芦屋市立美術博物館
<沿 革>
芦屋市立美術博物館は1991年の開館以来、芦屋ゆかりの美術家を中心に、近代・現代の作品や芦屋の自然や歴史に関する文化財・考古資料の収集・保存・調査・研究を行い地域の文化振興に貢献してきました。これからも市民の皆様が気軽に立ち寄れる美術館を目指し、市民の皆様が美術に接する機会を提供します。また子どもたちが本物に接し、感動する手助けとなる美術館を目指します。
<芦屋の美術>
具体美術協会(1954-1972)
1954年、吉原治良を中心に芦屋で結成された前衛美術グループ。メンバーは嶋本昭三、白髪一雄、村上三郎、金山明、元永定正、田中敦子など。「ひとの真似をするな、今までに無いものをつくれ」という吉原の思想のもと、野外などで次々と従来の表現を超えた作品を発表しました。その活動は、フランスの批評家ミシェル・タピエによって海外に紹介され評価されました。1972年、吉原の死による解散後も国内外で展覧会が企画されるなど戦後日本美術を代表するグループとなっています。
京都造形芸術大学 ギャルリ・オーブ
Galerie Aube / ギャルリ・オーブ
ギャルリ・オーブ開設の経緯とコンセプト
ギャルリ・オーブは、2005年に、本学学内の教員、大学院生、また国内外のすぐれたアーティストたちを選りすぐって長期・短期の展望のもとに旗色鮮明の作品を展示を行い、伝統を現代に活かす創作活動に挑戦するために開設された美術展示 ホールです。
“オーブ”とは、フランス語で「夜明け」「黎明」を意味し、 このギャルリの活動が21世紀世界の美術の新しい夜明けとなることを願って名付けられました。
ギャルリ・オーブで開催される展覧会は、生の豊かさとは何かを問い、美を感じる心を育てる契機となることを企画方針としています。
Gallery Nomart
Concept
五感を超えて、感覚が交差・拡散する地点。
ジャネット・カーディフ & ジョージ・ビュレス・ミラー
The Carnie 2010 写真撮影: 木奥惠三
ジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーは、高度な音響・メディア技術と独創的な造形を駆使して、「聞く」「見る」といった複合的な知覚経験を伴う独特な世界を創り出します。いったん、彼らの作品世界に足を踏み入れると、まるで魔法にかけられたかのように、見えないものが見え、聞こえない音が聞こえるかのように、一瞬で現実を飛び越えて彼らの物語に没入してしまいます。
本展では日本初公開作品となる8点のインスタレーションをご紹介します。一つひとつの展示室が独立した、ユニークな構造を持つ金沢21世紀美術館の空間を生かし、ひとつの展示室でひとつの作品を展示していますが、全体は作品ごとに違う物語が共鳴するように展開しています。つくり込まれた作品の細部に至るまで、見て聞く楽しみは尽きることがありません。知覚や価値観を揺さぶられながら、次々と現れる物語の世界をゆっくりとお楽しみください。世界的に高い評価を得ているジャネット・カーディフ&ジョージ・ビュレス・ミラーの作品世界を余すこと無く体験できる、絶好の機会となることでしょう。
若手芸術家支援企画1floor 2017 「合目的的不毛論」
澤田華「Gesture of Rally #1705」2017
神戸アートビレッジセンター(KAVC)では30歳未満の若手芸術家を支援する公募企画「1floor(ワン・フロア)」を2008年より開催しています。記念すべき10回目の今回は、大前春菜、菊池和晃、澤田華の3名が、当センターの1階に向かい合う「KAVCギャラリー」とコミュニティースペース「1room」を1つの空間と見なし、展覧会実施における様々な要素と対話しながら展示空間を創り上げます。
日本・デンマーク国交樹立150周年記念 デンマーク・デザイン
キビースィ 自転車〈PEK〉2015年 ビオミーガ デンマーク・デザイン博物館 Photo:Biomega
絵画の現在
津上みゆき《View, Tokyo Merry-go-round, Winter, 2017》 2017年 個人蔵
顔料、アクリル、リネン 227.3×181.8cm
courtesy of HASHIMOTO ART OFFICE photo: 長塚秀人
現代の絵画を積極的に紹介してきた当館の成果を継承し、未来へつなげる企画です。1990 年代から2000 年代の20 年間に制作の基礎を培った作家7 組の絵画への取り組みを解読し、彼らが制作を通して問うている、「絵画の現在形」を探ります。出品作家はみな地域との縁(出身、多摩地域の大学の卒業生、在住等)を持っています。美術大学やアトリエが多く集まるという多摩地域の特性や、その中に位置する府中市美術館の活動の特徴など、さまざまな形で「多摩発」の美術を提案していきます。
展覧会の見どころ
1 今日のわたしに、会いに行く
ニッポンの写実 そっくりの魔力
上田薫 「玉子にスプーンA」 1986(昭和61)年 豊橋市美術博物館蔵
何かにそっくりなものを目にしたとき、私たちは「すごい!これ、本物?」と、素朴なおどろきをおぼえます。目に見えるものをあるがままに再現したいという欲望は、私たちの心に深く根ざした、古くて新しい感情なのではないでしょうか。
初期の洋画家たちは、西洋美術の流入を刺激として、再現的描写技法の獲得につとめました。明治の外光派は、自らの感覚に忠実に現実の世界を再現しようとし、続く世代の画家たちは、求道的ともいえる厳しい態度で、対象の本質に迫ろうとする動きも出ました。絵画の表現としての「写実」へのアプローチは異なりますが、感覚に直接はたらきかけるような現実感を求めたという点で、いずれも、「そっくり」であることの魔力に魅入られた画家たちだといえるでしょう。