ICOM

国際博物館会議(ICOM)京都大会2019<br>複雑化・多様化する社会にどうすれば貢献できるのか。<br>博物館の役割を問い直す

赤坂志乃2019/10/28(月) - 20:57 に投稿

気候変動や貧困、人権の抑圧など世界が直面する課題に対して、博物館が果たすべき役割とは何か。9月1日~7日に国立京都国際会館(京都市左京区)で開かれた「国際博物館会議(ICOM)京都大会」で、博物館定義の改正を巡り熱い議論が交わされました。そのプロセスは、私たちを取り巻く社会問題を共有し、これからの博物館のあり方を方向付けるもの。あらためて振り返ります。

 

日本初の国際博物館会議

ICOMは、138の国と地域の美術館・博物館関係者4万4500人以上で構成される、世界唯一のグローバルな博物館組織です。国別に組織された118の国内委員会や専門分野別に30の国際委員会などがあり、3年ごとに大会が実施されています。日本初となる第25回ICOM京都大会は、「Museums as Cultural Hubs:The Future of Tradition(文化をつなぐミュージアム-伝統を未来へ-)」をテーマに、大会史上最多の4590人(うち日本から1866人)が参加。「持続可能な未来の共創」「被災時の博物館」など今日的な議題で討論が行われました。

 

「Where culture meets nature~日本文化を育んだ自然~」

赤坂志乃2019/08/31(土) - 11:26 に投稿

自然史と日本文化をクロスオーバーさせた新感覚の展示
京町家で「JAPAN COLOR」を体感する


ICOM(国際博物館会議)京都大会に合わせて、8月30日(金)~9月16日(月・祝)の間、京都市指定有形文化財「野口家住宅(花洛庵)」で、「JAPAN COLOR」をテーマにした企画展「Where culture meets nature~日本文化を育んだ自然~」が開かれています(主催:自然史博物館11館が連携する「自然史レガシー継承・発信実行委員会」など)。

同企画展シリーズとしては4回目。京町家の伝統的な建築空間と自然史標本を融合し、色を通して自然と日本文化の関わりを紹介します。日本の自然が生み出す色の不思議さ。日本人が自然をどう表現してきたのか。昨年12月に掲載した記事に続いて、自然史博物館の新たな試みに密着しました。

 

「Where culture meets nature~日本文化を育んだ自然~」<br>企画展「仏教と自然」

ARTLOGUE 編集部2018/12/10(月) - 10:30 に投稿

2019年ICOM京都大会や2020年オリンピック・パラリンピックの開催が機会となり、我が国の伝統文化や歴史的建造物(レガシー)の活用への期待が高まっています。この企画では、国内各地の自然史博物館が協力し、歴史的建造物がもつ空間の趣と自然史標本のもつ美しさを融合させて、日本の自然と文化の関わりを伝える展示会を京都市下京区の龍岸寺にて開催します。

これまでのシリーズでは、町家や酒蔵で展開してきましたが、今年は寺院を舞台に仏教と自然との関わりをテーマとしました。仏教の教えは、生物や自然界の仕組みとも密接な関わりがあり、仏教の自然観は自然科学の原理と合符するところも多く、人類が自然と共生して暮らしていく上でも大切な視点をもたらしてくれます。寺は長らく地域コミュニティの核の一つであり、町人の子弟に読み書きそろばんを教える学校の役割もはたしていました。会場となる龍岸寺は、日本の天文学の開祖である渋川春海ゆかりの地でもあり、自然科学とも深く関わっています。展示会では、仏教とゆかりのある動植物や祭礼で利用される自然由来のもの、建物やお墓で利用されてきた岩石、動植物の進化の歴史、日本最古の天球儀のプロジェクションマッピング、を展示します。
 

自然史博物館が仕かける<br>「Where culture meets nature」展

赤坂志乃2018/12/09(日) - 17:48 に投稿

culture×nature→future

暮らしもアートもすべての源は自然にある。art×somethingの一つの試みとして、culture×natureをテーマに記事をお届けします。前編は「日本の色」と題して日本の伝統の色を巡る取り組みを、後編は「Where culture meets nature」展をご紹介します。

 

日本の伝統文化×自然史のハイブリッドな展示が問いかけるもの

日本各地の自然史系博物館が協力し、歴史的建造物を舞台に開催する展覧会「Where culture meets nature~日本文化を育んだ自然~」。これまで町家や酒蔵などで行われ、第3弾となる企画展「仏教と自然」が12月14日(金)から京都市の「龍岸寺」で始まります。日本文化×自然史のハイブリッドな展示が問いかけてくるものは?