中之島

クリエイティブ・アイランド ─創造的都市の本質とは何か─

ARTLOGUE 編集部2018/11/09(金) - 16:57 に投稿

パリのシテ島やベルリンのムゼウムス・インゼルなど、世界の都市の島と類する文化・経済拠点の集積地である大阪・中之島。

その一端を担うアートエリアB1開館10周年を機にスタートした、新たなプロジェクト「クリエイティブ・アイランド・ラボ 中之島」では、中之島エリア全体を、持続可能な芸術文化環境をそなえた「創造的な研究所」として見立て、様々な思考実験を繰り広げます。

このプロジェクトのシンボルイベントとして、創造的な都市と芸術との関係を主題に、その思考と実践について語り合うシンポジウムを開催します。
第1部では、2020年に香港の西九文化区に開館を予定している、世界最大規模の現代美術館「M+」の副館長兼チーフ・キュレーターであるドリュン・チョン氏をお招きし、芸術を通じた都市の創造性について基調講演を行います。

第2部では、中之島で先鋭的な文化事業を行ってきた大学、企業、NPOの代表者、中之島に誕生する新たな美術館のキュレーター、世界各地で都市を舞台にアートプロジェクトを行ってきた美術家、文化政策研究者が集います。

香港と大阪・中之島の「水辺の都市」という共通点も踏まえながら、大阪・中之島で創造的な地域を形成する可能性について、対話を繰り広げます。

企画展「オブジェクト・ポートレイト Object Portraits by Eric Zetterquist」

ARTLOGUE 編集部2018/10/07(日) - 21:19 に投稿

大阪市立東洋陶磁美術館では、2018年12月8日(土)から2019年2月11日(月・祝)まで、企画展「オブジェクト・ポートレイト Object Portraits by Eric Zetterquist」を開催します。

本展では、ニューヨークを拠点とするアーティストのエリック・ゼッタクイストによる写真作品34点を、被写体となった当館所蔵の陶磁器作品とともにご紹介します。

エリック・ゼッタクイスト(1962-)は、1992年までの10年間、現代美術家の杉本博司(1948-)のもとで働きながら現代的な写真表現と東洋の古美術を学び、現在はニューヨークを拠点に活動しています。「古陶磁の肖像」とも言える「オブジェクト・ポートレイト」は、古陶磁の細部を高度に抽象化したシリーズです。ゼッタクイストはこのシリーズについて「東洋と西洋、そして古代と現代の出会い」だとして、ミニマリズムの作品や、宋磁からの影響を挙げています。彼の写真は、宋時代の山水画を意識したものもあれば、アレクサンダー・コールダー(1898-1976)に代表されるモダニズムの構成を思わせる作品も見られます。

2018年【大阪】大阪市立東洋陶磁美術館 周辺ランチ・グルメおすすめ10選!:腹が減ってはアートは見れぬ

ARTLOGUE 編集部2018/07/30(月) - 06:30 に投稿
人気グルメレビュアーが大阪市立東洋陶磁美術館周辺の本当に美味しいお店、メニューを厳選チョイス。大阪市立東洋陶磁美術館でアートを鑑賞したあと、美味しいグルメ・ランチを堪能し、疲れた頭をリフレッシュ。アートとグルメで心と体に潤いを。

特別展「高麗青磁―ヒスイのきらめき」

ARTLOGUE 編集部2018/07/05(木) - 15:13 に投稿

本展では、東洋陶磁美術館が所蔵する高麗青磁を中心に国内所蔵の代表作も加えた約250件の作品により、高麗青磁の新たな魅力をご紹介します。

高麗青磁は高麗王朝(918-1392)の滅亡とともに姿を消し、人々にも忘れさられた、いわば「幻のやきもの」でした。高麗王朝の滅亡から約500年の時を経た19世紀末から20世紀初頭にかけて、高麗の王陵をはじめとする墳墓や遺跡などが掘り起こされ、高麗青磁は再び世に現れました。翡翠(ヒスイ)のきらめきにも似た美しい釉色(ゆうしょく)の高麗青磁は、瞬く間に当時の人々を魅了し、その再現品もつくられるなど、一躍脚光を浴びました。

高麗王朝では仏教が国教となりましたが、同時に道教も盛んでした。一方、中国から喫茶や飲酒文化が伝えられ王室や貴族、寺院で大いに流行します。こうして祈りの場や儀礼、喫茶具や飲酒具などに用いられるものとして高麗青磁が誕生し、独自の発展を遂げました。唐、五代の越窯青磁や北宋の汝窯青磁に類するとされる透明感ある艶やかな「翡色(ひしょく)」の釉色、そしてとりわけ精緻な象嵌技法を特徴とする高麗青磁の美しさは、中国においても高い評価を受け、「天下第一」とも称されました。こうした高麗青磁には人々の祈りや思いが込められ、高麗王朝の文化の精髄が見事に具現化されています。

プーシキン美術館展──旅するフランス風景画

ARTLOGUE 編集部2018/06/14(木) - 13:45 に投稿

2005年 マティス《金魚》、2013年 ルノワール《ジャンヌ・サマリーの肖像》、

そして、2018年 春、モネ《草上の昼食》。

 

モスクワのプーシキン美術館は、珠玉のフランス絵画コレクションで知られます。なかでも、19世紀後半から20世紀初頭にかけて収集された近代絵画は、世界的に見ても極めて質の高い名品が揃っています。2005年、2013年に開催された大規模な「プーシキン美術館展」に続く本展では、17世紀から20 世紀の風景画65点が来日します。神話の物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れをご紹介します。様々な情景を舞台にした風景画は、その土地のにおいや太陽の煌めき、風にそよぐ木々や街のさざめきをも感じさせてくれます。

初来日となるモネの《草上の昼食》では、同時代の人物たちとみずみずしい自然の風景が見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネの魅力溢れる作品です。ほかにもロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が集います。新緑がまぶしい季節、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」をどうぞお楽しみください。