慎重に配置された直線や円弧、矢印、点などの図形。
その上に書き込まれた、ステンシル文字や筆記体によるテキスト。
荒川修作の作品に見られる「言語」は「形象」を説明するものではなく、また後者は前者の図解でもありません。
「文字」と「記号」が複雑に共存する「図式絵画」を前にした時、私たちはその仕掛けにしばしば困惑すると同時に、謎めいた意味を理解したいと願います。
そして、こうした鑑賞者の思索や参与ゆえに成立する作品こそ、作家が目指したものでした。
「=(イコール)」では結びつかない、「意味するもの」と「意味されるもの」。
パラドックスの果てに現れてくるものは、絵画の持つ二次元性や、私たちが生きる三次元空間を超越した、知覚やイメージが重層的に絡み合った多次元の芸術世界なのです。
平面作品やオブジェを出発点とした創作は、晩年に近づくにつれて、身体の知覚によって構築される「空間」を探求する建築プロジェクトへと発展していきました。
死はオールドファッションである。
公私共にパートナーのマドリン・ギンズとの共著『意味のメカニズム』の序文に記された、印象的な一文です。
「天命反転」という命題の解を導くため、数々の思考実験に生涯を捧げたひとりの芸術家。
このたび、「海を渡った画家たち‐時の共演‐」の特集展示として、渡米直後の貴重な初期作品を含む約15点をご紹介いたします。模索の先に見える未知なる世界の一幕を、感じていただけましたら幸いです。
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開催概要
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会 期:2018年4月26日(木)〜11月25日(日)
会 場:軽井沢現代美術館
時 間:10:00〜17:00
休 館:火曜日・水曜日
*11月下旬〜4月中旬は冬期休館
料 金:大人1,000円、65歳以上&大高生800円、中小生500円、未就学児無料
*入館料はお茶とお菓子のサービスを含む
*障害者手帳をお持ちの方はご本人と付添いの方1名まで無料