和歌山県立近代美術館

なつやすみの美術館8 タイムトラベル

ARTLOGUE 編集部2018/07/05(木) - 15:48 に投稿

時間はどんどん過ぎていきます。この文章を読んでいる間にも、時間は過ぎていってしまって、二度と戻ってきません。あらゆるできごとが時間の中で起こり、時間とともに過ぎ去ります。過ぎ去った時間へ、そしてまだ来ない時間への旅にあこがれる人は多いでしょう。実際には時間の中を旅することは実現していません。けれども作品の中には、過ぎ去った時間がとどめられ、まだ体験していない時間が描かれています。作品を通して時間の旅に出ることができるのです。

作品の中には自分が生まれるずっと以前に作られたものもありますし、さらに昔のできごとを形にした作品もあります。作品そのものの中にも、作家の生涯や作られた時間など、いろいろな時間が重なっています。この展覧会ではいろいろな作品の中に、宇宙の時間、歴史の時間、自然の時間、人間の時間、時間そのもの、制作の時間、死後の時間、遺る時間、ちょっと先の時間を見つけていきます。

今年のなつやすみは、美術館で時間の中に飛びこんでみましょう。時間のあり方を探し、時間について考え、作品と時間との関係を読み解きながら、作品を見ていきましょう。

 

産業と美術のあいだで 印刷術が拓いた楽園

ARTLOGUE 編集部2018/04/30(月) - 15:07 に投稿
高井貞二《感情の遊離》1932年 油彩、キャンバス

 

美術の表現は、美術の周辺からしばしば力を得ています。それは、私たちの生活の実用的な需要に応える産業であることも少なくありません。なかでも印刷術は、美術の表現にもっともよく影響を与えた産業技術のひとつと言えるでしょう。

日本は、おもに木版の技術により、古くから印刷文化を誇る国です。高度に洗練された浮世絵や書籍、身の回りの品々までが作られてきました。明治に入って、文字の印刷には活版が、図版の印刷には銅版、木口木版、石版の技術が西欧からもたらされて近代的な印刷産業が発展し、多様な技術による印刷物が発行されていきました。

ひとりひとりの生活のなかにもたらされた印刷物は、新鮮な視覚体験をもたらし、また産業としての印刷の担い手たちのなかにも、実用的な需要に応えるあいだに、印刷技術のなかにある版の創造的な側面に着目する人が現れました。

新たな表現をめざして 創作版画が歩んだ道のり 和歌山県立近代美術館コレクションを中心に

ARTLOGUE 編集部2018/09/04(火) - 07:40 に投稿
日本では、職人による分業体制で制作される浮世絵という木版画の伝統がありましたが、明治維新以降、西洋文化に触れるなかで、近代的な美術表現としての版画制作が追求されるようになりました。本展では、和歌山県立近代美術館が所蔵する国内屈指の創作版画コレクションを中心に、近代日本に花開いた創作版画の名品を一堂に紹介します。

和歌山―日本 和歌山を見つめ、日本の美術、そして近代美術館を見つめる

ARTLOGUE 編集部2018/08/29(水) - 02:30 に投稿
 和歌山県立近代美術館は作品収集の柱に、まず和歌山県の「郷土作家コレクション」を掲げています。このたびの展覧会では、これまで蓄積してきた和歌山ゆかりのコレクションが、すなわち日本の近代美術の一断面をも物語る貴重な存在感を示していることを再考します。

和歌山県立近代美術館の見どころ、ランチ、アクセス、料金、周辺情報、まるごとチェック!

芝田 江梨2018/08/23(木) - 19:22 に投稿
自然に恵まれた和歌山。旅行するなら海か山…となりそうですが、収蔵コレクションが充実している和歌山県立近代美術館を起点にアートな1DAYトリップはいかがでしょうか。美術館周辺のグルメ情報もあわせてご紹介!

コレクション展2018-夏秋 特集 院展の画家たちⅢ/特集 鈴木昭男 音と場の探求

ARTLOGUE 編集部2018/08/03(金) - 09:58 に投稿
和歌山県立近代美術館のコレクション展では、日本画・洋画・彫刻・版画など、総数1万点を超える所蔵品を通じて幅広い美術の表現に接していただけるよう、季節ごとに展示を替え、特集コーナーも設けながら作品紹介を続けています。また、滋賀県立近代美術館が大規模な増築・改修を行うにあたり、その休館期間中、同館が誇るコレクションの一部を当館で公開することとなりました。今回は、そうしたふたつの近代美術館のコレクションなどにより、【和歌山ゆかりの作家と近代美術】【特集院展の画家たちIII】【戦後日本の美術】【アメリカ抽象表現主義と現代美術】【特集鈴木昭男音と場の探究】のコーナーを設け、作品を紹介します。