顧 剣亨「Inbetweening」:sanwacompany Art Award / Art in The House 2019 グランプリ作品展
(タイトルはinbetweening、本来の意味は、動画のコマとコマの間をつなぐ役割を果たすイリュージョンのようなものを示す単語である。)私は、「眼」に限定された視覚だけではなく、実際的な行動とそれに伴う身体性を含む時間的な幅の厚みによって、空間を認識している。自分の足を使って山頂から眺める都市の風景と、高層ビルから見える都市の風景は、私にとって完全に違う存在である。
高層ビルの上に立つ時、果たして展望台から都市を俯瞰しているのか、もしくはハイパーリアルなモニターを眺めているのか、私には区別が出来ない。展望台に上る際、私たちはブラックボックスのようなハイスピードなエレベーターにほぼ受動的な身体として運ばれ、展望台へ到達する。これによって身体経験の断絶が生み出され、展望台から見える風景に対するリアリティーが失われていく。