増井淑乃「将に啼かんとするや」

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 18:19 に投稿

この度、8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Galleryで、増井淑乃「将に啼かんとするや」が開催されます。 増井淑乃の作品は繊細で細密な水彩画です。紙に水彩で下地を塗り、時間をおいてから何度も重ねて描かれる画面には、滲みによってできる偶然の効果と意図的で入念な描線によって独特のテクスチュアがつくりだされます。増井が身近な存在として観察してきた猫や馬、鳥などは、作品のなかで背景と重なり、まるで神話に登場する動物のように描かれます。本展では新たに、色鉛筆をベースにコラージュを施した作品や、馬をシンプルに配置して描いた作品を制作。展覧会タイトルの「将に啼かんとするや」のように、増井の中で何かが産声をあげようとしているのかもしれません。小山登美夫ギャラリーでは2年ぶりとなる本展では、常に自分自身と対話や格闘をしながら制作する増井の旧作から新作までが展示されます。 
 

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冨井大裕 「線を借りる」

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 16:52 に投稿

冨井大裕は彫刻の新たな可能性を探り、様々な彫刻の形を提示してきました。作品を制作するその態度や行為、体験などそのものが作品として成立するかどうか、芸術作品となるにはどのような要素が不可欠なのかを模索してきました。冨井は付箋や色鉛筆、ハンマーやゴミ箱等、しばしば身の回りにある既製品を用いて作品を作りますが、従来あったその物特有の用途や意味を取り払うことで、その物の物質としての新たな魅力や存在に焦点を当て、全く違うものへと昇華させます。またある時には指示書のみを展示し、観客自身がその指示に従い彫刻作品となるプロセスを踏む作品など、従来の“もの”としての彫刻とはかけ離れた、そのものの裏にある見えない“こと”にも焦点を当てた作品制作をしています。

今回の展覧会ではタイトル通り、他人の作品から「線」を借りた作品を発表します。ファッションブランド「tac:tac」のデザイナー、島瀬敬章氏のパターンの線を元に作られた彫刻作品、そのパターンから起こされた服、その服を試着する観客、それを写す鏡と映り込む背景、その全てのもの・こと・場・時など彫刻としての可能性を顕在化する展示となります。

石本藤雄展 マリメッコの花から陶の実へ-琳派との対話-

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 15:42 に投稿
日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念し、フィンランドのライフスタイルブランド「マリメッコ」のテキスタイルデザイナーとして活躍し、現在は老舗陶器メーカー「アラビア」で陶芸制作に取り組む石本藤雄の原点と新たな作品世界を紹介します。同展では、細見コレクションの主軸である琳派作品との競演もみどころとなっています。

印象派、記憶への旅

ARTLOGUE 編集部2018/12/12(水) - 15:42 に投稿
ポーラ美術館とひろしま美術館のコレクションは、西洋の近代美術展開をたどるうえで、重要な画家の重要な作品を収集したもので、とくに印象派絵画には優れた作品が数多くみられます。質、量共に充実した両館のコレクションは、戦後に形成されたフランス近代美術のコレクションとして国内外でも重要な位置を占めるものです。本展覧会は、両館のフランス印象派の風景画を中心に、ドラクロワやコローからピカソ、マティスまで73点の名品を選び、19世紀の画家たちの旅と記憶、都市や水辺の風景に向けられた画家たちの視線、風景の印象や移ろいゆく光の表現が留められたかたちや色彩などを探ります。また、最後のセクションでは、絵画にとどめられた画家の制作過程や技法の痕跡=記憶を、文献調査や最新の光学調査によって呼び覚まし、作品の新たな魅力として紹介します。