「装う」を見つめ直す ―アーティスト西尾美也の可能性
皆さんは朝、家を出るときなぜその服を着ているのでしょうか。
街でスーツを着ている方を見たらあなたはその人は何をしている人だと思いますか?セーラー服を着ている女性を見かけたらどんな人だと思いますか?
私たちは、女性なのか男性なのか、学生なのかサラリーマンなのか、様々なことを服で判断しているのではないでしょうか。
鷲田清一の著書『ひとはなぜ服を着るのか』の中でも、「性差が服装の差異を決めるというよりも、服装の差異が性差をかき立てる」と、記されています。
個人的な体験ですが、スカートを履いて街を歩くと、嘲笑されることもあります。男性とスカートの組み合わせは、一般社会では異質なものとして映るようです。
このように、服が1つの判断基準となっているからこそ、毎朝、自分の社会的役割に応じて無意識に何も疑うこと無く、服を選んでいるのかもしれません。
ここでご紹介する西尾美也さんは、そんな、装うことに対し考えるきっかけを与えてくれるアーティストです。
西尾さんは衣服をメディア(道具・媒介するもの)として捉え、衣服を用いた作品を通じて、我々の生活における最も身近な文化、「装う」という行為に対し揺さぶりをかける作品を数多く発表しています。
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