再n邂逅する科学と美術の試み, 2018 東京-第1回 Kavli IPMU アーティスト・イン・レジデンスプログラム参加作家展

ARTLOGUE 編集部2018/03/12(月) - 06:15 に投稿

展覧会について (企画者より)

 

科学と美術が出会う時、それはいつも思いがけない巡り会いで、時に私達にとって大きな意味をもつものを生みます。例えば20 世紀初頭、パリで科学と美術が邂逅 (かいこう) したときには、ピカソ、デュシャンを筆頭に多様で活発な文化が生まれています。21 世紀初頭の今、日本にある基礎科学の研究所であるカブリ数物連携宇宙研究機構 (Kavli IPMU) にて、再び科学と美術の邂逅が試みられます。

役に立たない基礎科学と揶揄されることも多い数学と物理学ですが、諸科学の中の王と女王とも称されます。東京大学のカブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli IPMU)はその数学と物理学を含む、数学、物理、天文学の3 分野で宇宙の謎を解き明かすことを目指す研究所です。この研究所に1 か月間アーティストが滞在し、研究者が研究する同じ場所で研究者と交流をしながら制作をして過ごしました。絵画、メディア、彫刻、これらは美術の最も基本的な分類の仕方の1つですが、本展は、Kavli IPMU で滞在制作を行った画家、メディアアーティスト、彫刻家3名の作家による新作展覧会です。

猪熊弦一郎展 猫たち

ARTLOGUE 編集部2018/03/05(月) - 22:56 に投稿

 

愛しているものをよく絵にかくんです。

愛しているところに美があるからなんです。

“「歩く教室」写生会アルバム” 「少年朝日」1950年12月号

 

今まで色々と沢山描かれている猫は、

どうも自分には気に入らない。

それで猫の形と色を今までの人の

やらないやり方で描いてみたいと思った。

“美術の秋「赤い服と猫」” 「報知新聞」1949年10月4日

 

 

猫好き画家の素敵な暮らし

 

横湯久美展 時間 家の中で 家の外で

ARTLOGUE 編集部2018/03/05(月) - 03:48 に投稿
爆弾か 黒雪ダルマ 雪ダルマ/Snowman, Dark Snowman, It's Like aBomb. 2016

 

横湯久美は、死者の声は本当にもう聴けないのか、生き残った者は死者や過去とどのようにつき合うのかを写真とテキストで探ってきたアーティストです。

本展では、第一次世界大戦の年に生まれ、第二次世界大戦を弾圧のもとで生き残った祖母による話を、怖さ残酷さのある20世紀の民話的「戦争と美術」としてたどります。

また、100年前にヨーロッパで始まった第一次世界大戦について、ポケットのホチキスを手掛かりにさぐり、見えているようで見えてこない「時の行方」を見つめていきます。

 

蓮沼執太: ~ ing

ARTLOGUE 編集部2018/03/03(土) - 03:15 に投稿
「Walking Score in Red Hook, Brooklyn, New York」2018
 シングルチャンネルビデオ、サウンド、マイクなど(スチール)

 

蓮沼執太は、音楽作品の制作やプロデュース、映画、演劇、ダンスなど他ジャンルとのコラボレーション、音楽的出自が異なるミュージシャンたちを集めコンサートを行う蓮沼フィル、音や音楽の視覚的表現、「作曲」(composition)の手法を応用した展覧会やプロジェクトを行うなど、多彩な音楽活動を展開し、高い評価を得ています。

今月23 日からは、蓮沼のアメリカでの初個展となる展覧会『Compositions』をニューヨーク・ブルックリンにある総合アートスペースPioneer Works で開催し、現地で滞在制作した新作を中心に発表しています。蓮沼にとって展覧会は、空間の中で聴覚と視覚の接点を見つけていく行為だといいます。フィールドワークで収集した環境音や自ら作った音を素材として実験的に音楽を創ったり、指揮者と演奏者、パフォーマー同士、演奏者と観客というように他者と流動的に関わりながら協働で音楽を創るといった独自の作曲方法を用いて、展覧会では音楽を視覚的に表現することを試みます。

ポーランド現代作家6人展 / NAPRZECIW - まえ -

ARTLOGUE 編集部2018/03/03(土) - 02:56 に投稿
展示内容/ポーランドの現代作家6人が、日本の書物が西洋の書物とは逆側からページをめくることからヒントを得て「Reversed Seeing - 逆さまに見ること」をテーマとした平面・立体作品を展示

 

日本とポーランドの国交樹立100周年を前に、この度 伊勢現代美術館では、ポーランドの現代作家6人による展覧会「NAPRZECIW -まえ -」を開催いたします。

本展に出展する6人の作家は、ミコライ・ポリンスキーの運営するNaprzeciwギャラリーから選出されました。このギャラリーは、これまでに8名の日本人現代作家を招待し、作品を発表。ポーランドの人々、作家たちは、日本人作家達の作品に触れ、そこから日本の芸術文化や習慣などへの興味を深めました。

本展の開催においては、日本の人々に日本の起源とも深く関わる伊勢の地にて、ポーランド人作家達の作品に触れて頂き、ポーランドの現代美術、文化などへの興味を深めて頂く事を期待しております。

 

剣山利人 展

ARTLOGUE 編集部2018/03/03(土) - 02:55 に投稿

剣山利人 Toshihito Kenzan

- 展覧会・受賞歴 -

1997  第53回 現展 新人奨励賞
2005  第61回 現展名古屋展 東海テレビ賞
2006  第62回 現展名古屋展 愛知県知事賞
2006  中部現展 中部現展賞
2007  第63回 現展 現展賞
2010  第66回 現展名古屋展 中日新聞社賞
2013  第63回 三重県展 中日新聞社賞
2015  中部 現展 名古屋市市長賞
2018  個展(伊勢現代美術館 / 三重)
現在  現代美術家協会(現展)会員

 

サラ ムーン写真展 「D’un jour à l’autre 巡りゆく日々」

ARTLOGUE 編集部2018/03/03(土) - 02:05 に投稿
La main gelée, 2000 © Sarah Moon

 

シャネル・ネクサス・ホールは、2018年度の展覧会第二弾として、フランスを代表する女性写真家、サラ ムーンの個展「D’un jour à l’autre 巡りゆく日々」を開催いたします。

現代において最も注目される写真家の一人であり、また映像作家としても高く評価されるサラ ムーンは、30年以上にわたり世界の第一線で活躍し、独自の幻想的かつ深淵なイメージを創出してきました。そのサラ ムーン自身が構成を手がける本展覧会は、日本初公開作を中心に、新作も含めた約100点が出展される予定です。また、タイトルが示す通り “時の流れ”が重要なテーマとなっていますが、これはサラ ムーンが作家人生を通じて追究してきた主要な関心ごとの一つでもあります。優雅なたたずまいのモデルやファッション、鳥や象などの動物たち、自然の風景等々を写しながら、時の儚さを示唆し、追憶やノスタルジーを観る者の心に喚起させる独自の作品世界は、まさにサラ ムーンのみが表現しえるものです。

香月泰男 画家の食卓

ARTLOGUE 編集部2018/03/03(土) - 01:58 に投稿
《黒い机の上の鰊》 1952

 

食材を描いた作品を数多く残した香月は、一時期“厨房の画家” の異名をとりました。本展では、1950年代以降に描かれた食材を中心に紹介します。

食材のある風景や、魚、肉、野菜、果物といった食材そのものの絵からは、香月家の台所事情が垣間見えるようです。一方で「主人が青いトマトが描きたいといえば植えました」という婦人の言葉からは、自らの意思で描きたい対象を選んでいたことが伺えます。

食材を描き続けた時期は、シベリヤ抑留から復員した後の1950年代に集中しています。これは、抑留時に餓えをしのぐため、野草などを探して食べる「生きるための食」の経験の発露とも考えられるでしょう。

香月の描いた食材たちをご堪能ください。