こころ

アートとこころ ~6.こころの音をアートで伝える!演奏することで癒される?~

佐藤セイ2018/05/07(月) - 21:47 に投稿

音楽を演奏することは、「こころ」と密接な関係があります。

身近な例でいえば、カラオケで大声を出すことでネガティブな気持ちを切り替えて「ストレス解消」という人は多くいますよね。
また、お祭りなどでは太鼓を打ち鳴らし、リズムに乗せて掛け声をかけることで気持ちを高揚させて、みんなと一体感を感じる「こころ」を生み出すことができます。

一方で、仲の良くない人とのカラオケや、自分が歌いたくない場面で罰ゲームのように無理やり歌わされることは恥ずかしい気持ちを呼び起こしますよね。
それは音楽を演奏することが自分の「こころ」をさらけ出すことになるからなのです。

「アートとこころ」最終回では、引き続き音楽に焦点をあて、音楽を演奏することが「こころ」にどう働きかけるのかご紹介していきます。

 

アートとこころ ~5.こころの音をアートで聴く!音楽が表現する感情を見てみよう~

佐藤セイ2018/05/04(金) - 16:31 に投稿
音楽と深く結びついたアーティストといえばワシリー・カンディンスキー(Wassily Kandinsky、Vassily Kandinsky, 1866~1944)。フォルム、色彩、線描等を通して音をカンヴァス上に再現しようとしました。
ワシリー・カンディンスキー《コンポジションX》(1939年、カンヴァスに油彩、130cm×195cm、デュッセルドルフ、ノルトライン=ヴァストファーレン美術館 [Public domain], via Wikimedia Commons)



音楽は好きですか?

「音楽はよく聞く!」「自分でも演奏する!」というように音楽が大好きな人もいれば、「普段音楽は聴かない」「あんまり興味ない…」と、様々な人がいると思います。

かくいう私は音楽が大好きです。J-POPから洋楽まで何でも聞いて、オーケストラやジャズも好きです。歌も好きなのでよくカラオケに行って歌ったりもします。

アートとこころ ~4.こころにアートで触れてみる!「触れる」ことと癒しの関連性とは?~

佐藤セイ2018/05/03(木) - 09:38 に投稿

身近なようで、案外気づかない自分のこころ。
知らない内にストレスを溜めていたりしませんか。

そんな時、こころのガスを抜いてくれたり、気づかぬ自分を発見させてくれる。アートにはそんな効能があります。

アートを介してこころを癒やす芸術療法をご紹介する「アートとこころ」第4回目では、「触れる」ことでこころを見つめる芸術療法、「箱庭療法」を取り上げます。

アートとこころ ~3.こころの欠片をアートでつなぐ!コラージュ療法から得られるもの~

佐藤セイ2018/04/12(木) - 17:09 に投稿

自分のこころを言葉で表現するのは難しいものです。
そのために芸術療法では絵などを用いることもありますが「絵も下手だからあまり描きたくないな…」という方もいますよね。

そんな人でもこころを表現できる方法の一つがコラージュ(collage)療法です。今回はそんなコラージュ療法についてお話します。

 

コラージュ療法とは?

コラージュとは「膠(にかわ)による貼り付け」という意味のフランス語です。文字通り、新聞紙や雑誌といった印刷物、果てはガラスや釘といった様々な物体を糊付けしていくこのコラージュは、パブロ・ピカソ(Pablo Picasso, 18811973)やジョルジュ・ブラック(Georges Braque, 18821963)がリードした芸術運動の一つ「キュビズム」で芸術表現の一つとして取り入れられ、その後様々な作家の芸術作品に用いられるようになりました。

アートとこころ ~2.こころをアートで映し出す!見えない絵を見るこころの動きとは?~

佐藤セイ2018/03/23(金) - 10:07 に投稿

あなたは空の雲を見て、「アイスクリームみたい」「なんだか顔みたいに見える」など感じた経験はありませんか。
そのようなイメージを膨らませている時、人はこころを働かせています。
今回はそんな「投影」というこころの働きと、「投影」を使ってこころの目でアートを生み出す「スクイグル法 (squiggle)」という芸術療法についてお話していきます。

 

投影ってどんなもの?

まず下の図1を見てください。何に見えますか?

アートとこころ ~1.こころをアートで表現する!絵を描くことを通じて見えてくるものとは~

佐藤セイ2018/03/17(土) - 23:30 に投稿

私は臨床心理士の資格を取得するために多くの心理療法について学び、体験してきました。
その中でも特に自分の気持ちを表現できると感じたのが芸術療法と呼ばれる分野です。これはシンプルに言えば「こころをアートで表現する」というものです。

今回は「描く」という側面からこころとアートの密な関係をお話したいと思います。

そもそも芸術療法とは?

日本芸術療法学会によると芸術療法とは「絵画、詩歌、音楽、ダンス、心理劇等々の芸術活動を介して心身の治療を行う」方法として定義されています。 
人は必ずしも自分のこころの状態を言葉で表現することはできません。言葉に出来ないけれど、もやもやと悩んでいることって誰しもありますよね。
また、幼い子どもも自分のこころを適切に言葉にする力がないことがあります。

そのこころを芸術という非言語的なアプローチで表現することで、治療者をはじめとした他者に伝えることができて「受け止めてもらえた」と実感すること、また自分でも「こんな気持ちを抱えていたのか」と振り返ることができることで、こころの治療につながると考えられているのです。