クライム・エブリ・マウンテンvol.2 「漆がつなぐ、アジアの山々」 うるしがうるおす、山地の暮らし
しっとりとした光沢をもち、手に口に、優しくなじむ漆の椀。
日本をはじめとしたアジアの山地では古くから、漆を掻き、塗り、日々の生活の中に活かしてきました。
ウルシ科の樹木は世界中に800種近くありますが、その中でいわゆる〈漆〉として樹液が使用できるのはほんの数種しかありません。
その数種すべてが、日本から韓国・中国
町田久美(まちだ くみ)さんは1970年群馬県高崎市生まれ。多摩美術大学にて日本画を専攻しましたが、日本画の技法を使いつつも、いわゆる日本画の枠にとどまらず、現代美術作家としてデビュー当時から海外で展覧会を行うなど国内外でも活躍しています。町田さんの作品はどこか哀愁や懐かしさ、また夢の世界のような不思議な感覚があります。
本稿は、NIIZAWA Prize by ARTLOGUEの「NIIZAWA KIZASHI 2017」受賞を機会に、町田さんへインタビューをしました。
夏ですね。
子連れアート観賞歴12年のライターSeina Morisakoです。
それにしても巷ではイベントが多い。多すぎと声を出して叫びたいくらい多い。
先日クアラルンプールから日本に一時帰国しましたが、帰国日初日、子どもと一緒に外にいると、
あまりの情報量の多さに耳元でずっと大声で叫ばれているように感じました。
え、それって子育てのデフォじゃんって??
そうですね。まさにそうです。
久しぶりの日本。離れていたからこそ実感するのが、日本の情報量のすごさ。
いろんな物事に情報が飛び交っているだけじゃやなく、あらゆる所作に
「これが正しい」、
「こうしなきゃいけない」
といつの間にか縛りをかけられているようで、そうした大量の情報の圧力を、改めて大変だなと感じました。