TOILET PAPER: COLLABORATION MAURIZIO CATTELAN / PIERPAOLO FERRARI

ARTLOGUE 編集部2017/11/14(火) - 12:30 に投稿
©️PERROTIN

 

現代アーティストのマウリツィオ・カテランと写真家のピエールパオロ・フェラーリは、ファッション写真のモチーフと固定観念を崩す大胆なハイパーリアル写真で知られている『トイレットペーパー』の仕掛け人だ。

遡ること約十年、フェラーリがカテランを撮影した際に二人は出逢った。すると魔法のように事が運び、2010年には実験的アート・マガジンである『トイレットペーパー』を共同発刊した。他に類を見ないこのマガジンは写真作品のみから成り、注意深く構成された写真は独特の時間と精神的空間を醸し出す。『トイレットペ ーパー』の写真の構図は一見風変わりで、どことなくレトロさを彷彿とさせる ― しかしこれは見る者を油断させ、被写体を認識させる前に作品に引き込む巧妙な手法だ。魅惑的、コミカル、驚異的 ―『 トイレットペーパー』の写真は間違いなく見る者の脳裏に焼き付くだろう。

《我々のインスピレーションは画像の再利用です。『トイレットペーパー』はメディアとクリエイティブなエコ・サステナビリティの最先端にあります。カオスな手法で生み出される、無秩序なビジュアルが、新しいアイデンティティを生み出すのです。》

 

『トイレットペーパー』の作品群は、言うまでもなくインターネットや雑誌における「ファウンド・イメージ」からインスピレーションを得ている。ファッション、広告、映画における固定観念を解体することが彼らのライトモティーフ(主導動機)なのだ。更に、消費財から食品、あらゆる種類の動物に至るまで、様々な物を折衷的に混ぜ合わせるスタイルは、マウリツィオ・カテランのアート作品に通ずる手法である。元来、彼らがアートのプラットフォームとして雑誌を選択した主な理由は、できる限り幅広いオーディエンスに自分たちの作品を広めることにあるという。

2012年、『トイレットペーパー』はニューヨークにあるハイライン・ビルボードにて展示。同年、1~6巻より厳選した写真に説明文を添えたアンソロジーを出版し、ニューヨーク・タイムズ紙のトップ10フォトブックにてレビューされた。2013年、パレ・ド・トーキョーのフロント・ウィンドウ、ならびにリベラシオンの特別号にて特集。同年、彼らの特徴である過飽和でシュールレアリスト的な才能を活かしてケンゾーの広告キャンペーンに取り組み、一挙に脚光を浴びることとなる。カテランとフェラーリのクリエイティブなアウトプットは雑誌と現代的な写真に留まらず、家具、衣類、アート・オブジェ、書籍に至るまで多岐に渡る。2016年には、フランスのバンドであるカシアスと共に “Ibifornia” のアルバム・ジャケット、そしてヒット作“Action”のビデオクリップを制作した。                          
ビデオクリップは『トイレットペーパー』の写真を動画化し、フィリップ・ズダールとユベール・ブームベースが“Ibifornia”島へとテレポートするシュールな物語となっている。

 

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TOILET PAPER: COLLABORATION MAURIZIO CATTELAN / PIERPAOLO FERRARI
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