「Where culture meets nature~日本文化を育んだ自然~」<br>企画展「仏教と自然」
2019年ICOM京都大会や2020年オリンピック・パラリンピックの開催が機会となり、我が国の伝統文化や歴史的建造物(レガシー)の活用への期待が高まっています。この企画では、国内各地の自然史博物館が協力し、歴史的建造物がもつ空間の趣と自然史標本のもつ美しさを融合させて、日本の自然と文化の関わりを伝える展示会を京都市下京区の龍岸寺にて開催します。
これまでのシリーズでは、町家や酒蔵で展開してきましたが、今年は寺院を舞台に仏教と自然との関わりをテーマとしました。仏教の教えは、生物や自然界の仕組みとも密接な関わりがあり、仏教の自然観は自然科学の原理と合符するところも多く、人類が自然と共生して暮らしていく上でも大切な視点をもたらしてくれます。寺は長らく地域コミュニティの核の一つであり、町人の子弟に読み書きそろばんを教える学校の役割もはたしていました。会場となる龍岸寺は、日本の天文学の開祖である渋川春海ゆかりの地でもあり、自然科学とも深く関わっています。展示会では、仏教とゆかりのある動植物や祭礼で利用される自然由来のもの、建物やお墓で利用されてきた岩石、動植物の進化の歴史、日本最古の天球儀のプロジェクションマッピング、を展示します。