Chim↑Pom

Oh !マツリ☆ゴト 昭和・平成のヒーロー & ピーポー

ARTLOGUE 編集部2018/12/22(土) - 14:58 に投稿

20世紀のはじめから現代へと至る日本の美術作家の表現には、社会的な関心が色濃く表れたものも少なくありません。本展はそうした傾向を示す作品の中でも、特別な存在(ヒーロー、カリスマ、正義の味方)と無名の人々(公衆、民衆、群集)という対照的な人間のありかたに注目するものです。とりわけ大衆とも呼ばれる後者の存在は、どのようにその存在を可視化するのか、そしてどのようにして彼らとの間に連帯を築くことができるのかという切実な問いを表現者に投げかけてきました。ひとびとの集団=本展でピーポーと仮に呼ぶ存在が、立場や考え方によっていくらでも変化し、わかれていくものであるという事実は、その姿をとらえがたいものにもするでしょう。同展で注目する特別な存在=「ヒーロー」は、「ピーポー」が直面する困難やその願いを映し出す鏡としての、あるいはその存在に姿を与える触媒としての役割を担っています。

このような問題意識のもとに、同展では「ヒーロー」や「ピーポー」とは何かという問いに応えようとしてきた昭和と平成の時代に生まれた作品を5つのテーマに沿って見ていきます。さらにこれらのテーマとは別に、同時代の表現者による最新の実践もご紹介します。

森村泰昌の『映像─都市』論 ─上映とトークによって、大阪を読み解く─

ARTLOGUE 編集部2018/11/09(金) - 17:17 に投稿

アートエリアB1開館10周年を機に行う新たなプロジェクト「クリエイティブ・アイランド・ラボ 中之島」 では、当館が位置する大阪・中之島の文化ネットワークの構築をめざし、中之島周辺に位置する、美術館やホール、科学館、図書館など15の文化拠点と連携企画を行います。

その一つとして、今年開館100周年を迎える大阪市中央公会堂を舞台に、「森村泰昌作品と大阪の都市」をテーマにした上映とトークならびに、特別展示「アートでひもとく中央公会堂の100年」のツアーを行います。美術家・森村泰昌は、美術史上の名画の人物や映画女優、20世紀の歴史的人物などに扮する「自画像的」な写真・映像作品を一貫して制作しています。それらの多くは森村の生まれ育った大阪で撮影されています。ヒトラーに扮した森村が中央公会堂の特別室にて演説を行う《なにものかへのレクイエム(独裁者を笑え)》をはじめ、釡ヶ崎支援機構でのレーニン、万博公園の美術館でのゲルハルト・リヒター、大阪城の旧陸軍司令部庁舎での三島由紀夫など。いずれも大阪の風景と歴史上の人物が時空を超えて映像化され、森村流の 都市論を形成しています。

広島上空でピカッ、岡本太郎作品に原発事故付け足したチンポム 卯城竜太。人間の存在自体が自由なもの | 表現の不自由時代 04

ARTLOGUE 編集部2018/09/04(火) - 16:19 に投稿
《Red Card》2011

 

連載「表現の不自由時代」では、アーティストの活動や軌跡、「表現の自由」が侵された事例などをインタビュー形式でお伝えします。

本連載を通じて、「表現の自由」について考え、議論するきっかけが生まれ、より健全かつ自由な表現活動が出来る社会になることを期待しています。

掲載予定アーティスト
会田誠、岡本光博、鷹野隆大、Chim↑Pom 卯城竜太、藤井光、ろくでなし子、他

 

表現の不自由時代 バックナンバー

第一回 ルイ・ヴィトンや日清食品からの圧力のみならず、殺害予告、通報にも屈せず表現をつづけるアーティスト 岡本光博

第二回 なぜ女性器だけタブーなのか? 権力による規制に、アートの力で笑いながら疑問を投げかける ろくでなし子

20年後どう生きるのか? INNOVATIVE CITY FORUM 2017 開催

ARTLOGUE 編集部2017/10/09(月) - 00:25 に投稿

 INNOVATIVE CITY FORUM 2017

 

20年後、私達はどのように生きるのか?
都市とライフスタイルの未来を描く

 

世界の人口は増加を続けており、人々はますます都市に集中しています。この流れは加速することが予測されており、さらに一部の都市では、都市住民の高齢化も大きな問題になっています。一方で技術の進歩も加速し、次々と新しいライフスタイルや価値観を私達に提供しています。我々の未来生活は、自然環境、都市環境、家庭から仕事までを彩る科学技術、そしてアートやデザインなどのライフスタイルによって大きく規定されるでしょう。

いま、私達は自らの未来を、自らの意思でデザインする課題に直面しているのではないか?都市をいかにデザインしていくかは、人類の喫緊の課題ではないか?Innovative City Forumはこの共通認識のもとに、世界のオピニオンリーダーを迎えて議論する国際会議です。

声を大にして言いたい。「アートは育児を救う」。

Seina Morisako2016/08/02(火) - 14:09 に投稿
東京都現代美術館で開催された「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」。この展覧会は、家族と美術館の関係性を改めて問い直す画期的なものでした。 撮影:筆者 アートブロガーのSeina Morisakoです。私は現在、家族と一緒にシンガポールで暮らしています。シンガポールに転居したのは2年前の夏。それまでは東京で暮らしていました。 「子連れアート鑑賞日記」という子供と一緒に、子供向けでないアートも見に行くというコンセプトのブログを9年続けています。こちらは現在も継続中で、訪問場所を日本、シンガポール以外にも広げています。 私は10歳男子の育児中です。ブログ開始は約9年前。親子鑑賞歴は約9年目に突入しました。私のような変わり者の母親がなんとか育児を楽しめているのは「アートがあるから」と言っても過言ではありません。 私は声を大にして叫びたい。「アートは日本人の育児を救う」と。
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3.11 関連特別企画「ビオクラシー 〜“途方もない今”の少し先へ」

ARTLOGUE 編集部2018/02/28(水) - 03:19 に投稿

東日本大震災、そして原発災害から丸7年。
「復興」という旗印のもと、被害にあった多くの場所は震災直後の様子が想像できないほど整備が進んでいます。そして、私たち自身も「『これまでの暮らし』を改めるべきではないか?」という想いとは裏腹に、危機感が少しずつ薄れていく感覚もないでしょうか?

タイトルである「ビオクラシー」は、震災後、福島に移住し活動を続けてきた、本展の企画伴走者である平井有太が2016年に刊行した著書「ビオクラシー 福島に、すでにある」からとられています。平井による造語である「ビオクラシー」は、漢字で表すと「生命主義」を意味します。

平井はこのビオクラシーを命より経済を重視し、ひいては戦争にもつながる資本主義や、民が主となり多数決で決めている現状の民主主義を超えるものとして訴えます。

また、人々との関わりや会話、インタビューなどを「ソーシャルスケープ」と名付け、社会活動におけるひとつの実践手段として位置付けました。著書ではその手法を用い、政治家やアーティスト、酒屋の蔵元、農家などを「活性家」として取り上げました。