SCAI THE BATHHOUSE は、最先鋭の日本のアーティストを世界に向けて発信すると同時に、日本ではまだ知られていない海外の優れた作家を積極的に紹介する現代美術ギャラリーです。これまで、日本の現代美術創世記を先導した李禹煥や横尾忠則、80年代後期から90年代にかけて国際的な展覧会への出品を通し、日本への国際的な注目を喚起した遠藤利克、宮島達男、森万里子などが大規模な展覧会を開催してきました。海外の作家ではアニッシュ・カプーアなどが挙げられ、SCAI THE BATHHOUSEとの関わりによって日本の伝統文化や工芸にインスパイアされた新しい価値をもつ作品が生まれています。
<戦後美術>は美術史の重要なカテゴリーとされていますが、その時代背景を実感しているジェネレーションは少なくなりました。当時、焼け野原となった 街はヤミ市の掘建小屋が乱立し、誰もが空腹を抱えて彷徨っていたのです。しかし、長い抑圧から解放された精神は一気に解き放たれました。常に死と対峙させられていた生命は一気に高揚し、それはまるで堰を切った河のように激しい流れとなりました。<戦後美術>とはそのような時代背景の元に生まれたカテゴリーです。故に人間の真摯な生の証としての art ととして特筆されるのでしょう。