椅子の神様 宮本茂紀の仕事

ARTLOGUE 編集部2019/08/07(水) - 02:31 に投稿
カッシーナ、B&B、アルフレックス、梅田正徳、藤江和子、隈研吾、アントニオ・チッテリオ、ザハ・ハディド…。彼らは、宮本茂紀さんがともに椅子の試作開発に携わってきたメーカーやデザイナー、建築家たちです。職人との間を繋ぎ、製品化を支える家具モデラーとして、宮本さんは「やってみなければ、分からない」と開発に挑み、デザイナーらの意向をかたちにしてきました。細部まで妥協せずに追及する、その姿勢にこそ不可能なことを可能にする力が宿るのかもしれません。これは、宮本さんが多くのクリエイターたちから信頼を置かれる所以でもあ ります。 しかし、そんな神業のようなことも、職人としての約 65 年のキャリアがあってこそ。過去には迎賓館や明治村に残された椅子の修復も行ってきました。宮本さんは経験から得た知識や新旧の技術を椅子作りに活かし、さらに次世代に継承することも怠りません。人一倍の探究心と好奇心で、宮本さんの職人魂は常に先の姿を見据えています。 本展では、宮本さんが携わった数多くの仕事を、モデラーの仕事、修復や自ら手がける椅子開発を含む椅子張り職人の仕事、そして次世代を育てる仕事の 3 つに分類し、それぞれ数例を試作開発の具体的な取り組み方とともに紹介します。完成した椅子に隠された職人の熟考、判断、技術の痕跡が垣間見られることでしょう。本展が、新たな角度から椅子の奥深さや魅力に触れることのできる機会となることを期待します。

辰野金吾と美術のはなし 没後100年特別小企画

ARTLOGUE 編集部2019/08/07(水) - 02:31 に投稿
日本の第一世代の建築家、辰野金吾(たつのきんご・1854-1919)が没して2019年で100年を迎えます。東京駅や日本銀行本店本館など日本近代を代表する建築を残した辰野について、今回は美術界での足跡をテーマに小企画展を開催します。 会期中はシンポジウムやトークイベント、ワークショップなども館内で実施予定です。 *本企画は、京都文化博物館、日本銀行金融研究所貨幣博物館との連携企画になります。

めぐろの障がい者アート展 日々のよろこび

ARTLOGUE 編集部2019/08/07(水) - 02:31 に投稿
本展では、目黒で暮らす障がいのある方たちの作った美術作品を紹介いたします。 目黒区美術館は、1987年の開館以来、地域に根差した美術館として、目黒にゆかりのある展覧会の開催や、どなたにでも来て頂けるワークショップなどの普及活動に力を注いできました。 その歩みに基づき、この度は区内の障害者通所施設を中心に、目黒で暮らす障がいのある方から募集した作品を展示します。また会期中には、障がいのある方もない方もともに美術を楽しむ機会を設けます。 この展覧会が、見過ごしがちな日々のよろこびに気づく機会となれば幸いです。 会場は目黒区美術館区民ギャラリーです。

今森光彦展 写真と切り絵の里山物語

ARTLOGUE 編集部2019/08/07(水) - 02:31 に投稿
人と自然がともに生きる“里山”。 その中で生み出される豊かな営みを見つめつづけてきた写真家・今森光彦さん。琵琶湖を望む田園風景の中にアトリエを構え、 四季折々に移り変わる田んぼや里山に集まる生き物を撮り続けてきました。 今森さんはまた、蝶や鳥、植物をモチーフにした精緻で生き生きとした作品をつくる切り絵作家としても知られ、深い洞察力により、たった一本のはさみから生み出される作品には、植物の鮮やかさや昆虫の力強さが表現されています。 本展では、里山に暮らす今森さんのライフスタイルの紹介をおりまぜながら、写真と切り絵で里山の魅力に迫ります。 迫力ある大型作品を含む写真約80点、切り絵作品約30点をご紹介します。自然とそこに暮らす人々がつながる美しい里山の景色と、身近な自然と関わりながら暮らす喜びと魅力をお楽しみください。 9月1日(日)は19時30分まで 最終日は17時閉場・入場は閉場の30分前まで

谷本景展 古代からⅡ

ARTLOGUE 編集部2019/08/07(水) - 02:30 に投稿
谷本景氏は伊賀焼の窯元の家に生まれ、若き日にはフランス、パリで銅版画を学び、古伊賀の伝統の中に独自の現代性を表現する作家です。これまでも茶道具などの他に、銅鐸をイメージして生まれた、土に埋もれて朽ちかけるものの美を表現した造形作品「古代から」シリーズを制作してきました。 本展では谷本景氏の 2018 年より新たに始まった陶板のシリーズ 10 点を展示します。陶板は 1 点 40×30cm 程で、大地が乾燥してひび割れたようなもの、磨かれた黒石に白く粉がふいたようなもの、真っ赤に燃える溶岩が冷え固まる途中のようなものと、迫力のある土の表情を表現した圧倒的な存在感が見どころです。 家業の伊賀焼を継承しながら、一方で絵を描き、今日も平面作品の制作を続けている谷本氏。これまでの代表作「古代から」シリーズでは、銅鐸のかたちに、長い歳月土に埋もれ、腐食し朽ちかけゆく美を見出し、そこへ馳せる想いを独自の洗練された現代性で表現してきました。 新作ではより平面に近い矩形の支持体である陶板に、大地の力そのものを濃厚な密度で表現しています。

「天気の子」展

ARTLOGUE 編集部2019/08/07(水) - 02:30 に投稿
今、世界がもっとも注目するアニメーション監督・新海誠の最新作「天気の子」。映画「君の名は。」から約3年を経て、7月19日から全国公開中です。8月5日までの18日間で観客動員数440万人、興行収入60億円を突破する見込みです。 松屋銀座では、同作の貴重な資料を初公開する「天気の子」展を開催。本展では、絵コンテ、設定資料、作画、美術背景をはじめとした制作資料を展示し、作品のさらなる魅力に迫ります。また、作品の重要なモチーフである天気について楽しく学べる体験コーナーも。日本気象協会の協力のもと、気象現象を専用装置を使って再現するほか、実際の観測器なども展示し、より深く作品世界を知ることができます。 新海誠監督が切り開く新たなアニメーションの境地と、作品に込められた想いを体感できる展覧会です。

描く、そして現れる ―画家が彫刻を作るとき

ARTLOGUE 編集部2019/08/07(水) - 02:30 に投稿
画家が彫刻を作る、とは特別なことでしょうか? 歴史を遡れば、ルネッサンス期には有名なレオナルド・ダ・ヴィンチやその師のアンドレア・デル・ヴェロッキオら、多くの「画家であり、彫刻家でもある芸術家」たちの名前が、「芸術家列伝」(ジョルジョ・ヴァザーリ著)に記されています。 とはいえ、その後は分業化が進みます。彫刻家が常にデッサンをし、時に絵や版画を残したのに比べると、画家が彫刻を本格的に制作した例は大変少なくなります。 近代になると、印象派の幾人かの画家たちがすぐれた彫刻を制作したことは知られています。エドガー・ドガ、オーギュスト・ルノワール、そして同時代のオノレ・ドーミエらが熱心に彫刻を制作しています。彼らは自分の絵の中にいる人物たちを立体にして現したのでした。ポール・ゴーギャンもタヒチの民芸品に学んだ注目すべき彫刻を制作しました。 そして20世紀、前衛画家たちは、絵の中で行いつつある様々な造形の実験を、3D化しようと試み始めます。 自由に描きだせる絵の世界から踏み出して、重力ある空間のなか、材料を選び、筆を道具に持ち替えて、画家はなぜ彫刻を作るのか。それらは彼らの絵とどのような関係を結んでいるのか。それらは単なる素人の彫刻なのか、それとも? 本展では描くなかから生み出された、20世紀前衛画家たちの彫刻制作の一端をご覧いただきます。画家の絵と彫刻を並べて見るとき、彼らの意図が伝わってくるはずです。

パナソニック汐留美術館所蔵 ジョルジュ・ルオー展

ARTLOGUE 編集部2019/08/07(水) - 02:30 に投稿
20世紀フランス絵画の巨匠ジョルジュ・ルオー(1871-1958)は、塗り重ねられた鮮やかな色彩と特徴的な力強い黒の線を用いて、サーカスの道化師や労働者、聖書の主題などをモティーフに独自の世界を描き出しました。また色彩や線といった造形の新しさもさることながら、人間が普遍的に抱く苦悩や哀しみに向き合い、その向こうにある生命の輝きを見つめ続けた点でも、ルオーの作品は、時代や地域、宗教の違いを超え、現代の私たちの心を揺さぶります。 本展では、世界でも有数のルオー・コレクションで知られるパナソニック汐留美術館の所蔵作品から、油彩や版画など約100点をご紹介します。師ギュスターヴ・モローの影響を大きく受けた初期作品《ゲッセマニ》から、深みのある画面に輝くような色彩がちりばめられた晩年の傑作《マドレーヌ》まで、60年以上にわたる画業をたどり、その魅力を明らかにします。

柔らかな版:タイラーグラフィックス・アーカイブコレクション展Vol.32

ARTLOGUE 編集部2019/08/07(水) - 02:30 に投稿
木版画や銅版画が、硬い版材の表面から紙へとインクを写し取る技法であるのに対し、スクリーンプリント(シルクスクリーン)は、柔らかい布の織り目を通してインクを転写するという点が大きな特徴です。 古来より各地でおこなわれてきた繊維の型染めに起源をもつともいわれるスクリーンプリントは、19世紀から20世紀にかけてのヨーロッパやアメリカにおいて発展した、版画・印刷の技術としては新しいものです。スクリーンプリントでは、メッシュとも呼ばれる薄い布を枠に張ってスクリーンとし、その一部に目止めを施します。スクリーン全体の上からスキージという道具でインクを下に押し出すと、目止めのない部分の布目を通してインクが支持体に転写されて絵柄になります。他の版種より比較的手軽なうえ、紙以外にもさまざまな素材に刷ることができるこの技法は、最初に商業印刷や工業の分野で活用されるようになりました。 感光乳剤を使って目止めをおこなう写真製版技術の確立を経た1960年代以降、スクリーンプリントは美術表現のための版画技法としても大きな注目を集めることになりました。とくに、広告や漫画からの直接的な引用を現代のイメージを表現する手法として用いたポップ・アートの作家たちは、写真製版により既成の画像を転写することが容易な点に注目し、スクリーンプリントを作品制作に積極的に取り入れました。また、ハード・エッジとも呼ばれた幾何学的抽象絵画の作家たちも、インクを厚く盛ることによりフラットで物質感の強い色面を得られる点を生かして、スクリーンプリント作品を数多く制作しました。その後も、独特の明瞭な画面を実現できるこの技法は、さまざまなアーティストを惹きつけてきました。 本展では、CCGA所蔵のタイラーグラフィックス・アーカイブコレクションから、アメリカ現代美術を代表する作家たちがニューヨークのタイラーグラフィックス版画工房を舞台に生み出したスクリーンプリント作品を展示します。また、商業印刷の分野におけるスクリーンプリントの使用例として、日本のグラフィックデザイナーたちがこの技法を用いて制作したポスター作品の小展示を同時開催します。本展が、スクリーンプリントの幅広い魅力に触れる機会となれば幸いです。

ストラスブール美術館展

ARTLOGUE 編集部2019/08/07(水) - 02:30 に投稿
ドイツの国境近く、フランス北東部アルザス地方の中心地ストラスブールは、10館にも及ぶ美術館、博物館を擁し、多岐にわたる優れたコレクションを所蔵しています。中でも1998年に開館したストラスブール近現代美術館は、印象派から現代美術までを網羅した18,000点に及ぶコレクションを誇り、フランス国内でも屈指の美術館として知られています。 本展では、ストラスブール近現代美術館の多彩な作品によって、印象派の画家から20世紀美術の開拓者まで、近現代美術の流れを辿ります。 モネ、シスレーなどの印象派の画家たちが描いた風景。ゴーギャンやシニャックといった印象派以降の画家たちの色彩とタッチの変化。ロダン、カリエール、そしてローランサン、ピカソといった画家たちの個性豊かな表現。そして、キュビスム、抽象、シュルレアリスムなど、印象派からモダンアートへの展開をさまざまな視点で紹介します。 西洋近代美術史を語る上では欠かせない画家から、アルザス地方ゆかりの画家まで、ストラスブールからやってきた名品の数々をお楽しみ下さい。