彫刻

コートールド美術館展 魅惑の印象派

ARTLOGUE 編集部2019/04/25(木) - 02:31 に投稿
ロンドンにあるコートールド美術館のコレクションから、印象派・ポスト印象派の作品を紹介します。実業家サミュエル・コートールドが収集したコレクションを核に1932年に設立された同館は、美術史や保存修復において世界有数の研究機関であるコートールド美術研究所の展示施設です。本展覧会では、その研究機関としての側面にも注目し、画家の語った言葉や同時代の状況、制作の背景、科学調査により明らかになった制作の過程なども紹介し、作品を読み解いていきます。 日本の風景のようだと語られたファン・ゴッホによるアルルの風景《花咲く桃の木々》、19世紀後半の近代都市パリの風俗を映すルノワールの《桟敷席》やマネの《フォリー=ベルジェールのバー》、科学調査が作品の秘密を解き明かしたゴーガンの《ネヴァーモア》やモディリアーニの《裸婦》などをはじめ、選りすぐりの絵画・彫刻約60点を展示します。

所蔵企画展 double silhouette/ダブルシルエット ― 光と影が語ったもの

ARTLOGUE 編集部2019/04/17(水) - 02:31 に投稿
本展は、名古屋造形大学・大学院特任教授の江本菜穂子氏の企画協力による所蔵企画展です。 パウル・クレーをはじめ西洋近代美術史を専門とする江本氏とともに選出した約60点の作品。「光と影が語ったもの」というテーマのもと、クレー《デモーニッシュなマリオネット》、カルダー《ゴルファー(ジョン・D・ロックフェラー)》、宮崎進《沈黙》の初公開コレクションを含む作品たちは、私たちにどのような気づきを与えてくれるのでしょう。メナード美術館の20世紀西洋絵画を中心とするコレクションを、いつもとは異なる視点でご覧いただく機会となっております。

表 良樹 個展「等身の造景」

ARTLOGUE 編集部2019/04/14(日) - 12:40 に投稿

表良樹 (おもて・よしき)は、大きな運動や成り立ちを、日常的なスケールに転換させる作品群をこれまでに制作してきました。地殻変動や大気など、生活者の視点では捉えづらいより大きな周辺の現象を、彫刻作品などに投影し、身体的に実感し得るものとして提示しています。

例えば「Tectonics」では、プラスチック製の日用品の内部に、様々な色相のポリエステル製樹脂を流し込み、攪拌させ、それを積層させた後、落下などの衝撃を与えて断面を露わにさせることで作品を完成させています。彫刻作品といえば、通常は表面の形状や様相で造形を判断されるものですが、表の作品は、内側の造形に至るまでの過程や時間をも織り込んでおり、固有の広がりを内在させています。メディウムとしては人工物であるプラスチックを起用しつつも、その造形は自然現象にプロセスの多くを委ねることで、人工物と自然現象をないまぜにしながら、鑑賞者の身体性に訴えうる作品に仕上げていると言えるでしょう。

ショパン ― 200年の肖像

ARTLOGUE 編集部2019/04/13(土) - 02:31 に投稿
今も世界中で愛され続ける、ポーランド出身の作曲家フリデリク・ショパン(1810-1849)は、日本人にとっても、その心を引きつけてやまない特別な音楽家です。繊細な曲調やピアノ曲を多く作曲したことから、“ピアノの詩人”と呼ばれています。同展では、多彩な美術作品や資料を通じ、ショパンの音楽と生涯を主軸に、生誕後約200年にわたるショパン像をご紹介します。ポーランドの国立フリデリク・ショパン研究所の全面的な協力を得て、企画、実施するものです。展示品は、国立フリデリク・ショパン研究所が運営するフリデリク・ショパン博物館から出展の美術作品や資料を中心に、ワルシャワ国立博物館やオランダ・ドルトレヒト美術館の作品など国内外から、自筆の楽譜や手紙、油彩画、版画、ポスター、彫刻、書籍など約250点を展観します。

特別展「改組 新 第5回日展」

ARTLOGUE 編集部2019/04/03(水) - 02:31 に投稿
日展は、明治40年に文部省美術展覧会として始まり、名称の変更や組織を改革しながら100年をこえる長きにわたって続いてきた日本で最も歴史と伝統のある公募展です。日本画・洋画・彫刻・工芸美術・書の5部門からなり、日本を代表する巨匠から新人作家の入選作までの多彩な作品の数々を紹介してまいりました。本展覧会は、東京会場から始まり、京都、名古屋、富山、大阪、岡山の順に巡回し、全国を巡回する作品と地元作家作品を展示します。 大阪展では、会員作家及び今回の入賞者による基本作品246点と、大阪・兵庫・奈良・和歌山に在住する会員作家の作品や入選作品などの地元作品333点、あわせて579点の作品を陳列します。

札幌美術展 砂澤ビッキ ― 風 ―

ARTLOGUE 編集部2019/03/27(水) - 02:30 に投稿
北海道を代表する木彫家・砂澤ビッキ(1931~1989年)の没後30年記念展を開催いたします。木という素材に向き合い続けたビッキは、木に宿る「樹氣(きき)」をあらわにすることに挑みました。そのなかで「風」のシリーズは、樹氣が力強く、躍動感ある形で表現されており、ビッキの自然への畏怖の念を体感させてくれるものです。また当館併設の野外美術館では、《四つの風》というビッキの大作が常設展示されています。設置から30年以上経過した本作は、彼の生前の意図を汲み、自然の成り行きに任せ、「風雪という名の鑿(のみ)」によって変化を続けています。本展では、「風」シリーズを中心とした彫刻作品とともに、これまでの《四つの風》の記録を写真や映像で展示し、自然が芸術に与える力を明らかにします。このほか、「絵描きとしてのビッキ」「カナダでの制作」「ビッキの遺したもの、そして没後の30年」など多彩なセクションを設け、当館がこれまで行ってきた研究・調査の成果を紹介し、新たな視点を加えながらビッキの功績を回顧していきます。 なお、本展は、札幌・北海道にゆかりある作家の作品によって構成する第12回目の「札幌美術展」として行うものです。

作家と僧侶、二足のわらじで現代の「信仰」を模索するアーティスト・長谷川寛示(ハセガワカンジ):「sanwacompany Art Award / Art in The House 2019」ファイナリスト

ARTLOGUE 編集部2019/03/19(火) - 19:30 に投稿

現代アートの分野で活躍する新進気鋭のアーティストをサポートすると共に、より良い LIFE スタイル「アートのある暮らし」を提案する作品展示プランのコンペティション「sanwacompany Art Award / Art in The House 2019」。

レベルの高い作品展示プランに審査が難航する中、94組もの応募の中から、グランプリ、「サンワカンパニー社長特別賞」、ファイナリストに5組のアーティストが選出されました。彼らの応募プランのコンセプトやこれまでの活動、そしてこれからについてお話を伺います。

第三回目は、ファイナリストの長谷川寛示さんです。

モダン・ウーマン ― フィンランド美術を彩った女性芸術家たち

ARTLOGUE 編集部2019/03/16(土) - 02:33 に投稿
19世紀後半から20世紀初頭のフィンランドでは、ロシアからの独立運動、そして1917年に誕生する新しい国家の形成と歩調を合わせて、社会における女性の立場や役割に大変革が起こりました。美術界においても、19世紀半ばに設立されたフィンランドで最初の美術学校は、当時のヨーロッパではめずらしく、創立当初から男女平等の美術教育を奨励しました。この時代の女性たちは、奨学金や留学のチャンスを掴み、国際的な環境で研鑽に励みながら、芸術家としてのキャリアを切リ開くことができたのです。 日本とフィンランドの外交関係樹立100周年を記念した本展は、独立前後のフインランドを生き、同国の近代美術に革新をもたらした女性芸術家たちに焦点を当てる、日本で初めての試みです。この展覧会は、フィンランド国立アテネウム美術館の企画によよって欧米3都市で開催された国際巡回展をベースに、日本オリジナルの内容に再構成したものです。 同美術館のコレクションから、近年世界的にも注目を集めるヘレン・シャルフベック(1862-1946)やパリでロダンに学び、彼の代表作《カレーの市民》の助手も務めた彫刻家シーグリッド・アフ・フォルセルス(1860-1935)ら7人の女性芸術家を一堂に紹介します。 絵画、彫刻、素猫、版画など約90点の作品を通して、生涯にわたり独自の芸術表現を追い求めた、彼女たちの多彩な活動と功績を是非ご覧ください。

空間に線を引く ― 彫刻とデッサン展

ARTLOGUE 編集部2019/03/05(火) - 02:33 に投稿
彫刻家は素材に働きかけ、何もない空間に作品を表します。彫刻を制作するにあたり、自身のイメージを定着させるためデッサンを描く場合があります。彼らが描いたデッサンは魅力に富んでおり、画家のデッサンにはない美しさがあリます。この美しさはどこから来るのでしょうか。 おおむね画家の絵は、三次元を二次元で表現します。一方、彫刻家のデッサンは二次元から三次元を目指します。対象が空問にどのように働きかけるかということが、常に彫刻家の念頭にあるからです。紙面は空間であり、いわば空間に線を引く感性です。これらの線は、対象の存在感、ものの粗密を表現しているように見えます。これを可能としているのは彫刻家の「手」(触覚)です。 彫刻家にとって、まず重要なのは触覚です。彫刻は視覚以前に触覚にうったえかける芸術です。彫刻家は触覚に導かれて作品を手がけます。彼らの手は描く以前に「触れる手」なのです。このような手によって描かれたデッサンはおのずと画家によるものとは異なります。彫刻家は空問から対象をすくい出すかのように描きます。描くことがすなわち触れることであり、視覚と触覚の連動があります。これが彫刻家のデッサンの特異な点です。そこには、画家のデッサンにはない様々な要素が見出せることでしょう。 本展はプロローグとして橋本平八から始め、具象、抽象の現代彫刻家19人のデッサンと、それに関連する彫刻を展示し、その魅力と創作の秘密に迫るものです。

奇蹟の芸術都市バルセロナ展

ARTLOGUE 編集部2019/02/21(木) - 02:55 に投稿
スペイン・カタルーニャ自治州の州都であり、地中海に面した港湾都市であるバルセロナは、古代に遡る豊かな歴史と、19 世紀の産業革命による経済・文化面の先進性とをあわせ持つ世界有数の国際都市です。また、この都市は芸術・食・スポーツなど様々な点で世界中の人々を惹きつけてきました。 本展では、その魅力の源泉を探るべく、バルセロナの近代化を促進させた都市計画の誕生(1859年)からスペイン内戦(1936-39 年)に至るまで、約 80 年間に生み出された芸術文化を辿ります。 アントニ・ガウディをはじめドゥメナク・イ・ムンタネー、プッチ・イ・カダファルクなど、バルセロナの魅力を語るに欠かすことのできない偉大な建築家たちの仕事はもとより、ラモン・カザス、サンティアゴ・ルシニョル、パブロ・ピカソ、ジュアン・ミロ、サルバドール・ダリら、カタルーニャが育んだ巨匠たちの作品を多数展示します。 絵画を中心に彫刻・家具・宝飾品・図面など多様なジャンルの作品約 150 点が並ぶ本展は、当時のカタルーニャに花開き咲き誇った芸術の精華を存分に味わって頂けるまたとない機会です。綺羅星のごとく並ぶ美術界きってのスターたちの共演をお楽しみください。