生も死も内包し、無限に広がる「旅する木 髙濱浩子 めぶきのまつり」
旅するわたしを生き、表現し続けてきた、アーティストの髙濱浩子さん。旅の中で生まれてきた多岐にわたる仕事を「木」に見立て、これまでの道のりを紹介する「旅する木 髙濱浩子 めぶきのまつり」が、4月9日(火)まで神戸・北野のギャラリー島田で開催されています。地階と1階の3会場を使い、初めて日替わりカフェもオープン。「みな誰もが旅の中、共に一つの場と時を分かち合う展覧会に」と、ギャラリーでは話しています。
髙濱さんは、1995年の阪神淡路大震災での体験をきっかけに、人間とアートについて問い続けてきました。
「震災の直後、路上で花の絵を描いていたら、おじさんに『美術とか全然わからへんし、美術館も行ったことないけど、お姉ちゃんが描いたその絵、家に持って帰りたいねん』と、話しかけられたんです。その時、絵は誰かの命とつながっていると強く思いました」と、高濱さん。
人間にとってアートって何だろう。その問いを抱え、髙濱さんは2008年、39歳の時にインドにわたり、詩人のラビンドラナート・タゴールの大学に1年間留学。ベンガル地方のシャンティニケタンに暮らしながら先住民の村を訪れ、原始的な営みに息づくアートに興味を持ちました。自然と共にある暮らしの中ではっきりわかったのは、「何もないは、すべてある」という感覚だったといいます。
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