清春芸術村にある安藤忠雄設計の「光の美術館」と共鳴する、脇田玲「PHOTONS」 展
山梨県北杜市に所在する文化複合施設「清春(きよはる)芸術村」をご存じでしょうか? 1977年、東京・銀座にて吉井画廊を営んでいた吉井長三氏が、小林秀雄氏、今日出海(こん ひでみ)氏、白州正子氏、谷口吉郎氏、正田英三郎氏、東山魁夷夫妻らと、桜の季節に清春の地を訪れたことがきっかけとなり始まった「清春芸術村」。広大な敷地内に、シンボル的存在「ラ・リューシュ」をはじめ、建築家 谷口吉生氏の設計によって開館した「清春白樺美術館」、建築史家 藤森照信氏設計の「茶室 徹」、杉本博司氏と榊田倫之氏の新素材研究所によるゲストハウス「和心」など、数々の名建築が一堂に集うアートスポットです。この芸術村が位置するのは、廃校になった旧清春小学校の跡地。1925年に校舎落成の記念として植えられた桜の老木が敷地を囲み、春には桜の名所としても知られています。
清春芸術村には、2011年、安藤忠雄氏の設計により創設された、自然光のみの美術館「光の美術館」もあります。一切の人口照明がない展示室では、四季や天気、そして昇りまた沈む陽の動きによって、刻一刻と変化する光の中に身を置くこととなります。無機質なコンクリートの空間に差し込む光の美しさを最大限に使った、まさに安藤氏ならではの建築と言えるでしょう。
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