成』を著すなど、画家、教育者としてアメリカ美術の発展に大きく貢献しました。色彩の相互作用と幾何学的形象による独自の絵画空間を追求した彼が、その実践として制作し続けた代表作〈正方形賛歌〉シリーズをはじめとする作品群は、のちの幾何学的抽象絵画やグラフィックデザインに強い影響を与えました。
山本二三展
「倉敷市」50周年記念事業として、「日本のアニメーション美術の創造者山本二三(にぞう)展」を開催します。
山本二三氏は1953年、五島列島の福江島(現・長崎県五島市)に生まれました。すぐれた技術と感性に裏打ちされた美術の仕事で、今や日本を代表する文化として認知されているアニメーションの世界を牽引してきた立役者のひとりです。同氏は「未来少年コナン」(1978年)、「天空の城ラピュタ」(1986年)、「火垂るの墓」(1988年)、「もののけ姫」(1997年)、「時をかける少女」(2006年)など数々の名作アニメーションで美術監督をつとめて高い評価をうけ、現在も精力的に活動を続けています。
アニメーションは、監督、原画、動画など大勢の専門家が関わって創りあげていくものです。美術の仕事は、その重要な部分をになうものですが、作品のなかで調和することが求められ、キャラクターの物語を背後で支える存在です。本展はあえてキャラクターを入れないことで、美術家の果たす役割を紹介します。
作者みずからが選択したアニメーション作品に用いられた背景画、準備段階で描かれるイメージボードなど、初期から最新作まで一堂に公開します。
橋爪 彩 個展 Girls Start the Riot
《Girls-Start-the-Riot》2010‐2011年-高橋コレクション蔵 橋爪彩 ©Sai HASHIZUME
福岡道雄 つくらない彫刻家
福岡道雄《何もすることがない》1962-64 年 大阪新美術館建設準備室蔵
開催趣旨
ひとり、大阪の地で「反」芸術を貫いた彫刻家・福岡道雄。その全貌にせまる、美術館では初めての大規模個展を開催します。60 余年にわたる制作の軌跡を98 点の作品でふりかえる、回顧展形式の展覧会です。
福岡道雄は1936 年、大阪府の堺市生まれ。戦時中を中国北京、終戦後の少年時代を滋賀県で過ごした福岡は、19 歳のころ、大阪市立美術研究所への入所を機に、彫刻制作を本格化させました。地中で生まれる不定形な彫刻〈SAND〉や、地面を這い散らばる〈奇蹟の庭〉など、「彫刻らしさ」を疑ってかかるそれら最初期の作品群で、福岡は早くも世間の注目をあつめています。
THE ドラえもん展 TOKYO 2017
「THEドラえもん展 TOKYO 2017」開催決定!
2017 年11 月1 日(水)から 2018 年1 月8 日(月・祝)まで、六本木・森アーツセンターギャラリーにて「THE ドラえもん展 TOKYO 2017」を開催いたします。1970 年の誕生以来、ドラえもんは日本中にたくさんの夢を届けてくれました。世界を舞台に活躍するアーティストたちの中にも、ドラえもんと出会い、夢を膨らませてきた作家がたくさんいます。そんなアーティストたちに、彼らが感じた「ドラえもん」をアートで表現してもらったら、どのような作品が生まれるだろう…というところから、この展覧会は企画されました。
本展では、日本の現代美術を牽引するアーティスト 28 組が参加し、ドラえもんと現代アートの競演が実現します。2002 年に開催された「THE ドラえもん展」は、当時を代表するアーティストが一堂に集い、独創的な作品が生み出され、鮮烈なインパクトを与えました。15 年経った今、社会環境、風景、生活、身近にあるモノは大きく様変わりし、現代アートの“いま”も進化しています。本展は、ドラえもんを通じて現代アートの“いま”を切り取る展覧会と言えるでしょう。
ワコウ・ワークス・オブ・アート
兵庫県立美術館
「兵庫県立美術館」は平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災からの「文化の復興」のシンボルとして、HAT神戸(震災後、21世紀の都市文明を先導する都市空間として整備された神戸東部新都心の愛称)に平成14年4月に誕生しました。
美術を中心とする芸術活動の積極的な展開を通じて、21世紀の都市生活の共通課題である「人間のこころの豊かさ」の回復・復興、とくに未来を担うこどもたちの感性の涵養やこころの元気アップを図るため、6つの基本構想に沿った美術館を目指します。
- 「文化の復興」と新しいまちづくりの核となる美術館。
- 県立近代美術館を発展的に継承した美術館。
- 多様な芸術活動に対応した美術館。
- 新しい美術を創造する未来志向の美術館。
- 県民に開かれた参加・体験する美術館。
- 国際交流の拠点となる美術館。
京都市立芸術大学ギャラリー @KCUA
@KCUAについて
京都市立芸術大学では、学内機関として1991年より芸術資料館を開館し、陳列室で所蔵品の展示を行うほか、大小二つの学内ギャラリー、その他の学内施設も活用しながら展示活動を継続しています。これらは作品鑑賞の機会を提供し、また学生たちの日頃の活動成果を公開する実験的発表の場としても機能しています。これらのスペースに加えて、2010年春、京都堀川音楽高等学校の新築移転に伴って、その敷地内南側に建てられたギャラリー棟(堀川御池ギャラリー)内に京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA(アクア)が開館しました。
「@KCUA」は大学の英語表記 「Kyoto City University of Arts」 の頭文字に場所(サイト)を示す「@」を付けたもので、音読するとラテン語の「アクア=水」となります。生命を養う水のように、芸術が人々の暮らしに浸透し、創造力豊かな社会に貢献するという本学の理念を表現しています。