世界遺産である二条城を舞台にした国際的なアートフェア「artKYOTO 2019」が開催! ガラスの茶室「雪花庵」や、ゴッホの水彩画などの出展も。 

遠藤 友香2019/09/07(土) - 16:52 に投稿
ガラスの茶室「雪花庵」(清昌堂やました)を眺める来場者

2019年9⽉7⽇(⼟)から9⽇(⽉)まで、国際的なアートフェア「artKYOTO 2019」が、京都の元離宮二条城で開催されています。国際⽂化観光都市「京都」を舞台に、世界遺産である二条城で初めて開催されるアートフェアであるだけでなく、令和から新たにはじまるアートフェアでもあります。

伝統的な⽂化と⾰新的な精神が同居して発展してきた京都は、江⼾時代に栄えた⼿⼯業が⼯芸として現在に受け継がれています。また、商⼈の町としての歴史も古く、京を本店にして江⼾に出店することが江⼾時代の商⼈の理想とされ、彼らは芸術⽂化の経済的な担い⼿としても活躍しました。このように、歴史の変遷の舞台としてだけでなく、⽇本のアートマーケットの重要な位置づけであった京都。その中でも徳川家康の将軍就任、⼤政奉還といった重要な歴史の変わり⽬の象徴ともいえる⼆条城で、この度新たなアートフェアが誕⽣しました。 artKYOTOには、古美術から現代美術まで時代の古今を限定せず、京都の11軒のギャラリーを含む国内外31軒のギャラリーが出展しています。歴史を踏まえながらも新たな社会価値を⽣み出し、アートを鑑賞するだけでなく、気に入ったら購入することもできるアートフェアです。
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來住尚彦総合プロデューサー(一般社団法人 アート東京 代表理事)は、「昨年10月くらいに、京都でアートフェアを開催したいと思いつきました。二条城が気に入り、会場を貸して欲しいと門川大作京都市長に依頼したところ『好きにしてよ』と快諾していただきました。完成後『こんな二条城を見たことがない』と仰っていただき、大変嬉しかった」と語っています。

⼆条城内の堀に⾯し、⾒張り台や武器庫のために使われていた「東南隅櫓(すみやぐら)」、江⼾時代は御料理間と呼ばれていた 「⼆の丸御殿台所・御清所(おきよどころ)」をはじめ、昭和に作庭された和洋折衷庭園「清流園」を望む「⾹雲亭(こううんてい)」 など、通常⾮公開の歴史的建造物の空間を活かして作品が展示されています。

二条城内の展示風景


二の丸御殿台所・御清所には、24軒のギャラリーが出展・販売。天井に重厚な梁が渡り、土間と板間が一体となった歴史を感じさせる広い空間の入り口には、壁・床・天井がすべてガラスで構成されたガラスの茶室 「雪花庵(せっかあん)」(板橋一広、浦一也、清昌堂やました)が配置され、歴史とアートのユニークな出会いを象徴するものとして、来場者を迎えてくれます。

ガラスの茶室「雪花庵」(清昌堂やました)を眺める来場者
ガラスの茶室「雪花庵」(清昌堂やました)を眺める来場者


また、その奥には、数千万円を超えるゴッホの水彩画(NUKAGA GALLERY)が展示され、歴史的な空間の中に、古美術や工芸、近代美術、現代アートのあらゆるジャンルで活躍する国内外で評価の高いアーティストの作品が揃っています。

ゴッホの水彩画(NUKAGA GALLERY)を眺める来場者
ゴッホの水彩画(NUKAGA GALLERY)を眺める来場者


二条城のお堀に面した「東南隅櫓(とうなんすみやぐら)」は通常非公開の建築物。ここには地元京都の「古美術 柳」をはじめ5 軒が出展・販売。三原穂谷の《幽霊図》(古美術もりみや)は、通常布や紙で仕立てる表装部分まで描き出す「描表装」という手法が用いられ、まるで幽霊が掛け軸から浮き出て来たかのように見えます。

三原穂谷の《幽霊図》を眺める来場者
三原穂谷の《幽霊図》を眺める来場者


また、二条城への入城者であれば誰でも観覧できるエリアには2軒の特設ブースを出展。そのうち、会場入口である東大手門を入ってすぐの外庭に設けた特設ブース「ライブアートガーデン」では、インスタグラムで245 万⼈超のフォロワーを持つグラフィティ・アーティスト、Mr Doodle(ミスター ドゥードゥル)氏のライブペインティングパフォーマンスも開催されます。

Mr Doodle氏のライブペインティング
Mr Doodle氏のライブペインティング


⼆の丸御殿台所・御清所の建物内右手に出展している、京都が拠点の「古美術 鐘ヶ江」は、現在工芸が衰退している現状は、パトロンがなくなったからだと考え、「一流や若手を問わず、作品を買い取って販売している」と言います。100年先にすごい作家がいたという認識を残していきたいとのこと。

同時期に⽇本で初開催される「ICOM Kyoto 2019(国際博物館会議京都⼤会)」はartKYOTOパートナーイベントであり、世界141の国と地域から、3000⼈を超える博物館の専⾨家が京都に集まっています。これにあわせて京都国立博物館をはじめ、京都国立近代美術館、細⾒美術館の3館を「artKYOTO 2019 特別 協力博物館・美術館」として連携し、artKYOTO のチケットを提示すると入場料割引等が受けられる特典企画も用意されています。 
  
artKYOTOのオープニングセレモニーには、artKYOTO実行委員長を務める門川大作京都市長をはじめとする京都の団体、経済界、文化界を代表する実行委員と、安倍昭恵 内閣総理大臣夫人らゲストの計11名が登場。

(左から)大西 洋 株式会社羽田未来総合研究所 代表取締役社長、渡邉 隆夫 京都府中小企業団体中央会 会長、  立石 義雄 京都商工会議所 会頭、田村 明比古 成田国際空港株式会社 代表取締役社長、コシノジュンコ デザイナー、  來住 尚彦 artKYOTO総合プロデューサー、近藤 誠一 公益財団法人 京都市芸術文化協会 理事長、門川 大作 京都市長、  安倍 昭恵 内閣総理大臣夫人、佐々木 丞平 京都国立博物館 館長、中野 善壽 東方文化支援財団 代表理事
(左から)大西 洋 株式会社羽田未来総合研究所 代表取締役社長、渡邉 隆夫 京都府中小企業団体中央会 会長、  立石 義雄 京都商工会議所 会頭、田村 明比古 成田国際空港株式会社 代表取締役社長、コシノジュンコ デザイナー、  來住 尚彦 artKYOTO総合プロデューサー、近藤 誠一 公益財団法人 京都市芸術文化協会 理事長、門川 大作 京都市長、  安倍 昭恵 内閣総理大臣夫人、佐々木 丞平 京都国立博物館 館長、中野 善壽 東方文化支援財団 代表理事

安倍氏は、「artTOKYOには毎年伺っています。今回の二条城での開催は本当にできるのが疑問でしたが、この世界遺産となった素晴らしい建物で、本物のアートを拝見できて、東京とは違う感動を得られました。絵や音楽は苦手ですが、人生のアーティストになりたい。何か勇気を持ってチャレンジすると、言葉を超えて世界に広がっていくと思います。愛と平和が広がっていくことを願っています」と語りました。

門川京都市長は「令和3年度に文化庁が全面的に移転してくる京都から、新しいアートを世界に発信することはもとより、素晴らしい作品を購入していただくことで、日本のアート市場を更に育てていくことが大切。日本のアート市場は、海外と比べると1ケタ少ないと言われています。悠久の歴史を持つ京都で開催されるartKYOTOが、文化と経済の良き循環となるよう願っています」とコメント。

また來住総合プロデューサーは、「京都というこの地でアート作品を楽しみながら、京都、そして世界のみなさまに喜んでもらえるフェアに育てていきたい」と話しました。

artKYOTOに足を運んで、アートを鑑賞するも良し、購入するも良し。世界遺産・⼆条城を舞台にした国際的なアートフェア「artKYOTO」で、アートに溢れた秋の京都を満喫してくださいね!


■「artKYOTO 2019」
会期:一般公開 2019年9月7日(土)~9日(月)
会場:元離宮二条城
時間:11:00~20:00
※9月9日(月)は16:00まで
チケット:
一般 前売券:2,500円、当日券:3,000円
学生 前売券:1,500円、当日券:2,000円
※チケットに二条城への入城料含まれず
※小学生以下は大人同伴の場合に限り、artKYOTOへの入場無料
※学生チケットは、9月9日(月)限定の販売
URL:https://artkyoto.jp/

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