ダニエル・アーシャム 「カラー・シャドウ」展
DANIEL ARSHAM 「COLOR SHADOWS」
ダニエル・アーシャムは2013年より、現代におけるあらゆる文化的オブジェ ―そのいずれも廃れる宿命にあるもの― を、滅びゆく“遺産” 化させてきました。アーシャムは作品シリーズ「Fictional Archeology」(フィクションとしての考古学)を発展させていく過程で、火山灰、黒曜石、炭粉、紅水晶など天然の物質からオブジェを制作するユニークな鋳造技術を用いた特徴的な彫刻スタイルを確立しました。
本展「カラー・シャドウ」(Color Shadows)では、地質物質、石膏、金属、アーシャム初となるブロンズを用いた鋳造作品が一堂に展示されます。アーシャムは常に一貫して幅広い実践をするとともに、作品と建築との関わりを重視しており、今回展示される作品の一端である子どもらしいぬいぐるみの形をした鋳造作品は、展示スペースでの作品同士の関係性に留意しながら戦略的に配置されます。さらに、ギャラリーの内壁を床から天井まで覆うことで腐食と劣化の様相をまとわせ、建物を含めた空間が一体となった雰囲気を創り出します。