没後20年 特別展 星野道夫の旅

ARTLOGUE 編集部2018/08/06(月) - 11:31 に投稿

1978年にアラスカに移り住み、20年近くにわたり極北紀行を重ねた星野道夫(1952-1996)。大自然が見せる多様な姿をカメラで追い続けると同時に、言葉により思索を深めた星野が残した仕事は、今日まで多くの人々を魅了し、変遷する自然と文明の関係を問いかけ、現代に生きるとは何かを改めて考えさせます。

本展では、ありのままの自然の姿が写し取られた「マスターピース」から、過酷な環境下で脈々と続く「生命のつながり」、極北に暮らす人々の精神性が見出された「神話の世界」まで、星野の写真と言葉による物語の世界が展示空間に立ち現れます。加えて、現地の取材で使用されたカメラやカヤック、貴重な記録映像や自筆原稿などの資料を展示し、星野が伝えたかった極北の世界へとみなさまを誘います。

目に見えるものに価値を置く社会と、見えないものに価値を置くことができる社会の違いをぼくは思った。そしてたまらなく後者の思想に魅かれるのだった。夜の闇の中で、姿の見えぬ生命の気配が、より根源的であるように。
『森と氷河と鯨』(世界文化社)より

Waldmärchen(森の伝説)フロリアン クラール

ARTLOGUE 編集部2018/08/04(土) - 16:21 に投稿

このたび「入善町 下山芸術の森 発電所美術館」(以下、発電所美術館)では、音楽や映画、科学、建築に基づいた作品を制作するドイツ出身の現代美術作家フロリアン クラールの個展を開催いたします。

複雑な構造の形態をダイレクトに表した彫刻や映像作品を得意とし、アジアを中心に国内外の公共空間に数多くの作品を設置する人気作家の彼が、発電所の面影と歴史を感じさせる発電所美術館で新作を発表します。

今回フロリアンは、例えば、12世紀、19世紀、現代という時間的な隔たり、日本とヨーロッパといった空間的な隔たり、虚構と現実、さらには作家個人の経験を、音楽や映像によって一つにまとめ上げます。断片的に配置された物体と編集された映像は、その時代や場所といった固有の要素や特徴を持つ一方、普遍的な意味や共通項を含み、観る者は無意識のうちに物語を紡ぎ出すことでしょう。

現地制作された巨大な構造物と至る所に設置された断片的な作品が、音響や照明などの舞台装置や映像、音楽によって融合する壮大なインスタレーション作品は、その作品の中に観客が入り込み体感できる場でもあります。目だけでなく五感で感じることができる作品をぜひご覧ください。

イラストレーター 安西水丸

ARTLOGUE 編集部2018/08/04(土) - 16:20 に投稿

安西水丸は、1970年代より小説、漫画、絵本、エッセイや広告など多方面で活躍したイラストレーターです。はじめ広告代理店や出版社に勤め、デザイン等の仕事をしながら、嵐山光三郎の勧めで『ガロ』に漫画を掲載、南房総での幼少期を題材とした『青の時代』が高い評価を受けます。独立後は、村上春樹をはじめとする本の装幀や、『がたん ごとん がたん ごとん』などの絵本、和田誠との展覧会、広告や執筆活動など幅広く活躍しました。「その人にしか描けない絵」を追求し、身近なものを独自の感性で表現した作品は、私たちをユーモアと哀愁あふれる世界へと誘います。本展では、「小さい頃よりずっと絵を描くことが好きだった」という安西の幼少期から晩年に至るまでの足跡を、原画と資料あわせて700点以上によりご紹介します。

起点としての80年代

ARTLOGUE 編集部2018/08/04(土) - 16:19 に投稿

1970 年代のコンセプチュアルでストイックな表現に対する反動から、80 年代の日本では絵画や彫刻の復権が唱えられ、好調な経済状況を背景として、色彩豊かで伸び伸びとした筆遣いの「ニュー・ペインティング」などが広まりました。

しかし、90 年以降の美術は、むしろ「おたく」など80 年代のサブカルチャーに影響を受けた表現が主流となります。そのため、それ以降、80 年代の美術は参照されることが少なくなってしまいました。近年、「具体」や「もの派」など1970 年代までの戦後日本美術に関する研究が国内外で急速に進んでいます。今こそ、70 年代と90 年代のはざまにある80 年代の日本美術について深く見つめる時期に来ていると言えます。約30 年を経た今日から振り返ると、80 年代は、今日の美術において重要なインスタレーションという形式、作品制作への参加や社会との関係への意識、オルタナティブ・スペース、 メディア・アート、「美術」という制度を相対化する視点、日常性や軽やかさを大切にする感性などが新たに生まれた、充実した時代であったことがわかります。本展では今日の視点から80 年代の日本の美術を見詰め直し、「起点」となる作品を紹介します。
 

 

同世代作家によるジョイント展 海老原 政秋油絵展・米倉 秀一絵画展・竹 道久作品展

ARTLOGUE 編集部2018/08/04(土) - 02:30 に投稿
長島美術館の貸会場で、鹿児島出身の作家、 海老原 政秋氏・米倉 秀一氏・竹 道久氏の3作家によるジョイント展を開催します。 未発表作品や新作もあり、期間中は、作家の方もいらっしゃいます。 それぞれが思い描き、創り上げた個性豊かな作品約60点を、桜島を一望する美術館の景色とともにお楽しみください。

モダンアート展 MODERN AND CONTEMPORARY ART 現当代藝術展

ARTLOGUE 編集部2018/08/04(土) - 02:30 に投稿
「今は科学と機械の時代、抽象芸術こそ、この時代の芸術表現である。」西洋芸術史学家は、抽象芸術について工業文明独自の時代精神を十分に表現していると語った。  このたび蝸廬美術館は、抽象表現絵画を中心に、近現代を代表する名作家の作品を展示します。 【出品作家】 トゥールーズ=ロートレック / ジャクソン・ポロック / ポー