東急東横線・学芸大学駅から徒歩4分の住宅街に、2015年にオープンした「BOOK AND SONS」をご紹介しましょう。
「Casa BRUTUS」の特集にも掲載された「BOOK AND SONS」は、タイポグラフィにフォーカスした世界でも珍しいデザイン書籍のブックショップ。ハイセンスなインテリアの中で、文字のアートに浸れる空間となっています。「立ち読み推奨」という自由なお店なので、仕事や日常につかれた時の、隠れ家的なお洒落なオアシスとしても役立ちそう。
タイポグラフィとフォントについて
タイポグラフィとは、文字(書体・フォント)の見せ方、読ませ方を主眼においたグラフィックデザインの手法や作品のこと。空港や地下鉄等の公共交通機関や美術館などのパブリックスペースのサイン計画、それに伴うオリジナル書体開発などもタイポグラフィの一環。大規模プロジェクトのサイン計画やフォント設計の場合には、億単位の予算が投入されることも少なくありません。
欧米ではフォントは社会共有の財産と見なされていて、フォント設計者&デザイナーは大きなリスペクトを受ける存在です。広告デザインや宣伝ポスターは一過性のものですが、その中にあるフォントは、場合によっては世紀を超えて多くのデザイナーによって使用されるもの。タイプファウンドリーと呼ばれる書体制作会社や書体デザイナーは、何年もかけて長く使用に耐えるフォントを慎重にデザインしているのです。
タイポグラフィには、文字やフォント、カリグラフィーだけで平面を構成するデザイン作品も数多くあります。文字を使ったミニマルなタイポグラフィアートを集めた本は、アーティスティックなインテリアのようにイマジネーションをかきたて、何度眺めても飽きることがありません。
「BOOK AND SONS」というネーミングは?
「BOOK AND SONS」のオーナーであるWebデザイナーの川田修さんは、デザインの基礎を学び直そうとタイポグラフィの書籍を集めていったとのこと。蔵書が増えすぎて置き場に困り、それなら一般公開してはどうだろうと始めたのが、「BOOK AND SONS」のオープンのきっかけだったそうです。
「BOOK AND SONS」という名前は、「P&G(The Procter & Gamble Company)」などのパートナーによる創業企業のニュアンスを感じますが、この「本と息子たち」というネーミングには、「本というメディアを次世代に継承していきたい」 という川田さんの想いが込められているそうです。
学芸大学の「昔ながらの雰囲気を残しながら、新しさも共存する不思議な空気」が、お店のコンセプトと一致したのもこの場所を選んだ理由とのこと。「SONS」の響きは、「Helvetica」や「Futura」などラインに「うろこ」や「ひげ」を持たない書体、サンセリフ体(仏: Sans-serif)にもかかっている気がしますが、違ってたらゴメンナサイ。
「BOOK AND SONS」のオススメ書籍&アイテム
「BOOK AND SONS」のオンラインストアから、オススメの書籍とアイテムを教えていただきましたのでいくつかご紹介します。
あと、個人的に気になったのがこのイタリア産牛革ショルダーを使用した「LAPTOP CASE」のホワイト。革小物ブランド「cotone」と「BOOK AND SONS」のコラボ・プロダクトとのことです。これはお洒落!
ギャラリーでは写真展やワークショップも
「BOOK AND SONS」の奥に併設されたギャラリースペースでは、写真展やワークショップなどのイベントも開催しています。
ショップの雰囲気やコンセプトにマッチすると感じた方に積極的に声をかけ、お店を訪れる方に楽しんでもらえる展示を実現すると同時に、これから活躍を目指す若手アーティストの発表の場になれば、という想いがあるとのことです。Facebookページをチェックしていれば、きっと気になるイベントが見つかるはず。
ニューヨークの美術館を思わせる「BOOK AND SONS」のクールな空間で、都会の喧騒から逃れて「リトリート」してみるのはいかがですか。お洒落なオリジナルグッズも、ファッション好きな方には見逃せませんよ。