春の江戸絵画まつり<br>へそまがり日本美術 禅画からヘタウマまで
人は、見事な美しさや完璧な美しさに、大きな感動を覚えます。しかしその一方で、きれいとは言いがたいもの、不格好で不完全なものに心惹かれることもあるでしょう。「へそまがりの心の働き」とでも言ったらよいでしょうか。
例えば、禅画に描かれた寒山拾得の二人は、不可解さで見る者を引きつけます。また、江戸時代の文人画ぶんじんがには、思わず「ヘタウマ?」と言いたくなるような作品があります。文人画ぶんじんがの世界では、あえて朴訥に描くことで、汚れのない無垢な心を表現できると考えられていたのです。
あるいは、徳川家光が描いた《兎図》はどうでしょうか。将軍や殿様が描いた絵には、ときおり見た人が「???」となるような、何と言い表せばよいか困ってしまうような「立派な」作品があります。描き手が超越した存在であることと、関係があるのかもしれません。更に近代にも、子供が描いた絵を手本にして「素朴」にのめり込む画家たちがいました。
この展覧会では、 中世の禅画から現代のヘタウマまで、 日本の美術史に点在する「へそまがりの心の働き」の成果をご覧いただきます。へそまがりの感性が生んだ、輝かしくも悩ましい作品の数々を眺めれば、日本美術のもう一つの何かが見えてくるかもしれません。
三重県総合博物館(MieMu)
開館時間
午前9時~午後7時
※展示室については下記の通り
[火~金]午前9時~午後5時
[土、日、祝]午前9時~午後7時
料金
【基本展示室】
一般510(400)円
学生(大学、各種専門学校等)300(240)円
高校生以下無料
※()内は20名以上の団体料金
企画展については展覧会毎に定める
休館日
月曜日(祝日の場合翌日)、年末年始、その他別途定める日
アクセス
津駅(近鉄名古屋線、JR紀勢本線、伊勢鉄道)西口下車
・バス 約5分
総合文化センター行き 「総合文化センター」下車すぐ
夢が丘団地行き 「総合文化センター前」下車すぐ
・徒歩 約25分
お車でお越しの場合
伊勢自動車道「芸濃IC」から約15分
伊勢自動車道「津IC」から約10分
佐野美術館
施設情報
昭和41年開館、日本美術を主に展示する美術館。刀剣・絵画・工芸・絵本原画など多彩なテーマの展覧会を、年に7回程度開催している。収蔵品は、東洋の工芸品を中心に系統立てて収集ており、中でも日本刀は名品が多く、常設展示室で一部を公開。 開館中は、隣接する庭園を散策することができる。富士の湧水を取り入れた回遊式日本庭園で、四季折々の趣を楽しむことができる。
コレクション情報
佐野美術館は、創立者・佐野隆一のコレクションを軸とし、その後購入、寄贈を受けたものを含め約2500件の美術品を収蔵している。
トム・サックス ティーセレモニー
ニューヨーク在住のトム・サックス(1966-)は、プラダのロゴで作られた便器、エルメスの包装紙によるマクドナルドのバリューセットなど、「手作り(ハンドメイド)の既製品(レディメイド)」とも評される奇抜な作品を制作し、世界各地で数多くの展覧会に参加。世界のスーパーブランドからも高く評価されています。
本展は、独自のまなざしで日本の文化に深いリスペクトを向けるトム・サックスがティーセレモニー(茶会、茶道)に本格的に取り組む展覧会です。外国人の彼の目に真新しく映る、楽しい日本の姿は、私たち日本人が見落としてきた価値観や世界観にあらためて気づかせてくれる貴重な機会となるでしょう。
戸栗美術館
館のご紹介
財団法人戸栗美術館は、当館創設者・戸栗亨が蒐集した陶磁器を中心とする美術品を永久的に保存し、広く公開することを目的として、1987年に鍋島家屋敷跡にあたる渋谷区松濤に開館いたしました。コレクションは伊万里・鍋島などの肥前磁器および中国・朝鮮などの東洋陶磁器が主体となっており、日本でも数少ない陶磁器専門の美術館として活動しています。
※館内整備のため2016年12月24日(土)~2017年3月31日(金)まで休館いたします。
開館時間
10:00~17:00(入館16:30迄)
料金
一般1000円(800円)、高大生700円(500円)、小中生400円(200円)
休館日
月曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)、展示替期間中、年末年始
和歌山県立近代美術館
施設情報
和歌山城を間近に望む緑豊かなエリアに立地。 黒川紀章による建築はモダンな雰囲気の中に日本的な美しさを感じさせます。広々とした敷地には熊野古道をイメージした散策路がめぐらされ、館を訪れる人々がゆったりとくつろぎ、楽しんでもらえるような場となっています。眺めの良いカフェでくつろいだり、ミュージアムショップでは当館オリジナルの田中恭吉グッズなど、お土産選びも楽しめます。
コレクション情報
川口軌外、田中恭吉、浜口陽三ら郷土作家コレクション、佐伯祐三コレクション、イサム・ノグチ、フランク・ステラ、マーク・ロスコら現代美術コレクションなど一万点以上を収蔵。
小林美術館
館のご紹介
万葉の時代から「高師の浜」と呼ばれ、今も美しい松林の残る浜寺公園の隣に、2016年6月にオープンした私立美術館。
横山大観、竹内栖鳳、上村松園など文化勲章を受章した日本画家(39名)の作品を含め、近代日本画を中心に約250点を所蔵。テーマを設けた特別展や季節に合わせた常設展を開催しています。
開館時間
10:00~17:00(入館受付は16:30まで)
料金
大人:800円、高校・大学生:500円、小学・中学生:250円
※10名以上の団体は2割引
休館日
月曜日(但し祝休日の場合は開館し、翌日休館)、年末年始
アクセス
南海本線「羽衣」駅、JR「東羽衣」駅から北西へ徒歩約4分。
駐車場完備
夢見る力~空想大劇場
絹谷幸二 天空美術館では開館2周年を記念し、特別展示「夢見る力~空想大劇場」を開催いたします。
本展では、今回新たに制作された3D映像「平治の乱」を、これまでの「夢無辺」と併せて上映し、「静」と「動」が織りなす百花繚乱の夢舞台へ皆様を誘います。
また、東京・青山の「こどもの城」のエントランスを飾っていたアフレスコ(壁画古典技法)の傑作「アラベスク」全20面を最新展示し、空想力満載の絹谷ワールドをご体感いただきます。
「人類を元気に!」を掲げ、世界に向かって大きな躍進を目指す絹谷幸二 天空美術館が誇る映像・絵画・立体の数々。華麗なる色彩と豊饒なるイメージによる夢の大劇場を心行くまでお楽しみください。
日本女性と着物
古今東西、女性は絵画の主要なテーマとして描かれてきました。絵画には、季節やその時代の流行など様々な情報が盛り込まれています。特に着物は、季節や目的に合わせて格式や文様が異なり、日本文化の一つの表れと言えるでしょう。
本展では当館所蔵の作品の中から、明治から昭和期にかけて描かれた珠玉の美人画を紹介します。
美人画の三巨匠と称された上村松園、鏑木清方、伊東深水らをはじめ、多くの画家たちが追い求めた女性美に迫ります。また、日本の暮らしのなかで輝く女性の姿も紹介します。
華麗な着物姿から日常の働く姿まで、様々な女性像をとおし、おしゃれの感覚を味わうとともに、日本の美を見つめるきっかけになれば幸いです。