<戦後美術>は美術史の重要なカテゴリーとされていますが、その時代背景を実感しているジェネレーションは少なくなりました。当時、焼け野原となった 街はヤミ市の掘建小屋が乱立し、誰もが空腹を抱えて彷徨っていたのです。しかし、長い抑圧から解放された精神は一気に解き放たれました。常に死と対峙させられていた生命は一気に高揚し、それはまるで堰を切った河のように激しい流れとなりました。<戦後美術>とはそのような時代背景の元に生まれたカテゴリーです。故に人間の真摯な生の証としての art ととして特筆されるのでしょう。