なつやすみの美術館8 タイムトラベル

ARTLOGUE 編集部2018/07/05(木) - 15:48 に投稿

時間はどんどん過ぎていきます。この文章を読んでいる間にも、時間は過ぎていってしまって、二度と戻ってきません。あらゆるできごとが時間の中で起こり、時間とともに過ぎ去ります。過ぎ去った時間へ、そしてまだ来ない時間への旅にあこがれる人は多いでしょう。実際には時間の中を旅することは実現していません。けれども作品の中には、過ぎ去った時間がとどめられ、まだ体験していない時間が描かれています。作品を通して時間の旅に出ることができるのです。

作品の中には自分が生まれるずっと以前に作られたものもありますし、さらに昔のできごとを形にした作品もあります。作品そのものの中にも、作家の生涯や作られた時間など、いろいろな時間が重なっています。この展覧会ではいろいろな作品の中に、宇宙の時間、歴史の時間、自然の時間、人間の時間、時間そのもの、制作の時間、死後の時間、遺る時間、ちょっと先の時間を見つけていきます。

今年のなつやすみは、美術館で時間の中に飛びこんでみましょう。時間のあり方を探し、時間について考え、作品と時間との関係を読み解きながら、作品を見ていきましょう。

 

特別展「高麗青磁―ヒスイのきらめき」

ARTLOGUE 編集部2018/07/05(木) - 15:13 に投稿

本展では、東洋陶磁美術館が所蔵する高麗青磁を中心に国内所蔵の代表作も加えた約250件の作品により、高麗青磁の新たな魅力をご紹介します。

高麗青磁は高麗王朝(918-1392)の滅亡とともに姿を消し、人々にも忘れさられた、いわば「幻のやきもの」でした。高麗王朝の滅亡から約500年の時を経た19世紀末から20世紀初頭にかけて、高麗の王陵をはじめとする墳墓や遺跡などが掘り起こされ、高麗青磁は再び世に現れました。翡翠(ヒスイ)のきらめきにも似た美しい釉色(ゆうしょく)の高麗青磁は、瞬く間に当時の人々を魅了し、その再現品もつくられるなど、一躍脚光を浴びました。

高麗王朝では仏教が国教となりましたが、同時に道教も盛んでした。一方、中国から喫茶や飲酒文化が伝えられ王室や貴族、寺院で大いに流行します。こうして祈りの場や儀礼、喫茶具や飲酒具などに用いられるものとして高麗青磁が誕生し、独自の発展を遂げました。唐、五代の越窯青磁や北宋の汝窯青磁に類するとされる透明感ある艶やかな「翡色(ひしょく)」の釉色、そしてとりわけ精緻な象嵌技法を特徴とする高麗青磁の美しさは、中国においても高い評価を受け、「天下第一」とも称されました。こうした高麗青磁には人々の祈りや思いが込められ、高麗王朝の文化の精髄が見事に具現化されています。

元永定正展 おどりだすいろんないろとかたちたち

ARTLOGUE 編集部2018/07/05(木) - 15:09 に投稿

元永定正は、『もこ  もこもこ』(文・谷川俊太郎)や『もけらもけら』(文・山下洋輔)など数多くの絵本を制作しました。今までにないものをつくるというモットーをもっていた関西の前衛美術グループ「具体美術協会」の代表的なメンバーであった彼は、絵本におい  も誰かの真似をするのではなく、新しくておもしろいものを日々、追い求めていました。そんな彼の作品に登場するいろんないろとかたちたちは、まるでそれぞれが性格をもった生き物のよう。画面いっぱいに広がる明るい色彩とユーモラスなかたちは、わたしたちを愉快な世界へ引き込みます。

本展では、絵本原画をはじめ、カラフルないろだまが描かれた絵画や版画、立体作品、そして、具体活動時代の絵画など約120点を展示します。いろとかたちで繰り広げられる絵の純粋なおもしろさ、新しいものを生み出そうとした彼の自由な発想力と表現力をお楽しみください。

 

増田セバスチャン×クロード・モネ Point-Rhythm World 2018 -モネの小宇宙

ARTLOGUE 編集部2018/07/05(木) - 14:47 に投稿

増田セバスチャンがインスタレーションで

表現する≪睡蓮の池≫の世界

 

色の魔術師・増田セバスチャンが“モネ”の世界に出会う。膨大なマテリアルが織りなす、奇想天外な立体点描画。モネの世界に入り込む大型インスタレーションが箱根に登場します。

 

「銀座」から「箱根」へ。モネの小宇宙が拡張します。

2017年の夏、POLA MUSEUM ANNEX(銀座)で開催され大好評で会期を終えた“Point-Rhythm World -モネの小宇宙-”が、2018年7月、ポーラ美術館(箱根)にやってきます。

19世紀後半に描かれたモネの≪睡蓮の池≫。カラフルな東京のポップアートの旗手、増田セバスチャンは、ポーラ美術館で収蔵されている当作品にインスピレーションを受け、世界中から集められた現代の素材で点描を織りなします。不朽の名作≪睡蓮の池≫に入り込むような大型インスタレーション作品で、モネの世界を新たな視点から体験して下さい。

12月までの会期中に、新たな演出が追加され「モネの小宇宙」は拡張されていく予定です。ご期待ください。

ルドン ひらかれた夢

ARTLOGUE 編集部2018/07/05(木) - 14:46 に投稿

本当に「孤高の芸術家」だったのか?

オディロン・ルドンの芸術をいま捉えなおす。

19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスで活動した芸術家オディロン・ルドン(1840―1916)は、印象派の画家たちとほぼ同じ世代に生まれながらも、不気味な怪物たちが蠢く世界や、神秘的なヴィジョンに満ちた幻想的な場面を絵画に残しました。その謎めいた絵画ゆえに、これまでルドンは、心の中に潜む「内なる世界」に向き合いながら奇妙な作品を制作し続けた孤高の芸術家と考えられてきました。

ところが、近年の研究によってルドンの新しい側面に光があてられています。公開された彼の手記や手紙にもとづく客観的な分析を通して、彼の作品を同時代の潮流の中であらためて捉えなおしたところ、ルドンは当時目にすることのできた過去の美術史上の傑作や同時代の美術作品をはじめ、自然科学の挿図や戯画などの大衆文化という、彼を取り巻く世界から多大なる影響を受けていることが明らかになってきたのです。

内藤 礼―明るい地上には あなたの姿が見える

ARTLOGUE 編集部2018/07/05(木) - 14:36 に投稿

「地上に存在することは、それ自体、祝福であるのか」をテーマに制作する現代美術家・内藤礼は、光、空気、風、水、重力といった無尽蔵な自然と、それらがもたらす色彩や音を受けとる私たち地上の生を、ひそやかな、それでいて確かな希望を放つかたちに昇華させた空間作品で、国内外より高い評価を得ています。また、内藤はこれまで、きんざ《このことを》(直島、2001年)、《母型》(豊島美術館、2010年)といった自然や建築空間と呼応するパーマネント作品を手がけ、またフランクフルトのカルメル会修道院(1997年)や東京都庭園美術館(2014年)といった歴史的な場所で展示を行ってきました。 

国内において2014年以来の個展、かつ過去最大規模となる本展では、光を自身の作品における根源のひとつとしてきた内藤が、はじめて自然光のみによる、光と生命と芸術がけっして分別されえない「地上の生の光景」を見つめる空間を生み出します。

セクハラ騒動に揺れる話題のノーベル文学賞、新たな文学賞設立へ?他14件!【PICK OUT ARTS!!/2018.07.04】

ARTLOGUE 編集部2018/07/04(水) - 18:59 に投稿

1862年の7月4日のピクニック。イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドジソンが、アリス・リデルら3人の少女に、「アリス」が繰り広げる冒険を即興で話して聞かせます。ルイス・キャロルによる不朽の名作『不思議の国のアリス』の始まりの日。

セクハラ騒動で話題のノーベル文学賞。スウェーデンの文学界に何やら新しい動きがあるようです。

「PICK OUT ARTS!!」今日は15件!

【国際】

アンディ・ウォーホルのスーパースターニコも。ロマンと狂気と死。ドキュメンタリーの衝撃に打たれる
ARTLOGUE

若手女性作家グループ展シリーズ Ascending Art Annual Vol.2

ARTLOGUE 編集部2018/07/04(水) - 18:47 に投稿

ミレニアル世代4作家が捉える、

スマート社会における「まつり」

スパイラルは、若手女性アーティストを中心に紹介する展覧会シリーズ「Ascending Art Annual」を2018年7月19日(木)̶8月5日(日)までスパイラルガーデン(スパイラル1F)にて開催いたします。

第2回目のテーマは「まつり、まつる」。「祭り」、「奉り」、「祀り」、「政り」、「纏り」など、さまざまに表される「まつり」は、神を祀る(まつらう)から派生し、祈祷・祝祭はもとより、政治や衣服、そして関係性を尊ぶなど多様な意味を持ちます。
産業を取り巻く構造が変化し、土地や慣習に暮らしが縛られない現在。アーティストたちは、祭礼や偶像崇拝、文様などに向き合い、場と時と人々を独自の手法でつなぎ直そうと試みています。AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)など便利さが優先される時代に、あえて不合理な営みを取り入れ、共感や興奮、畏怖、時に反発などの感情を生み出す「まつり」は、新たな共同体の維持装置になりえるのでしょうか。

アンディ・ウォーホルのスーパースターニコも。ロマンと狂気と死。ドキュメンタリーの衝撃に打たれる

nanchatic2018/07/04(水) - 18:11 に投稿

今年2018年に、『万引き家族』でカンヌ国際映画祭のパルム・ドールを受賞して話題となった是枝裕和監督。そして同映画祭への招待作品の常連、河瀬直美監督。2人はともにドキュメンタリー・フィルムという出自の持ち主。いつまでも心に残る感動作品、魅惑の人物の人生を描いたものや狂気に満ちた衝撃作まで、ドキュメンタリーの傑作と怪作をご紹介しましょう。