東日本大震災やアメリカ同時多発テロ、リーマンショックなど世界各地で絶えず発生するカタストロフ。多くのアーティストがこのような悲劇的な災禍を主題に、惨事を世に知らしめ、後世に語り継ごうと作品を制作しています。その私的な視点による記録は、マスメディアの客観性を重んじる記録とは異なり、多勢の世論の影に隠れて見えにくくなったもう1つの事実を私たちに提示します。そこにはまた、社会の矛盾や隠蔽された問題の可視化を意図するものや、個人的な喪失や悼みを表現するものもあります。
カタストロフは私たちを絶望に追い込みますが、そこから再起しようとする力は想像力を刺激し、創造の契機となることもまた、事実なのではないでしょうか。東日本大震災以降、国内外の数多くのアーティストが復興・再生への願いを込めて理想や希望を描き、より良い社会のために新しいヴィジョンを提示しようと試みています。
戦争やテロ、難民問題や環境破壊など、危機的な問題が山積する今日において、美術が社会を襲う大惨事や個人的な悲劇とどのように向き合い、私たちが再生を遂げるためにどのような役割を果たすことができるのか。本展は、負を正に転ずる力学としての「美術のちから」について注目し、その可能性を問いかけます。
[gallery 4324]
※当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為は法律で禁止されています。
開催概要
----------------------------------------------------------
会 期:2018 年10 月6 日(土)~2019 年1 月20 日(日)
会 場:森美術館
時 間:10:00~22:00(入館は21:30まで)
*火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
*ただし2019年1月1日(火・祝)は22:00まで(最終入館 21:30)
休 館:会期中無休
料 金:一般1,800円、学生(高校・大学生)1,200円、子供(4歳~中学生)600円、シニア(65歳以上)1,500円
※本展のチケットで、「MMAMコレクション008」展、「MAMスクリーン009」展、「MAMリサーチ006」展および展望台 東京シティビューにも入館可(屋上 スカイデッキを除く)。
問合せ: 03-5777-8600(ハローダイヤル)