ジョヴァンナ・ガルツォーニ

イチジクは「羞恥」の象徴?エデンの園の甘美な果実

井澤佐知子2018/07/30(月) - 12:48 に投稿
イタリア南部で、レモンの木とともに多く見られるイチジクの木。庭に植えられているだけではなく、道端や畑の隅にも自然に生えるがまま、イチジクの木が葉を茂らせていることもしばしば。枝を広げて大きく成長するイチジク、夏には人々にほっと涼める木陰を提供しています。生活に寄り添い親しまれてきたイチジクは、絵画作品にもよく登場します。さてこのイチジク、「羞恥」の象徴として描かれることも。一体なぜでしょうか。

古代ローマの美食家がヨーロッパに持ち込んだ美味 サクランボ 

井澤佐知子2018/06/28(木) - 16:16 に投稿
ジョヴァンナ・ガルツォーニ《Chinese Porcelain Plate with Cherries》、17世紀初頭、カンヴァスに油彩、プライベートコレクション
[Public domain], via Wikimedia Commons


日本でもサクランボがおいしい季節になりました。

イタリアの市場に出回るサクランボは深紅のものが多く、日本の佐藤錦のような朱色を基準に選んで買うと、熟していなくて酸っぱいなんてことも起こります。

ヨーロッパでは、マラスキーノやキルシュといったリキュールにも用いられるサクランボは、古代から現代まで途切れることなく愛されてきた美味。一年中で一番過ごしやすい季節に出回るサクランボは、ポジティヴなイメージで一貫しています。

 

花も実もあるイタリア野菜:ズッキーネとカボチャ

井澤佐知子2018/06/07(木) - 17:02 に投稿
ジョヴァンナ・ガルツォーニ《Still life with pumpkin flowers and vine leaves》制作年不明、羊皮紙にグアッシュ画法、25× 33.5 cm、プライベート・コレクション
[Public domain], via Wikimedia Commons


アメリカ大陸の発見とともにヨーロッパにもたらされたウリ科の果菜ズッキーニ。イタリアは、ヨーロッパでも特にズッキーニを愛する国として知られています。ローマ以南では主に〈ズッキーネ〉で親しまれており、私も馴染みのある呼称〈ズッキーネ〉を使いたいと思います。

庶民の食生活に密着しているズッキーネ、実の部分だけではなく花も食用としてよく調理されます。ヨーロッパにもたらされて早くも20年後には、ラファエロの弟子によって絵画に描かれたウリ科の野菜たち。その楽しい逸話をご紹介いたしましょう。


イタリアにおける新しいメセナの形 続々と美術修復に出資をする大企業

井澤佐知子2018/03/29(木) - 23:01 に投稿

イタリアでは昨今、企業による美術修復のニュースが相次いでいます。その背後には、財政難にあえぐ文化財・文化活動省と、新たなメセナのかたちを展開する企業の思惑があるのです。