<アトリエ劇研提携公演> N₂ Tab.2 - 書き言葉と話し言葉の物性を表在化する試み 『火入れの群』- He returns to his sheep.

ARTLOGUE 編集部2017/05/26(金) - 00:43 に投稿

わたしたちの小さな火種は大きな波に浚われた――と、まだ言い続けなければならないだろうか。水平でなくなった海へ温存されるのは、メスの挿入を伴わない非侵襲的な公約であり、独り善がりの不正である。(戯曲『火入れの群』より)

――戯曲の「不全性」を前提とした上演への照明は、先天的な盲信に閉ざされたブラックボックスを暴露する。

上演のたびに更新される創作と上演『居坐りのひ』への従事を終え、2016年より始動した「書き言葉と話し言葉の物性を表在化する試み - Tab.(タブ)」の第二作目。個としての俳優をドキュメントした前作『水平と婉曲(すいへいとえんきょく)』に続き、集団の中にある個へ焦点を当てる『火入れの群(ひいれのむら)』。
第15回AAF戯曲賞にて「大賞の次点」であると高評価を受けた、劇作家・杉本奈月による最新作。夏で閉館となるアトリエ劇研にて、窒素の名を冠するN₂(エヌツー)よる二度目の京都公演。

〈アトリエ劇研創造サポートカンパニー公演〉 したため #5 『ディクテ』

ARTLOGUE 編集部2017/05/22(月) - 22:56 に投稿

原作|テレサ・ハッキョン・チャ
「ディクテ 韓国系アメリカ人女性アーティストによる自伝的エクリチュール」(青土社)
翻訳|池内靖子
演出|和田ながら
出演|飯坂美鶴妃 岸本昌也 七井悠 山口惠子(BRDG)

Dictéeとは、言語の学習法のひとつで、声を聞き取り文字に記すこと。
そして、『ディクテ』を手にとったわたしは、
いてもたってもいられなくて息も継げず、
彼女の声を聴くこと、身体にうつすことに、のぞもうとしている。

言語と言語のあいだでざわめく身体の疾走を提示した前作『文字移植』(原作:多和田葉子)の次にしたためが挑むのは、韓国に生まれ、アメリカに逃れ、複数の言語を生きたテレサ・ハッキョン・チャの残した実験的テクスト、『ディクテ』(1982)。言語、歴史、性ーーさまざまなモチーフを含みこみ、そこに触れるすべてのものの声を刺激してやまないテクストから、いま、したためが導く演劇とは。

日程|2017年6月22日(木)~25日(日)
22日(木)19:00
23日(金)14:00/19:00
24日(土)14:00*1/19:00
25日(日)14:00*2
※受付は開演の30分前より開始いたします。

インタビュー:森村泰昌 No.02 <br>by NIIZAWA Prize

ARTLOGUE 編集部2017/05/15(月) - 11:07 に投稿

森村泰昌(もりむら やすまさ)さんは、1951年大阪市天王寺区に生まれ、育ち、そして今も大阪で制作を続けている日本を代表する美術家です。
京都市立芸術大学を卒業後、1985年にゴッホの《包帯をしてパイプをくわえた自画像》(1889年)に森村さん自身が扮した《肖像・ゴッホ》(1985年)で遅咲きながら実質的なデビューを果たし、初めて展覧会評も美術雑誌に載ったとのことです。
1989年にはベニスビエンナーレ/アペルト88に選出され国際的にもデビューを果たし、その後は美術に”なる”をテーマに、一貫してセルフポートレートの手法で西洋美術の名画、日本美術の名画、ハリウッドスター、20世紀の偉人などに扮して作品を作り続けています。

本稿は、NIIZAWA Prize by ARTLOGUEの「NIIZAWA 2016」受賞を機会に、森村さんへインタビューをしました。

 

【閲覧注意】「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2017」フォトレポート

ARTLOGUE 編集部2017/05/13(土) - 02:07 に投稿

【閲覧注意】「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2017」フォトレポートには、性的、暴力的な作品も含まれます。

展覧会概要はフォトレポートの下につづきます。

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2017」フォトレポート

 

開館120周年記念 特別展覧会 国宝

ARTLOGUE 編集部2017/05/11(木) - 22:25 に投稿

物事の形容に「国宝級」という言葉がありますが、「級」ではなく、本物の国宝約200件以上が、この秋、京都に大集結します。

京都国立博物館が総力をあげて開催する開館120周年記念特別展覧会「国宝」。

京都国立博物館の前身である帝国京都博物館が出来たのは、明治30(1897)年5月。その翌月、現在の文化財保護法の先駆けとなる古社寺保存法が制定され、初めて「国宝」という言葉が使われました。「京博」、「国宝」がともに迎える節目の年を記念すべく、なんと今回の特別展覧会では「京博」の研究員が総出!その展示内容は考古、彫刻、絵画(仏画、絵巻物、肖像画、中世絵画、近世絵画、中国絵画)、書跡、染織、金工、漆工、陶磁と実に多彩なジャンルを網羅しています。

200件超えの国宝というとあまりピンと来ないかもしれませんが、国宝の約1/4が一堂に会するということなのだそうです。紅葉美しい京都を愛でつつ、貴重な文化財界のオールスターに会いにきませんか?

見上げてみよう、宇宙を感じよう。同じだけど、同じじゃない。<br>シンガポール、アートサイエンスミュージアムに「宇宙と芸術展」がやってきた。

Seina Morisako2017/05/10(水) - 22:03 に投稿

夜、星を見上げた時、この星は他の場所からどんな風に見えているのかな?と感じたことはありませんか?
光り輝く月を見上げた時、この月を昔の人はどんな風に見ていたのだろうと思ったことはありませんか?
そしてそのように思いを馳せることこそ「アート」なのではないでしょうか?

 

画像を削除しました。

 

「いちはらアート×ミックス2017」フォトレポート<br>会期:2017年4月8日~ 5月14日

ARTLOGUE 編集部2017/05/01(月) - 18:55 に投稿
豊福亮《美術室》 会場:IAAES[旧里見小学校] 撮影:Osamu Nakamura

首都圏近郊の千葉県市原市で開催する現代アートイベント「いちはらアート×ミックス」は、2014年に始まり、第2回となる今回は総勢31組のアーティストが参加します。

アーティストさんに教わりながら、自分でオリジナルの作品が作れるワークショップも開催!

さらに地元の人たちが中心となり市原の魅力を発信する「地域プロジェクト」が加わり、地元の素材を生かした作品や料理、地元の方の案内で隠れた名所を回る体験など市原の里山を十分に味えます。

里山トロッコ列車の運行や駅舎が国の有形文化財に登録されるなど盛り上がりを見せる小湊鐵道に乗れば、新緑の眩しい里山の景色も楽しむことができます。

「ライアン・ガンダー ―この翼は飛ぶためのものではない」<br>「ライアン・ガンダーによる所蔵作品展 ―かつてない素晴らしい物語」<br>国立国際美術館<br>フォトレポート & シェアするだけチケットプレゼント

ARTLOGUE 編集部2017/04/30(日) - 19:23 に投稿

「ライアン・ガンダー ―この翼は飛ぶためのものではない」国立国際美術館
シェアするだけチケットプレゼント! 
5組10名

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当選通知:当選者へはこちらからご連絡しますので、ARTLOGUEのTwitterFacebookページをフォローし連絡がつくようにお願いします。

応募締切:2017年5月6日 (土) 23:59

アートで浮遊散歩。<br>KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭2017 <br>― 雅とモダンと春陽より ―

松宮 宏2017/04/30(日) - 01:26 に投稿

KYOTOGRAPHIE 2017でメイプルソープのオリジナルプリントが見られる、と期待を胸に出かけました。何年ぶりの再会でしょう。実は1988年、ニューヨークで、偶然、メイプルソープの回顧展に出会ったのです。人に連れられ、写真家の名前も知らなかった若年の私に、それはそれはショックでした。いえ、ショックだったかどうかさえわかりません。感情が真っ白になったまま、美術館をあとにしたような記憶があるのです。彼の写真を、どんな言葉で言い表せるでしょう。突き詰めて、突き詰めて、突き詰めてたどりつく美。色をそぎ落としたモノクロ写真で、なお引き立つ造形。あの写真を見てしまったときの気持ちを思い出せるだろうか……と、思いながら会場となっている誉田源兵衛へ向かいました。説明できないまま置き去りにした、あのまっ白な感情に出会いたいからです。

 

連載 『子どもと一緒にアートなお出かけ』 第四話 「言葉を話すようになったらどうする?」

Seina Morisako2017/04/19(水) - 15:43 に投稿

アートブロガーのSeina Morisakoです。みなさん、赤ちゃんと一緒にアートなお出かけしていますか?極端に言うと、美術館に出かけなくてもいいんです。アートを親子で身近に感じていますか?

 

話すようになるのは嬉しい、でも。

 

赤ちゃんが発声から会話へ移行するととても楽しくなります。「ああ!こんなこと言った!」とか。毎日が発見です。

でも、気をつけなくてはいけないのは、自分と子どもは楽しくても、「赤ちゃんとの会話を聞いて、全ての人が機嫌がよくなる訳ではない」ということです。とくに日本の美術館のような静寂を求められる場所では子供の声は目立ちます。