写真

帰れない故郷、扉の向こう側

ARTLOGUE 編集部2019/04/02(火) - 02:31 に投稿
朱明徳(Joo Myung Duck)は韓国のドキュメンタリー写真の第一人者である写真家です。1940年に黄海道安岳郡(現北朝鮮)に生まれ、慶熙大学校史学科卒業後、23歳の頃からアマチュアカメラマンとして写真を撮りはじめました。朱は、1966年に朝鮮戦争中に滞在した米軍兵士との混血孤児などが生活する孤児院を撮影した作品の展覧会「ホルト孤児院展」にて、それまで芸術写真が席巻していた韓国写真界にドキュメンタリーの視点を持ち込み、注目を集めました。 本展では当館が所蔵する朱明徳作品-近代化の中で取り残されてゆく地方の寺院や古民家などの風景や、韓国では人間界と仏の世界を隔てる門と考えられている意匠扉を繊細に撮影した作品シリーズ-を紹介します。 日本と韓国は西洋を範とした近代化の中で、劇的な時代の変化を経験してきました。しかし、新たな展開を模索する現代は、単に西洋の模倣ではない独自のアイデンティティを問い直すことが必要とされています。韓国の風景と文化様式を捉えた朱明徳の作品には、私たち日本人にも故郷を思わせる懐かしさが息づいています。本展を通して東アジアの文化について考える機会となれば幸いです。

SICF20<br>第20回 Spiral Independent Creators Festival

ARTLOGUE 編集部2019/03/26(火) - 16:28 に投稿

スパイラルで、若手クリエイターの発掘・育成・支援を目的としたアートフェスティバル「SICF20」(第20回スパイラル・インディペンデント・クリエイターズ・フェスティバル)を2019年5月1日(水・祝)~5月6日(月・振替)が開催されます。

ブース出展部門「EXHIBITION」およびパフォーマンス部門「PLAY」の2部門から成るSICFでは、公募によって選出された、両部門合わせて170組もの気鋭の若手クリエイターが一堂に会し、立体・インスタレーション、メディアアート、写真、絵画、ファッション、プロダクトデザイン、パフォーマンスやそれら既存のジャンルに捕われない作品を発表し、活発なプレゼンテーションを展開します。

会期の最後には審査員により、優秀作品にグランプリ、準グランプリ、各審査員賞を、来場者の投票により、オーディエンス賞を授与します。グランプリ受賞者には顕彰として、スパイラルでの個展開催の機会が与えられます。

解放したいのはペニスじゃない。アートで「性」に対する意識の壁を揉みほぐし、拡張する鷹野隆大(たかのりゅうだい) | 表現の不自由時代 05

鈴木 大輔2019/03/22(金) - 19:29 に投稿

連載「表現の不自由時代」では、アーティストの活動や軌跡、「表現の自由」が侵された事例などをインタビュー形式でお伝えします。

本連載を通じて、「表現の自由」について考え、議論するきっかけが生まれ、より健全かつ自由な表現活動が出来る社会になることを期待しています。

掲載予定アーティスト
会田誠、岡本光博、鷹野隆大、Chim↑Pom 卯城竜太、藤井光、ろくでなし子、他

 

〈表現の不自由時代 バックナンバー〉

第一回 ルイ・ヴィトンや日清食品からの圧力のみならず、殺害予告、通報にも屈せず表現をつづけるアーティスト 岡本光博

第二回 なぜ女性器だけタブーなのか? 権力による規制に、アートの力で笑いながら疑問を投げかける ろくでなし子

第三回 エロや政治的表現で度々抗議を受けている会田誠。美術業界は自由?

岩合光昭写真展 ねこづくし

ARTLOGUE 編集部2019/03/21(木) - 02:34 に投稿
1950年に東京に生まれ、動物写真家の父・岩合徳光に同行したガラパゴス諸島で二十歳を迎えた岩合光昭は、その大自然を目の当たりにし、動物写真家を志します。1979年には『海からの手紙』で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞、世界的グラフ雑誌『ナショナルジオグラフィック』の表紙を二度飾るなど、その作品は国内外で高い評価を得ています。 こうした大自然に育まれる野生動物の姿を追う一方で、人々の暮らしの傍らで生きる猫へも眼差しを向け、岩合がとらえた猫たちの写真は多くの人々の心を惹きつけてきました。2012年にはNHKBSプレミアム「岩合光昭の世界ネコ歩き」が放送を開始、2019年2月には初映画監督作 品『ねことじいちゃん』が公開されるなど、その活動の幅を広げています。 本展では、「島の猫」、「やきものの里のネコ」シリーズを中心に、岩合が日本各地で撮影した猫たちの写真作品、200余点を紹介します。

やなぎみわ展 神話機械

ARTLOGUE 編集部2019/03/21(木) - 02:31 に投稿
1990年代から現在に至るまで、現代美術のみならず演劇界でも忘れられないシーンを投じてきた美術家やなぎみわ(1967~)。〈エレベーター・ガール〉で最初に注目を浴び、〈マイ・グランドマザーズ〉や〈フェアリー・テール〉といった一連の写真作品で世界的に評価を受け、2009年には第53回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表となり好評を博しました。 一方で、翌2010年には本格的に演劇プロジェクトを始めます。大正期の日本を舞台に、新興芸術運動の揺籃を描いた「1924」三部作(「Tokyo-Berlin」、「海戦」、「人間機械」)で話題を集め、特に2014年台湾で製造したステージ・トレーラーを母体に2016年から日本各地を巡礼する野外劇「日輪の翼」(原作:中上健次)は大きな感動を与えました。 その舞台作品と並行して、日本神話をモチーフに桃を撮影した新作シリーズを制作しており、今回一挙公開します。また10年ぶりの大規模な個展となる本展に向け、群馬工業高等専門学校をはじめ、京都、高松、福島の学生らと連携した「モバイル・シアター・プロジェクト」が立ち上がり、マシンによる神話世界も展覧会場に生み出されます。 美術と舞台の両極を往還することで生まれるやなぎ作品は、スペクタクル性とドキュメンタリー性が交錯し、虚実を幾重にも越境していくものです。待望された本展では、これまで以上にやなぎの汲み尽くせぬ創造の泉に迫ります。 野外劇「日輪の翼」が各地を巡回したように、本展覧会は、異化空間を漂流し、つなぎあい、また見送る者としてのやなぎが、作品と共に全国5会場を巡ります。アーツ前橋は、高松市美術館に続く開催となります。 ※5月17日(金)・18日(土)はパフォーマンス開催のため17:00に展覧会場のみ閉場 【会場】 アーツ前橋 地下ギャラリー

デジタル時代だからこそ、身体性を伴うアナログなデジタル写真を撮るアーティスト・顧 剣亨(コケンリョウ):「sanwacompany Art Award / Art in The House 2019」グランプリ受賞

ARTLOGUE 編集部2019/03/13(水) - 18:48 に投稿

現代アートの分野で活躍する新進気鋭のアーティストをサポートすると共に、より良い LIFE スタイル「アートのある暮らし」を提案する作品展示プランのコンペティション「sanwacompany Art Award / Art in The House 2019」。

レベルの高い作品展示プランに審査が難航する中、94組もの応募の中から、グランプリ、「サンワカンパニー社長特別賞」、ファイナリストに5組のアーティストが選出されました。彼らの応募プランのコンセプトやこれまでの活動、そしてこれからについてお話を伺います。


第一回目は《Inbetweening》グランプリを受賞した顧 剣亨(コ ケンリョウ)さんです。

※グランプリ受賞作品《Inbetweening》の展覧会を現在開催中です。展覧会詳細は以下よりご確認いただけます。
顧 剣亨「Inbetweening」:sanwacompany Art Award / Art in The House 2019 グランプリ作品展 

KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2019

ARTLOGUE 編集部2019/03/11(月) - 16:09 に投稿

第7回目の開催となる2019年、テーマは「VIBE」

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2019」では、国内外にて第一線で活躍するアーティストが、京都市内の趣きあふれる建造物で新作や撮りおろしを発表します。

また、国内外から写真・アート関係者が多く来京するこの時期にあわせ、サテライトイベントとして、市内各所のギャラリー、カフェ、教育施設など約 60 カ所が同時多発的に開催する写真展、「KG+(ケージープラス)」も開催。最優秀出展者に与えられる KG + AWARD は、若手写真家の登竜門となるべく海外からも注目される賞となりつつあり、次年度の KYOTOGRAPHIE への参加など、次代を担うアーティストへの継続的な支援が実施されています。

〈出品作家〉
イズマイル・バリー,ヴェロニカ・ゲンシツカ ,金氏徹平,顧 剣亨(「KG+ Award 2018」グランプリ)他
 

MINIATURE LIFE展 ~ 田中達也 見立ての世界 ~

ARTLOGUE 編集部2019/03/09(土) - 02:35 に投稿
ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也は、2017年NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」のタイトルバックも担当し、現在もっとも旬なアーティストとして活躍しています。 日常のものを題材にして見立てた写真作品を、2011年から一日も休むことなくインターネット上で発表しつづけ、そのフォロワー数は海外を含め190万人を超えています。思わずくすっと笑ってしまったり、さすが!となってしまう、楽しい作品世界をぜひ会場でお楽しみください。

センス・オブ・スケール展

ARTLOGUE 編集部2019/02/22(金) - 02:45 に投稿
私たちは科学の進化とメディアの発達によって、目に見えない最小の物質から遠く離れた宇宙の果てまで、あらゆるスケールの事象について情報を得られるようになりました。その一方で、実際の大きさを体感することはとても難しいことです。アーティストにとってもスケールは、作品のコンセプトや展示空間こ影響する現代的なテーマの一つです。本展では、現代美術を中心に、精密な縮小模型から巨大化したオブジェ、視点を対象から離すことで広範囲の世界をとらえた写真や絵画、異なる縮尺が存在するインスタレーションなどを取り上げます。

写真の起源 英国

ARTLOGUE 編集部2019/02/15(金) - 02:39 に投稿
日本における写真文化のセンター的役割を担う東京都写真美術館では、毎春、初期写真に焦点を当てる展示を行っており、2019年は「写真の起源 英国」展を開催します。 写真の発明に関する研究は18世紀末から始まり、1839年に最初の技術が発表されることで写真の文化が幕を開けます。英国ではヴィクトリア文化に根ざす貴族社会において、研究が発展し、広く文化として波及します。幕末~明治の日本人たちが憧れた英国の写真文化とその歴史の広がりをご自身の目でお確かめください。