※5月15日に「新型コロナウイルス感染拡大防止のための京都府における緊急事態措置」が見直されたことを踏まえ、京都市京セラ美術館の開館が5月26日からとなりました。当面の間は、府県をまたいだ移動の自粛が要請されていることから、入館者を京都府在住の方に限定するとともに、感染症対策として、事前予約制による入館制限及び入館者の体温チェックを実施します。
なお、今後の状況によっては、開館日等が変更となる場合がありますので、事前予約制の詳細含め最新情報はウェブサイトをご確認ください。
(更新:2020年5月18日)※2020年4月6日の時点で、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、京都市京セラ美術館の開館は、5月6日(水)までを目途に、当面の間、延期となっています。
記事下部の展覧会開催概要はそれに伴い変更となっておりますので、予めご了承ください。
なお、今後の状況によっては、更に予定を変更する可能性がありますので、最新情報はウェブサイトをご覧ください。
1933(昭和8)年の開館以来、今や日本で現存する最古の公立美術館建築としても親しまれてきた京都市美術館。京セラ株式会社とのネーミングライツ契約締結により、新たに京都市京セラ美術館の通称でリニューアルオープンします。
リニューアルの設計を手がけた建築家のひとり、青木淳が館長に就任したことでも話題を集める京都市京セラ美術館。建築もさることながら、メモリアルイヤーに相応しい展覧会が目白押しです。
そんな京都市京セラ美術館の魅力を一足お先にご紹介します。
満を持してのリニューアル!どこが変わった?
1933年に創建されたオリジナルの建物は、和洋折衷な帝冠様式で知られています。その姿を最大限保存しつつも、現代的なデザインを加えてアップデートしたのは青木淳と西澤徹夫。
今回の大幅改修で現代アートに対応するスペース「東山キューブ」や新進作家を支援する展示スペース「ザ・トライアングル」に加え、設備が高機能化された本館には京都画壇の名品を中心に、四季に合わせて展示替えする「コレクションルーム」が新設され、時代やジャンルにとらわれず多様な芸術を楽しめる構成となっています。
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新館屋上の「東山キューブテラス」や美術館正面にスロープ状にひろがる広場「京セラスクエア」といったパブリックスペース、カフェやミュージアムショップなどが加わり、美術館としてだけでなく、上質な時間を過ごせる開かれた空間としても魅力的な姿に。
美術館本館が国の登録有形文化財へ登録される見通しとなったとの発表も京都市からあったばかり(2020年3月19日)。正式には7月頃の官報告示を待ってとのことだそうですが、近代建築として名高い建物の意匠と現代的な機構のあわさった京都市京セラ美術館、建築的な面からも大注目です。
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これは見逃せない!メモリアルイヤーの贅沢ラインナップ
本館では、過去から現代まで、絵画だけではなく書画や工芸等多様な「京都の美」の動向が俯瞰できる展覧会が、新館の「東山キューブ」では、世界的に高い評価を受けながら、写真作品を中心に建築、舞台演出と幅広く活躍を展開する杉本博司の大規模展「杉本博司 瑠璃の浄土」を皮切りに、国内外の現代美術の魅力に迫る3つの展覧会が控えています。年間を通して開催が予定されている展覧会の中からおすすめをご紹介します。
◯京都市京セラ美術館開館記念展「京都の美術 250年の夢」
リニューアルオープンを記念し、「京都の美術」250年史を堪能できる展覧会が開催されます。江戸後期から明治維新、明治から昭和、戦後から現代の3部構成をとる本展では、それぞれの時代を彩る名品総計400点を紹介。日本画を代表する作家を中心に、江戸から現代にいたる同時代に活躍した工芸家や書家、明治期に登場した洋画家、彫刻家、版画家、さらには戦後の現代美術の新鋭作家にも焦点をあてます。
また本展に先立ち、展覧会「最初の一歩:コレクションの原点」も開催。これらの展示を通して京都の美の系譜を辿り、未来を展望します。
※新型コロナウイルスの状況に鑑み、2020年4月4日の開館予定が4月11日(土)まで延期となり、「最初の一歩:コレクションの原点」については開催中止となりました。
※新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い開催中止となっていた「最初の一歩:コレクションの原点」の再展示が決定しました。(更新:5月26日)
■開催概要
・「京都の美術 250年の夢」
※「京都の美術 250年の夢」では、未公開になってしまった「最初の一歩:コレクションの原点」の再展示を予定。開催日程は現在調整中で、第1部から第3部の3部構成としていた展示内容は、展示を予定していた作品の一部を総集編としてまとめた展示となります。(更新:2020年5月18日)
※「最初の一歩:コレクションの原点」の再展示の会期が2020年6月2日(火)~9月6日(日)に決定しました。
予約は5月29日(金)から受付開始、事前予約対象期間は6月2日(火)~6月7日(日)となります。
予約含め詳細についてはこちらをご確認ください。第1部 江戸から明治へ:近代への飛躍
会 期:前期:2020年4月18日(土)〜5月17日(日)
後期:2020年5月19日(火)〜6月14日(日)
会 場:本館 北回廊1階
時 間:10:00〜18:00
*入場は閉館の30分前まで
休 館:月曜日*祝日の場合は開館
料 金:一般1500(1300)円、大学・高校生1100(900)円、中学生以下無料
*( )内は前売り及び20名以上の団体料
第2部 明治から昭和へ:京都画壇の隆盛
会 期:前期:7月11日(土)〜8月10日(月・祝)
後期:8月12日(水)〜9月6日(日)
第3部 戦後から現代へ:未来への挑戦
会 期:前期:10月3日(土)〜11月1日(日)
後期:11月3日(火・祝)〜 12月6日(日)
※第2部、第3部の会場や時間、休館日、料金等の開催概要は第1部と同じ
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◯京都市京セラ美術館開館記念展「杉本博司 瑠璃の浄土」
国内外を問わず現代アートシーンの第一線で活躍する杉本博司の個展が新館「東山キューブ」のこけら落としとして開催されます。「京都」、「浄土」、「瑠璃ー硝子」をキーワードに展開される本展は、「現代における人々の魂が向かう場所としての浄土の観想や、今、果たされるべき再生とは?」といった問いを基底に、かつて6つの大寺院が存在していた京都・岡崎の地に「瑠璃の浄土」のタイトルのもと、仮想の寺院の荘厳を構想したもの。
京都初の大規模個展となる今回、新たに制作された京都蓮華王院本堂(通称:三十三間堂)中尊の大判写真を含む「仏の海」や、大判カラー作品「OPTICKS」シリーズの初公開に加え、3つのキーワードにまつわる様々な作品や考古遺物が展示され、屋外の日本庭園には《硝子の茶室 聞鳥庵(モンドリアン)》も設置されます。
古の昔から浄土を希求してきた日本人の心の在り様を見つめ治す本展は、写真を起点に宗教的、科学的、芸術的探求心が交差しつつ発展する杉本の創造活動の現在を体感するという意味でも必見です。
※展覧会の詳細レポートはこちらから御覧ください。
■開催概要
会 期:2020年4月4日(土)~ 6月14日(日)
2020年5月26日(火)~10月4日(火)(更新:2020年5月18日)
会 場:新館 東山キューブ
時 間:10:00〜18:00
*入場は閉館の30分前まで
休 館:月曜日
*祝日の場合は開館
料 金:一般1500(1300)円、大学・高校生1100(900)円、中学生以下無料
*( )内は前売り及び20名以上の団体料
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◯THE ドラえもん展 KYOTO 2020
「ドラえもん」連載開始から50年の節目にあたる2020年、「THE ドラえもん展 KYOTO 2020」が開催。
「東山キューブ」の第二弾として、現代アートの最前線で活躍する28組のアーティストによるがドラえもんをテーマにした作品が展示されます。アニメ文化を幅広く発信してきた京都で、日本を代表するキャラクターのドラえもんと現代アートが夢の競演を果たします。
ここでしか手に入らないグッズを揃えた特設ショップもあり、夏休みを利用して大人も子ども一緒に楽しみたい展覧会です。
■開催概要
会 期:2020年7月4日(土)~ 8月30日(日)
延期(2021年夏)(更新:2020年5月18日)会 場:新館 東山キューブ
参加アーティスト:会田誠、梅佳代、小谷元彦、クワクボリョウタ、鴻池朋子、後藤映則、近藤智美、坂本友由、佐藤雅晴、シシヤマザキ、篠原愛、しりあがり寿、中里勇太、中塚翠涛、奈良美智、西尾康之、蜷川実花、福田美蘭、増田セバスチャン、町田久美、Mr.、村上隆、森村泰昌+コイケジュンコ、山口晃、山口英紀+伊藤航、山本竜基、れなれな(中島玲菜)、渡邊希(50音順・敬称略)
◯ANDY WARHOL KYOTO/アンディ・ウォーホル・キョウト
1960年代のニューヨークで、大衆文化・消費社会のイメージを主題や素材とする「ポップ・アート」の旗手として活躍した唯一無二のアーティスト、アンディ・ウォーホルの、日本では約6年ぶりとなる大規模個展であり、京都では初となる本格的なウォーホル展。
ウォーホルの出身地である米国ピッツバーグのアンディ・ウォーホル美術館の所蔵品から、イラストレーターとして活躍していた1950年代の初期作品をはじめ、1960年代に制作された代表的なシルクスクリーン作品、「死と惨事」シリーズに代表される象徴的な作品群、映画やテレビ番組などの映像、注文絵画としてのセレブリティのポートレート、そして、宗教画を参照した晩年の作品など、日本初公開作品100点以上!
を含む作品約200点と映像15作品が一堂に会します。
出展作品の一部をみてみると…門外不出のキャンバス作品《三つのマリリン》に「死と惨事」シリーズから 《ツナ缶の惨事》、大型作品《最後の晩餐》、ウォーホル独特の技法「ブロッテド・ライン」に日本からの影響を感じとることができる金箔の技法を取り入れた《孔雀》、京都ゆかりの作品《京都(清水寺)1956年7月25日》ととても豪華!
単独開催のためウォーホルの活動を網羅した本展をみられるのは京都市京セラ美術館でだけ。貴重な機会をどうかお見逃しなく。
■開催概要会 期:2020年9月19日 (土)〜2021年1月3日 (日)
*2021年1月2日(土)は開館
延期調整中(更新:2020年5月18日)会 場:新館 東山キューブ
休 館:月曜日(ただし祝日の場合には開館)、12月28日~1月1日
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◯うたかたと瓦礫(デブリ):平成の美術 1989-2019
1990年代以降の美術評論を常にリードしてきた美術批評家の椹木野衣が企画・監修を手掛ける展覧会「うたかたと瓦礫(デブリ):平成の美術 1989-2019」。
1999年に「日本ゼロ年」展(水戸芸術館)を企画・監修し、1990年前後の日本における現代美術の一断面を鮮やかに切り取って見せた椹木が、彼ならではの視座、独自の作家選定で「平成」年間(1989年–2019年)の日本の現代美術に迫ります。
2017年に上梓した『震美術論』で、「忘却」と「反復」というキーワードとともに、頻発する地震や津波などに晒される日本固有の美術史がありうることを示した椹木。相次ぐ震災や自然災害、バブル経済とその崩壊以降の経済的停滞という困難な状況に対し、日本の美術家たちはどのように応答してきたのか。果敢かつ実験的な、およそ30年にわたる現代美術の取り組みが椹木の構成で浮かび上がります。
■開催概要
会 期:2021年1月23日 (土)〜4月11日 (日)
会 場:新館 東山キューブ
待望のリニューアルオープンを心待ちにされていた方も多いのではないでしょうか。
充実した展覧会に加え、建築、カフェやミュージアムショップをはじめとするコモンスペースと色々な角度から楽しめる新生「京都市京セラ美術館」の開館まであともう少し。
是非足をお運びください!
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「鬼頭健吾:Full Lightness」
■開催概要
会 期:2020年4月4日(土)~5月31日(日)
2020年5月26日(火)~9月6日(日)
*木村翔馬、荒木優光、湊茉莉については日程調整中
*※鬼頭健吾スペシャル・インスタレーション「ghost flowers」(北西エントランス1階)、「untitled(hula-hoop)」(本館 光の広間)についても、2020年9月6日まで展示期間を延長
(更新:2020年5月18日)
会 場:ザ・トライアングル (北西エントランス地下1階)
時 間:10:00〜18:00
*入場は閉館の30分前まで
休 館:月曜日
*祝日の場合は開館
料 金:無料
※新型コロナウィルス感染拡大防止対策の影響により、予告なく内容が変更となる場合があります。来場前には公式サイトでご確認ください。