大岩オスカール 光をめざす旅

ARTLOGUE 編集部2019/03/06(水) - 02:34 に投稿
大岩オスカールは、光あふれる鮮やかな色彩とダイナミックな空間構成によって、ときに批評やユーモアを交えながら現代社会を生き生きと描き出してきました。1965年にブラジルのサンパウロで日本人の両親のもとに生まれ、東京、ニューヨークと移動しながら制作を続ける大岩の作品には、一人の生活者としての視点と、どこか客観的な俯瞰の視点が共存しています。 自ら暮らす都市や社会、環境問題をテーマに、写真や印刷物、インターネット上のイメージを自在に組み合わせることで、現実と虚構、人工物と自然、光と影の間で揺らめく独特の世界観を生み出しているのです。本展覧会では、近作を中心とした60点余りの作品と、金沢21世紀美術館の27メートルの壁面に制作されるドローイングを通して、大岩のヴィジョンに迫ります。 また、ゲストアーティストとして作曲家のチャド・キャノンを招き、画家の作品からインスピレーションを得て生み出された壮大な交響曲と絵画の融合を試みます。大岩が世界を旅しながら絵画の中に追い求めてきた「光」は、今を生きることの複雑さの先にある希望を思い起こさせてくれるでしょう。

大哺乳類展2 ― みんなの生き残り作戦

ARTLOGUE 編集部2019/03/06(水) - 02:31 に投稿
大好評を博した特別展「大哺乳類展 陸のなかまたち/海のなかまたち」から9年、哺乳類たちが上野に帰ってきます。同展覧会では、陸と海の哺乳類のロコモーション能力を、標本や最新の研究に基づいた映像で説明するほか、彼らがこれほどまでにロコモーション能力を特化させた理由となる「食べる」、「産む・育てる」という生き残り戦略も紹介します。さらに会場には、国立科学博物館が誇る陸と海の哺乳類の実物標本150点以上が一堂に会する圧巻の“哺乳類大行進”も登場します。

与謝野晶子の満蒙旅行

ARTLOGUE 編集部2019/03/05(火) - 02:35 に投稿
2018年は、晶子と夫の寛が旧満州と内蒙古(中国)へ旅行にでかけて90年となります。本展では、与謝野夫妻が南満州鉄道株式会社社員の古澤幸吉に宛てた書簡をはじめ、与謝野夫妻自筆の歌掛軸や短冊などの初公開資料をお借りして展示いたします。 講演会 「与謝野寛・晶子の満蒙旅行」 日時:3月21日(木・祝)午後1時30分~午後3時 会場:さかい利晶の杜 講座室 講師:田口道昭氏(立命館大学教授、与謝野晶子倶楽部運営委員) 参加費:300円(展示観覧含む) 申込:要事前予約。さかい利晶の杜ホームページよりお申込みください。

2019年春季展 ある日の都路華香

ARTLOGUE 編集部2019/03/05(火) - 02:34 に投稿
都路華香は、明治から昭和初期にかけて活躍した日本画家です。円山派、四条派の流れを汲む幸野楳嶺の門人で、菊池芳文、谷口香嶠、竹内栖鳳とともに「楳嶺四天王」として知られます。 松花堂庭園内の泉坊書院(京都府登録文化財)には、華香の筆になる山水図襖絵(19面)があります。泉坊書院は、明治時代に現在の場所に移築されたもので、襖絵の制作時期もその頃と考えられます。華香の若かりし頃の代表的作品といえるものです。 この度の展覧会では、襖絵の一部を美術館にて初公開します。あわせて、華香作品の魅力をご紹介するべく、作品やスケッチなど約40点を展示いたします。 ※会期中、展示替えをおこないます 前期:3月21日(木・祝)~4月14日(日) 後期:4月16日(火)~5月12日(日)

言祝ぎの美

ARTLOGUE 編集部2019/03/05(火) - 02:34 に投稿
ことほぎとは、言葉で祝うことを意味します。言葉には現実をあやつる力があるという「言霊(ことだま)」思想が古来よりあり、そこから和歌や物語が生まれ、日本文化を彩ってきました。さらに言葉であらわされたモノが、絵画化、意匠化され、多くの美術工芸品として今に伝わっております。 また、よろこびを言葉にのせてたたえること、これは、私たちの人生の節目に欠かせないものです。新年を祝い、結婚を祝い、長寿を祝う。これらは、儀式となって様々な工芸品を生み出しました。 祈りもまた、ことほぎの聖性を象徴する行為です。神や仏にささげる祈りは、宗教芸術として結実し、寺社空間を荘厳してきました。 新たな天皇の御代をことほぐこの年、相国寺承天閣美術館では、皇室ゆかりの宝物をとりまぜ、相国寺、金閣、銀閣の名品で祝いの展示をいたします。

グセアルス展 パターン・シード

ARTLOGUE 編集部2019/03/05(火) - 02:34 に投稿
河川敷や海岸などに流れ着いた陶磁器のかけらを使って、新たな模様を創作する2人組のアーティスト「guse ars(グセアルス)」。当館の開館前には、プレイベントとして「washed pattern TAJIMI~欠片から生まれる未来の模様~」(2015年)を開催いたしました。 今回の特別展「パターン・シード」では、グセアルスが生み出す模様(パターン)と、それぞれの模様の種(シード)となった陶磁器片とを展示。さらに、コレクションの「笠原茶碗」や多治見市が所蔵する陶磁器片等を展示します。これは、タイル製造が始まる前の時代の多治見と、グセアルスの「未来の模様」をつなぐ試みです。「『シード』とは、それぞれの模様の子孫であり種であり、陶片そのもの」と述べるグセアルス。過去の陶片と現在・未来のタイルが行きかう不思議な時空間へお越しください。

戦国桃山の茶入

ARTLOGUE 編集部2019/03/05(火) - 02:33 に投稿
茶入とは、抹茶を入れる陶器製の壺で、中国からもたらされた唐物茶入と国内で生産された和物茶入があり、和物茶入は圧倒的に瀬戸・美濃窯で生産された瀬戸茶入で占められています。 最初の茶入は、13世紀末の窖窯期の小壺と考えられていますが、当初から茶入の用途をもつものとして造られたものであるかは不明です。窖窯期(14~15世紀代)の茶入は、丸壺・肩衝・擂座・大海の四種で、大窯期(15世紀末)になると、新しい器種として芋子・内海・文琳などがつくられるようになり、連房式登窯(17世紀以降)が導入されると大量生産の時代に入り、胴部に箆目や三角形に歪みをもたせた織部茶入がつくられるようになります。 本展覧会では、生産地の観点から考古学的な調査結果を基にして大窯期に入る戦国期から桃山期につくられた茶入の編年的変遷過程を紹介します。